「大陸中のバイラスの生息地がバラバラになっているそうです。先日雪原にて炎を使うバイラスを見たという報告がありました」
ワルトゥは愛用の杖で地面をコツンとつついてから続けた。
「原因はどうやら四季のフォルスの持ち主にあるようです」
「指揮の持ち主?」
コンダクターかな?というルルの疑問にワルトゥは一回咳払いした。
「四季とはつまり春夏秋冬、季節を指します」
「俺達の集落には季節ってものがねぇからな。いまいちピンとこねぇか?」
ブライトが苦笑いしながらルルを見ると首を傾げており、あとで説明することにする。
「そうえいば船の上で会ったレラーブさん、秋のフォルスだって言ってましたよね?」
「あぁ。更に海賊のアルティスは夏のフォルスと言っていたな」
ユージーンが拳を顎に当てながら言うと、ワルトゥはがっかりしたかのように肩を落とした。
「既に接触されていましたか。彼等は強力過ぎるフォルス故、本来土地を離れることを禁じられているのです。彼等のフォルスがそのままその土地に影響し生態を維持するため、彼等が移動すれば季節も変化する。幸い、冬のフォルスの所持者は動いていないようですが」
「なんか面倒な奴等だな。レラーブ達は可哀想だと思うけどよぉ」
ティトレイは肩をすくめて呆れた。
「何か、理由があったのかな?」
「分かりません」
カインの問いにワルトゥは首を振る。
「兎に角、今後ご用心ください」
ワルトゥはユージーン達に一礼するとハックと共に北へ向かった。
恐らく古代の石版が多数発見されているメセチナ洞窟へと向かうのだろう。
「終わった?」
突如ナイラがフィオナの影から顔を出しフィオナは反射的に太ももを抑えながらバッと瞬時に後ろへ飛び、ジークの背中に隠れた。
「あ、あんた普通に出てこられないわけ!?」
「これが私の普通」
ナイラはジークの影と重なったフィオナの影から出ようとはせず、中でもぞもぞと何かを取り出す仕草をしている。
その様子をすっかり警戒したフィオナはジークの腕を掴みながら見つめた。
「これ、元老院から」
影の中から出てきたのはナイラの顔の何倍も大きい金属の塊だった。
ガシャンと音を立てた塊にはプラグやらパイプオルガンに付いているパイプのようなものが突出していた。
「これは?」
「知らない」
マオは触りながら質問するがナイラは淡々と答える。
「首都の警護をしないなら代わりにこれを使って全ての暴動を止めてこいって」
「そんなこと言われても使い道が分からないじゃない」
ヒルダが腰に手を当てながら言う傍らでブライトがまじまじと金属の傍らを見つめていた。
「これって・・・・・・もしかしてエンジンじゃねぇか?しかしこれをどこで手に入れたんだ?」
「バルカの北で見つけたって言ってた」
「バルカの北だと?」
ヴェイグはおもむろにワールドマップとディスカバリーを照らし合わせた。
すると、そこには黄金の飛行型模型が記されていた。
大昔に空を滑空していた機械の模型とされていたが、もしもこれが模型ではなく本物なのだとしたら、このエンジンは飛空機器の一部ということになる。
「もしかして、空から世界中を廻ってこいってこと?」
「だから知らないって言ってる・・・・・・!!」
マオの質問に対してナイラはイラついたように睨みつけ、マオは後ろ髪をかいた。
「とりあえず模型があるところまで行ってみようよ。大昔のものでも僕のフォルスを使えば再生できるかもしれないし」
「いや、おそらくそれは無理だ」
カインの提案をヴェイグは即座に否定する。
「俺達が見つけた時には既に胴体部分しかなかった。そんな状態でも再生ができるのか?」
「部品の位置を再生するのが無理なら時間を戻す意味で再生すればなんとかなるかも。ちょっと力を多めに使うけど」
カインは笑顔で言う。
しかしジークは納得できない。
すると、
「いや、別の方法を探すべきだ」
ジークではなくユージーンが否定した。
「俺達はサレ達と戦ったばかりのうえにまだ6芒星との戦闘も控えている。ここで無駄に力を消費するのは得策ではないな」
「じゃあどうすんの?」
ジンが質問するが、現状カインの力を使うしかない。
ジークは必死に思考を巡らせる。
このままでは親友の寿命がまた縮んでしまう。
後どの程度残っているかも分からないのに。
「ん?そういえば・・・・・・」
親友といえば以前、ジークがカインを探している時、同じく友を探している人物と出会ったことを思い出した。
確かそいつは友を探すために空を飛ぼうとしていなかったか。
「なぁ、ラジルダ跡に行かないか?」
ジークの提案に全員が首を傾げ、未だにジークの背中にくっついていたフィオナは無意識にジークの袖
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