「ジンお兄ちゃんの阿呆・・・・・・」
翌朝ルルとジンはリュックを背負いながら集団に混じって橋を歩いていた。
その中でも特にルルは不機嫌そうに俯きながら歩いていた。
確かに昨夜ジンが余計な一言を言わなければどちからかは付いてきたかもしれない。
ルルは早朝も諦めきれずにジークを説得しようとしていた。
「ねぇ本当に付いてきてくれないの?」
昨夜のうちに仕込みをしておいたおかずを弁当箱に詰める隣でルルはこれで通算5回目になる質問を投げつける。
「だから行かねぇって」
洗面所でジンが顔を洗っているがチャリティはまだ起きてこない。
港までは距離があるため校外学習へ行く生徒は何時もより数時間早く学校へ行かなければならないため、チャリティが起きてこないのも当然ではある。
「1人で行くなんて寂しいよ〜。無理だよ〜」
ルルは辛抱たまらずジークの腕を揺するが弁当詰めに夢中なジークはパッと振りほどいた。
「ジンも行くんだから1人じゃねぇだろうが。よしできた!」
弁当箱を覗いてみると動物の顔が彩られたキャラ弁なるものが完成していた。
「何これ可愛い!!」
「大陸に生息してるノースタリアケナガリス族・・・・・・だったか?この前文献で読んだだけだったけど、うまくできたな」
ヴェイグが連れているザピィのことである。
「俺は姉さんを起こしてくるから、後は自分で包んどけよ」
「うん!!」
そのままなんやかんやではぐらかされ、現在に至るのであった。
「恐るべしノース何とかかんとか・・・・・・」
「ルルちゃん具合悪いの?」
ルルがモフモフ族に恐れを抱いていると、ジンの隣へイーリスがやってきた。
「兄さんが付いてきてくれなかったから拗ねてるんだよ」
「下ばっかり見てたら転んじゃうよ?手、繋ごうか?」
ルルはしばらく差し出されたイーリスの手を見つめたが、頷き手を伸ばした。
「超!心配だわ!!」
一方、学校ではチャリティが情緒不安定となっていた。
「昨日、ジンが付いてるんだから大丈夫って話しになったじゃねぇか」
「そうだけど・・・・・・でも心配じゃない!港まで行ったらどんなに早くても夕方までは帰ってこれないのよ!?夕方までルルちゃんの顔を見れないなんて・・・耐えられない!」
(だったらせめて朝起きて見送ってやれよ・・・・・・)
あたふたする姉を見てどうしたものかと思案するジークだったが、他の生徒は特に気にも留めずに他愛無いお喋りをしていた。
そしてまた2人、リーゼントの髪をした生徒が教室に入るなりチャリティに深々とお辞儀をした。
「「姉さんおはようございまっす!」」
1人は金、もう1人は銀のリーゼントだった。
ちなみにこの2人は後の世紀末コンビである。
「おっ、なんだ今日はジークも来てんのか!」
金のリーゼントが頭を上げるなり慣れ慣れしくジークの肩に腕を回した。
「俺のことは良いから姉さんの心配性をどうにかしてくれよ・・・・・・」
それを聞いて銀のリーゼントが高笑いする。
「ヒャッハッハッハ!そいつは無理な相談ってもんだぜ!姉さんが妹さんを想う気持ちは誰にも止められねぇからなぁ!」
「だよな・・・・・・。ホント、ルルが嫁に行くって言ったら姉さんどうすんだよ?」
「まずは相手を殴る!話しはそこからよ!」
それを聞いて金銀リーゼントは拍手をし、ジークは苦笑いをした。
そう、これが本来平和だった時の関係。
喧嘩もするがそこには恨みも遺恨も何もない、ただただ何も考えずに笑っていられる時間がそこにはあった。
「はーい、みなさん席についてくださ〜い」
全員の注目を集めるように栗色の髪をなびかせながらリノアが教室に入ってきた。
しかし生徒達は先生の声よりも、なびく髪よりもまず第1にある一点に視線を集中させていた。
「みんなそろってるかな?」
一歩一歩あるく度に揺れる豊満な果実。
教壇に立ち、教材を置く動作と呼応するように弾むたわわな果実。
それは声で全員の注目を集めるよりも遥かに効率が良く思われた。
「ほんと、男ってバカばっかり」
青い髪のヴィーナが冷めた目つきで言うと、「なんだとぅ!?」という男性陣からの反論が飛び出し、女性陣も負けじと席を立つ。
そこから数分、禁断の果実についての口論が行われるところだったがリノアが二回手を叩くと瞬時に場は静まった。
「みんな元気良いね〜。これなら出欠とらなくてもよさそうだね。授業始めよっか」
「「は〜い」」
先程のいがみ合いはどこへやらといった調子で生徒達はそれぞれ問題集をとりだし、勉強を始める。
「ふふふ」
リノアはそんな様子を嬉しそうに見つめながら笑うとそれに伴ってメロンが一回揺れる。
昼下がり、校外学習組は港へと到着した。
ブライトの後ろには大
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