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第40話『洞窟と職人』

ヴェイグ達は巨大な鳥が描かれた地上絵を辿りながらクチバシへあたる箇所へ到着した。
すると、遠目では分からなかったが確かに人一人分の大きさの穴が垂直に地下へ向かって空いていた。
その穴には縄梯子がかかっており、どうやら骨董屋の店主はこの縄梯子を利用して降りていたことが伺えた。

「結構深そうだな」

ティトレイが覗き込んだ後ユージーンがどうように覗き込んでみる。

「いや、そうでもないようだ。7メートルほどくだれば地面に着くだろう」

中は薄暗いためよく見えないが、夜目のきくユージーンが目を光らせながら言うのだから間違い無い。
8人は縄梯子をつたい、洞窟の中へ潜り始めた。

一方、ピピスタでお留守番のマオ、ヒルダ、フィオナ、ルル、カイトの5人は再び街を散策していた。
というのも金属の問題は何とかなりそうだが、まだ人手の問題が残っている。
エンジンの軽量化にはユージーンに心当たりがあると言っていたがそれも絶対ではない。
今のうちにやれることはやっておこうとマオ達は何かヒントがないか街を歩き周り、入り口にさしかかった時である。

「や、やっと見つけた……」

木の枝を杖代わりにし、男性の視線を釘付けにするいかにも重たそうなメロンを胸にぶらさげながら緑の髪の女性がよたよたと歩み寄ると、マオの手前でばたりと地面に倒れた。

「だ、大丈夫!?」

「み、みず……」

「ミミズ?」

「殺すぞコラ!あっ……」

ルルが首を傾げながら言うと緑の髪の女性はルルを睨んだ後気絶した。

「とにかく宿屋に運ぼうよ!!」

カイトが慌てながら言うが、男性がこの女性を背負うとなると胸が背中でお祭り騒ぎになってしまうためフィオナが

「私が運ぶ」

背負うと思いきや影からナイラが瞬時に飛び出し、気付いた時には既に女性を背負っていた。

「では宿屋まで運んでもらおうかしら?」

「私に命令するな」

そう言いながらもナイラは宿屋へ向かい、ヒルダはため息をついた。

「にやけながら言われても全然迫力無いのだけど」

「ねぇヒルダ、今のヒトって船を修理してくれたヒトじゃない?」

フィオナは薔薇の香りと爆乳を思い出しながら言うとヒルダは頷いた。

「そうね。彼女が目をさましたらいろいろときく必要がありそうね」

こうしてマオ達もナイラの後を追うようにして宿屋へ向かった。

「中は意外と明るいんだ……」

最後にジンが縄梯子から地面に足を下ろすと率直な感想を漏らした。
中はトンネルのように先へ繋がっているようだが幅も高さも2メートル強しかなく、ユージーンに至っては天井スレスレである。
しかしジンの言うとおり鉱石のような物が外からの僅かな光を反射し、蝋燭のような役割を果たしていた。

「これは石英が光を反射してんのか?」

「ブライト、研究熱心なのはいいが今はリヒトワームを探すことが先決だ」

「わかってるよ」

石英をまじまじと観察していたブライトだがユージーンに指摘されたことで名残惜しさはあったが先へ進むことにする。

「く、暗いですね……」

さっきジンが意外と明るいと言ったばかりななのにと思いながら、何故か最後尾を歩いているアニーを振り返るとおどおどした様子で歩いていた。

「何か話しながら歩こうか」

アニーの前を歩いていたカインが提案するとアニーは何か思い出したのか両手を胸の前で合わせた。

「だったら私、カインさんに聞きたいことがあったんです」

カインは首を傾げる。

「物を再生するというのはどんな感覚なんですか?」

「難しい質問だなぁ。感覚というよりイメージして再生するんだよ」

「イメージ?」

「そう。だから物体とヒトを再生する時じゃ違うイメージなんだけど……分かる?」

「つまり元はどんな状態だったかイメージしながらフォルスを使うってことですよね。じゃあヒトを再生する時も体の一部一部をイメージしてるんですか?」

「うんまぁ……。でも血管をイメージするのって難しいんだよね。なんか迷路みたいでさ」

「あ、分かります!ヒトによって血管の位置が違うから覚えても無意味なんですよね!私なんてお父さんに注射の練習につきあってもらったのに何本も針をダメにしてしまったんですよ?」

「たまに血管が細いヒトもいるもんね。でもガジュマって血管が硬いから注射大変じゃない?」

「あぁ、それは……」

二人の会話を前を歩く6人は顔を青くしながら聞いていた。

「カインは生体について詳しいんだな」

ヴェイグがぼそっと呟くとブライトは笑った。

「あいつは循環機能あたりの成績はずば抜けてたからな」

「俺、カインに再生された時に中身のこと想像されてたのかよ……」

「むぅ……」

ジークとユージーンは突然寒気に襲われたかのように身震いした。

「しっかし、アニ
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