ブライトは適当に地面に向かって発砲した。
すると、その銃声にリヒトワームは驚くとワシャワシャ鳴きながら慌しく動き始めた。
ブライトの足元にいたリヒトワームにいたっては早速糸を吐き始める。
「ブライト!」
ヴェイグがテディホビンを投げるとブライトはキャッチする。
そして糸を防ぐようにテディホビンを突き出すとホビンは自動で回転し始め糸を巻き取った。
「こいつはすげぇな」
ブライトが感心している傍ら、リヒトワームは糸を吐くのをやめると調度ホビン一周分の糸を回収できた。
「一匹でこの程度か……」
ホビンも大きいせいかあまり回収できていない気がした。
しかしそれでも糸を吐きつかれたリヒトワームの代わりに2匹目、3匹目と威嚇のために次々とリヒトーワームがブライトの周りに集まり糸を吐く。
それを遠巻きに見守りつつ足元を高速で通り過ぎていくリヒトワームを踏まないようにしていたヴェイグ達だったが、不意に足元が地鳴りのような細かく震えるのを感じた。
「地震か?」
ヴェイグは天井から吊るさっている巨大な繭を見るが特に揺れている様子はない。
つまり一部の地面の下だけが振動していることになる。
ヴェイグは足元を見てみる。
その瞬間ヴェイグの足元から強靭のアゴを開いたリヒトワームがロケットのように飛び出した。
「っ!!」
ヴェイグは咄嗟に仰け反るとリヒトワームはヴェイグの前髪を切り裂きながら勢いを殺すことなく天井に突っ込み、しかし激突することなくその強靭なアゴで天井を掘り進むように潜っていった。
その一匹を合図にして今までのんびりと生活していたはずのリヒトワーム数百匹が地面や壁、天井という360度から特攻を始めた。
「俺達はどうやら重要なことを見落としていたようだ」
ユージーンが槍でリヒトワームを払いながら言う。
「重要なこと!?」
ジンが剣でアゴを払うと金属音と共にリヒトワームは弾かれる。
今の音でリヒトワームのアゴが鋼でできていることが分かるとジンに嫌な汗が流れた。
「俺達が歩いてきたこの洞窟を掘った主だ」
ユージーンの言葉に全員が顔を青く染めた。
「それならこの頑丈な歯も納得だ!老後がうらやましいぜ!」
ティトレイは冗談混じりにリヒトワームのアゴよりしたの本体、柔らかい部分を狙って蹴り飛ばす。
しかしロケットのように突っ込んでくる虫の中には噛み砕くのではなく、わざと軌道をずらして糸を吐きながら通り過ぎる虫もいた。
その糸がティトレイの足に絡むとティトレイはバランスを崩して地面に倒れる。
「ティトレイ!!」
ジークは叫ぶが距離が離れているためどうしようもない。
「ちっ!」
ヴェイグは舌打ちしながら地面に片手をつくとそこからフォルスを流しティトレイの背中の下の地面を凍らせる。
しかしリヒトワームは氷などものともせずにぶち破りながらティトレイの腰にロケット頭突きした。
「ぐあっ!」
ティトレイは衝撃で体がえびぞりになりながら宙に浮くが、幸い噛み砕かれてはいなかった。
今ティトレイに激突したリヒトワームを見てみると糸を吐いており、運が良いことに糸を撒き散らすために出てくる虫とぶつかっただけのようだった。
「ティトレイ!」
ブライトがテディホビンを投げるとティトレイはキャッチし糸を巻き取らせる。
その後、ホビンをラグビーボールのように各々パスをまわしながら糸を回収しつつ、どうしようも無い時は虫を斬るなり潰すなりして凌いだ。
「絶滅しちゃわないかな……」
危惧しながらカインはジンにホビンを投げる。
「これだけいれば平気っていうか、俺達が絶滅するよりマシでしょ」
そう言ってジンは右手でホビンをキャッチしてから左手でリヒトワームを切り裂く。
この作業をどれくらい続けているのかはもう覚えていないがだんだんと慣れてきた気がした。
しかし、トラブルというのは慣れたころにやってくる。
「みなさん、気をつけて!」
アニーに注意され周囲に気を配ってみるとまばらに散らばっているリヒトワームの何匹かがギャーギャー言いながら尻尾立ちしている。
しかし最も注目するべき点はその下に赤色の魔方陣が浮き上がっているということ。
「あいつら導術も使えんのか!?」
ブライトが驚いている間にもリヒトワームは詠唱を終えた合図のように飛び上がった。
すると、リヒトワームの口から小さな火の粉が発射された。
「な、なんだ、驚かしやがって……!」
リヒトワームが作り出すマッチに灯る火のような大きさの導術にブライトは安心していた。
さらにその火の粉はヴェイグ達に当たることはないが、相変わらずロケットのように飛び出す仲間に当たっていた。
「所詮虫っつうか、やっぱ知能は低いんだな」
ティトレイは自分のことを棚にあげつつ、最早ルーティ
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