リヒトモスインセクトは体の何倍もの大きさがある羽を羽ばたかせると突風が生じ、近づこうとしていたヴェイグ達の足が浮いたかと思った次の瞬間にはリヒトモスインセクトとは反対側の壁へと背中を打ち付けていた。
背中に衝撃がはしるがヴェイグ達はすぐさま体勢を立て直し走り出す。
そうしなければ壁や天井と、至るところからリヒトワームが突進をしかけてくる。
したがって再びリヒトモスインセクトへアタックをしかけるヴェイグ達だがリヒトモスインセクトも先程と同様に羽をはばたかせる。
しかし相手はフィオナと違い突風を生み出すのに時間がかかる。
その隙にまずジークが跳躍し、左の羽を右足で蹴る。
間近で見ると余計に大きく見え、羽はジーク3人分はあった。
視界は銀色の羽一色に染まり本体の様子や周りの様子など見えないが反撃してくる様子もないためジークはそのまま左足、右足と二発滞空中に蹴った後着地した。
ジークの直後に跳んだティトレイも同様に着地するが彼は舌打ちした。
「ちっとも怯まねぇな!」
それでも後続のユージーン、ヴェイグもジークとティトレイを尻目に跳躍していく。
「ふんっ!」
ユージーンはその重量故にティトレイ達ほどの跳躍力はないが槍を突き出すことで左右の羽の間にある紫色の本体に突き刺した。
しかしその本体もユージーンと比較してもユージーンが小さく見えてしまうほど大きく、槍が突き刺さったというのにリヒトモスインセクトは大した反応も示さなかった。
後方からはブライトも射撃しているが道を開くためにリヒトワームを一掃するので手が離せない。
「何とかそいつを落とせねぇか!?」
「俺に任せろ!」
ブライトが叫ぶと、既に右側の羽を凍らせて着地したヴェイグが左側へ旋回し、再び跳躍した。
「絶翔斬!」
ヴェイグは冷気を大剣に込めながら左側の銀翼を切り上げる。
すると、ヴェイグの3倍は大きい羽が縦一線に凍りついた。
これでリヒトモスインセクトは羽を動かすことができなくなった。
「飛天翔駆!!」
そこへリヒトモスインセクトより高く跳躍したカインが足を突き出しながら急降下するとリヒトインセクトの頭部をとらえ、そのままリヒトモスインセクトを地上へ叩き付けた。
ズズンという鈍い音と共に天井からぱらぱらと砂が降り、砂埃が舞う。
その中にリヒトモスインセクトは巨体をばたばたさせながらもがいていた。
その巨体の上にジンがバランスを取りながら乗り、紫の本体を切り裂く。
それでもリヒトモスインセクトは再び飛ぼうともがくだけだった。
しかしリヒトモスインセクトが倒れている地面とその上の天井からはリヒトワームが飛び出してこない。
おそらく女王に当たってしまうことを考えて迂闊に飛び出せないのだろう。
ヴェイグ達は大きな銀翼に乗るとジン同様紫の本体に攻撃を集中させた。
「飛燕連脚!」
「掌底破!」
「瞬迅槍!」
「牙連撃!」
「瞬迅剣!」
「裂破衝!」
「アサルトバレット!」
7人はここぞとばかりにコンボを繋げていく。
さすがの巨体とはいえ飛べなければ攻撃はしてこない。
逆に言えばこの好機を逃がせば立場は逆転してしまう。
7人の息が上がっていくなか、リヒトモスインセクトの傷もさすがに増えていく。
が、とっさにアニーから号令が飛ぶ。
「みなさん!よけてください!!」
その声と共に全員バックステップで回避すると小さな火炎球の雨が降り注いだ。
雨というのは誇張しすぎかもしれないが、リヒトワーム数百匹が詠唱した小さなバーンストライクがヴェイグ達に向かって降り注いでいた。
ヴェイグ達はその場を離れるが不可解なことに炎の雨は未だにヴェイグ達が居た場所に降り続けている。
「おいおい、嫌な予感がするぜ?」
ティトレイが冷や汗を拭う。
炎の雨はヴェイグ達ではなくリヒトモスインセクトに向かって降っている。
この光景は先程見たばかりだ。
「ちっ!」
ブライトは急いで詠唱しているリヒトワームへ銃を向ける。
だがその間にもリヒトモスインセクトの凍った銀翼は解凍され、更に炎の効果により硬度を増していく。
(詠唱さえできればこんなやつらあっという間なのによぉ!!)
ブライトは奥歯を噛み締めながらも詠唱しているリヒトワームを撃ち続ける。
しかしその努力も虚しく、リヒトモスインセクトは砂埃を起こしながら羽を動かし、再び洞窟の天井すれすれまで舞い上がった。
「もう凍らせて落とすわけにはいかないか……」
自分の責任で相手を強化させてしまったことにヴェイグは悔いた。
「どっちにしろ落とさなかったら何もできなかったけどな」
ヴェイグをフォローするようにジークは上を見据えながら言う。
すると、リヒトモスインセクトは再び銀の4枚羽根を左右で擦り合わせるとギイイイインという
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