ぎらつく太陽の下で砂埃を巻き上げながらヴェイグ達はファルブと交戦していた。
ジーク、ルル、カイン、ヴェイグの4人が足並みを揃えてファルブに突っ込む。
「ガッハハ!4人で足りるのか!?」
ファルブは猛進しながらも大鎌を前方に振るう。
すると横凪の風圧が4人を襲い吹き飛ばされてしまう。
「やるわね……」
吹き飛んだ4人を追撃しようともせずに突っ込んでくるファルブを見据えてフィオナが扇を開く。
同じ横のラインにはブライト、ティトレイ、ジンがいる。
「まずは俺が行くよ」
ジンは剣を構えファルブに突っ込む。
「4人で止められねぇのに、1人で俺を止められるわけねぇだろうが!」
ジンは気にせずに剣を振り下ろす。
「無駄だぁ!」
対するファルブも鎌を斜めに振り下ろすとジンの剣をひっかけ、そのまま振りぬくことでジンを受け流す。
直後、ティトレイの飛び蹴りが顔面に飛来するが、それを姿勢を少し低くすることで回避すると、ティトレイは頭上を通り過ぎ、ファルブは突進を続ける。
「何ィ!?」
唖然とするティトレイをよそにファルブは走りながら自分の身体の前で鎌を扇風機の羽のようにくるくる高速で回し始める。
すると、そこへブライトの弾丸の嵐が飛来するが全て弾かれてしまう。
「ウィンドスラッシュ!!」
アニーの陣術によって術攻撃力も上昇しているフィオナの風がファルブに追撃をかける。
「ガッハハ!効かん効かん!!」
ファルブは尚も大鎌を回転させながら突っ込むと、弾丸や風の刃さえも弾き飛ばした。
「どけい!」
結局、ファルブの接近を許してしまったフィオナとブライトはファルブのブルドーザーのようなタックルにより吹き飛ばされてしまった。
「お願いします。パワークラフト!」
既に後方へと下がっていたアニーが攻撃力を上げるための陣を描く。
その中にはユージーンがいる。
ユージーンは槍を構えたまま雄叫びを上げ、気合が高まるのと同時にファルブを迎え撃つ。
槍と大鎌が衝突する。
「お前で最後か!ユージーン・ガラルド!」
「むおおおおお!!!」
ギチギチと音を立てながら、力が拮抗する。
なんとかユージーンがファルブの猛進を止めたがそのすぐ後ろではヒルダとマオが詠唱している。
ファルブが走り始めた当初、マオとヒルダは下級導術を詠唱していた。
だが最初の4人が簡単に吹き飛ばされたのを目にして下級導術では足止めにもならないと判断した2人は急遽上級導術に切り替えた。
だが、最初に下級導術を詠唱していた分タイムロスがあり、なかなか詠唱が終わらずにいた。
「あんたは今ここですぐに殺してやりてぇが、まずはヒルダだ!」
ファルブは一旦ユージーンと距離を取る。
「地鍔陣!!」
ファルブは鎌の柄の部分と右足で同時に地面を強打する。
すると、ファルブの中心に地震が起こり、その波動により円を描くように地面が隆起した。
「くっ」
波動と隆起に巻き込まれたヒルダは膝を突き、ユージーンやマオも同様にダメージを負っていた。
「やっぱり狙いはヒルダかよ!」
ターンしてきたティトレイがファルブに拳を振りかぶる。
ファルブはそれを空いている左手で掴むと、簡単に放り投げる。
「当然だろうが!どうせお前達は俺の弱点の光を狙ってくるんだろ!?だったら先に潰すだろ!」
そう、ファルブの場合は他の6芒星と違って弱点が分かりきっている。
故に最初から狙いは決まっていた。
飛んでいくティトレイを尻目に、眼を金色に光らせたジンがファルブと剣を交える。
「フィオナと同じで、戦闘センスだけは抜群だね」
ファルブは横凪に大鎌を振るうとジンはそれを跳躍して回避する。
そのまま回転しながら遠心力を付加させて叩き切る。
しかしファルブはバックステップするとジンの剣は地面を切り裂き、ファルブの剣圧がジンを襲う。
「私をそんなやつと比べるんじゃないわよ!!」
フィオナは突風を巻き起こすとジンは咄嗟に地面に伏せた。
するとジンの真上にて突風と剣圧が交錯した。
「飛燕連脚!」
今度は先程吹き飛ばしたはずのジークがもう復帰してきたためファルブは振り返り様に鎌を振り、予想よりも接近を許していたため刃ではなく柄の部分でジークを地面に叩き落とす。
「飛天翔駆!」
続けて、前方斜め上空からカインが急降下してきたため、それも同様に凪ぎ落とした。
しかし、
「瞬迅槍!」
「裂駆槍!」
「サイクロン!」
前方からはルルが如意棒を突き出し、横からはユージーンが駆けながら槍を振り回し、後方からはフィオナの竜巻が襲ってくる。
完全に逃げ場は無いうえに、防御しようにも全てを同時に防ぐのは不可能である。
「しゃらくせぇ!!」
ファルブは鎌の柄の部分を地面に突き刺す。
「業・地鍔陣
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