「ぬ?」
空間が揺らぐ。
【存在しなかった世界】に何者かが侵入したようだ。……この程度のことは座したままでも分かる。
だが、光に属する者なのか、闇に属する者なのかは分からないそれでも………
「よう、ゼムナス。何かがこ〜んな辺鄙な場所に迷いこんだみたいだな?」
「……シグバールか」
【闇の回廊】を用い、さらに【空間】を統べる能力によって私の右横に上下逆さまの宙吊りの状態で現れた眼帯を右目に付けた男【シグバール】が首を竦めながら笑う。
「オイオイ、何だよその間はよぉ。俺で残念だったのか〜?かなり傷ついたってハナシ」
「傷ついただと?フッ、心が無いのにか?」
「ま、ぶっちゃけ何も感じてねーけどな。………ゼムナス」
先程までの笑みを消して、シグバールは私に問う。
「どの程度の奴が来たんだ?」
「闘気自体は大したことはない、デミックスでも勝てるだろう………だが魔力量は底が知れぬ……少なくとも、機関の魔法に長けた者達の魔力量を合わせてなんとか五分に持っていける程だ」
「マジかよ……」
少なくともでそれだけの魔力量だ。もし、その存在が魔力を隠していて僅かに漏れた魔力が今感じているモノだとすれば………危険だ。
「シグバール、侵入者を可能ならば捕獲しろ…………抵抗されればどんな手を使っても構わん。最悪、殺しても良い」
「OK、まぁ腕の一本は持っていくかもな」
【闇の回廊】を開き、シグバールが消える。
しかし何故、今なのだ?漸く、十二番目を引き入れた機関員達には休暇を申し渡している。
つまりはこの城に機関員が全員揃っているのだ。当て嵌めるべき十三番目はいなくとも、その戦力は高い。
「十三番目ではない……では、何者なのだ」
十三番は既に目星を付けている。彼は未だに旅立ってはいない。
やがて、眠りに取り込まれる彼……いずれ鍵の勇者となる存在。
「鍵……か」
嘗ては と の二つの鍵を扱えた。果たしていつからだろう、私が鍵を失ったのは、【彼女】を喪ってからだろうか……
目を閉じ、私は円卓の最も高き場所に座し、思案に耽っていった。
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