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第Y話  集ウハ才知ノ弟子


「どうしてあのような者を機関に迎えたのですか、ゼムナス殿!!」


あの後、彼を治療の名目で城の一室に押し込んだ。

見張り兼、治療役にサイクスとルクソードを置いてある。軽い打撲も有るためデミックスもいるが、彼は恐らく役に立たないだろう。

そして、再び円卓に集まったのは機関のNoYまでの通称古参組と呼ばれる者達だ。


「同感だ。ノーバディでない者を何故、入れる必要がある?」


ヴィクセンの声に続くようにザルディンが問い、それにレクセウスが頷く。


「……お前達に聞こう。彼のあの闘いを観て、何か気がつかぬか?」


「何?」


「俺は気がついたこと有るぜ。アイツ、最初は武器を出せなかったのに急に出せるようになったってハナシ」


「それは、奴が武器を出せないフリをしていたに過ぎん」


シグバールの言葉をザルディンが切って捨てるが、ゼクシオンがフォローに入る。


「ですが、彼に記憶は無いのですよ。自身の武器を知らないのに武器を出せないフリをしてもメリットはあまり有りません」


「ぬ……」


「………そういえば、奴は武器を出した後に何か呟いていたな」


レクセウスの言葉に私は頷き、そして語り始める。


「私が気になったのはその点だ。彼の言葉に【ベーゼ】という単語が有った。……【ベーゼ】とは私の知る限り、古い言葉で邪悪を意味する。そして、その単語が記されていたのは【キーブレード戦争】について書かれていた書物だけだ」


「【キーブレード戦争】……はるか昔に引き起こされたキーブレード使い達による戦争だったか………」


「そうだ、ヴィクセン。その書物には確か、こう記されていた」









『始まりの闇、世界に誕生せん。

其は大いなる心【キングダムハーツ】の番人にして、邪悪【ベーゼ】をもたらすモノ

世界全てに呪われしモノ』













「【始まりの闇】ねぇ……つまり、アイツは【キングダムハーツ】の手がかりになるかもしれねぇってハナシか、ゼムナス?」


「そうだ、………無関係だったとしても、彼自身の心を奪うも良し、魔力タンクとして使用することも出来るからな」


「えげつないな、お前は」


「生憎、その程度のことで痛む心を持ち合わせてないのでな」


暗い笑い声が円卓に響き渡り、我らは【闇の回廊】でその場を後にする。
12/07/10 19:00更新 / イクサリオン改め、ポスケ

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