1番街に戻ってきた6人は、状況を整理するため広間で話し合うことになった。
「にしてもすごいよね〜。あんなでっかいハートレスを倒しちゃうなんて。心配して損したね、レオン」
「別に心配はしていない。少し、不安ではあったがな」
それを心配っていうんだよ、と、ユフィが突っ込むとレオンは不機嫌そうな表情で彼女をにらんだ。
「あれは・・・俺だけの力じゃないよ。この二人がいたし、それに」
そう言ってソラは、後ろに立っていたサクヤを見つめた。
「サクヤが来なかったらやられてた。だから、みんなには感謝してるんだ。ありがとう」
ソラの言葉に、サクヤを含めた皆の口元に、思わず笑みがこぼれた。
「でもよかったよ。エアリスに会えたのは良かったけど、鍵がなかなか見つからなくってね」
「鍵?」
「キーブレード。彼らはそれを持つ者、すなわちお前を捜していたんだ」
レオンの言葉に、ソラはすこし不安げな顔で二人の顔を見つめた。
「王様が言ったんだ。鍵を持つ者と行動せよって。僕らの船でいろいろな世界に行ってみようよ」
犬の騎士はソラに歩み寄ると、そう告げる。
「いろいろな、世界。リクやカイリに・・・会えるかな?」
「会えるさ!きっとね」
アヒルの魔導師の言葉に、ソラはレオンの顔をそっと見上げた。
「ソラ、行って来い。友達を捜すならなおさらだ」
「それにサクヤも。弟くんは見つかったんだから、次は友達の番だよね」
ユフィがそう言うと、ソラが驚いたように振り返った。
「弟ぉ!?俺が?サクヤの?なんで?」
「見た目だけでいえば、ソラが兄になるんじゃないのか?」
「いや〜。サクヤの方がソラより落ち着いてて大人っぽく見えたから、もしかしたらそうなのかと思って」
そういうユフィの声は、心なしか笑いを含んでいた。
からかわれていることが分かり、ソラは思わず頬を膨らませる。
「え、ちょっと待って?あの子もつれていくの?」
「え?そのつもりだけど・・・違うの?」
「だってあの子は・・・鍵を持ってないじゃないか」
アヒルの魔導師は、犬の騎士にしか聞こえないような小さな声でそう言った。
犬の騎士は、話し込んでいるソラとサクヤを交互に見詰めると、はっきりと言った。
「僕はいいと思うよ。だって、あの大きな鎧と戦ったとき、あの女の子が助けてくれなかったらみんなやられてたよ」
「それは、そうだけど・・・」
「とっても強いみたいだし、それに一人にしたら可愛そうだよ。一人はさびしいし、僕は連れて行ってあげたいな」
アヒルの魔導師は難しい顔をして彼をにらんだが、やがて小さくため息をついてソラとサクヤに向き合った。
「でも、今の君たちは船には載せられないな」
「ええっ!?どうして!?」
さっきの彼の様子から、てっきり折れたのかと思った犬の騎士は、思わぬ言葉に大きな声を上げた。
「怖い顔、寂しい顔、むっつり顔はダメ」
そう言って彼は怒った顔、寂しそうな顔、無表情をを作り、おどけたように眉をしかめた。
「ああなるほど。道理で僕らの顔は面白いと思った」
割り込んでくる騎士の顔をはねのけ、魔導師は二人に顔を近づけるとおもっきりの笑顔を見せた。
「笑顔が、船のエネルギーなんだ」
「笑顔・・・」
その言葉を、サクヤは小さく繰り返す。
ソラはしばらく俯いていたが、突然。
「ニイーーーッ!」
ソラは目を剥き、口元をゆがめて笑顔を作った。
「・・・・・え?」
全員が何も言えず、動けずにいたその時。
二人は大声を上げて笑い出した。
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