一方。
ソラの母親の部屋で着替えを済ませた少女は、朝食の準備ができたという母の声を聴いて下に降りた。
ソラはすでに着替えを済ませ食卓についている。
その向かい側には彼の父親がモーニングコーヒーを飲みながらローカル新聞を読んでいた。
「おはよう。昨日はよく眠れたかい?」
少女はソラの父親の問いかけにゆっくりとうなずいた。
それを見て、彼はうれしそうに微笑む。
今日の朝食はふかふかのパンと半熟の目玉焼き。
そして島でとれた野菜のサラダとスープだった。
4人は手を合わせて挨拶をし、食事にありついた。
「ソラ、ちゃんと噛んで食べるのよ。それから・・・あなたもお代わりが欲しかったら言ってね」
母の言葉に少女は頷き、ふかふかのパンを口に入れた。
「にしても、名前が分からないと呼ぶときに困るわね」
「ああ。せめてそれだけでも思い出せるといいんだが・・・」
そう話をする二人を見つめながら、ソラはスープを一気に飲み干し一足先に朝食を済ませた。
そしてそのまま、彼は壁際にあった電話を取りどこかへかけ始めた。
そんなソラを、少女はパンをちぎりながら不思議そうに見つめていた。
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