コツ、コツ・・・と、ヒールのついた靴特有の足音が辺りに響き渡る。
しばらく歩くと、その者は大きな扉の前で足を止め、取っ手を掴んでゆっくりと開いた。
ギギィ、と蝶番(ちょうつがい)が悲鳴をあげる。
そして、その者は目の前にいる存在に向かってお辞儀をした。まるで、ピエロがするようなお辞儀を。
すると、目の前にいる存在が重々しく口を開く。
「・・・首尾はどうだ?」
「上々でございます、我が主」
その者はお辞儀を終えると、真っ直ぐに目の前の存在を見据えた。
「‘罪人’もそろえましたし、後は‘旅人’を連れてくるばかりとなっております」
「そうか・・・では、引き続きお前に任せよう」
「ふふ、承知しました」
薄く、笑みを浮かべるとその者はもう一度お辞儀をし直した。
「「全ては、我らの願いのために」」
互いが同時にそう言い放つと、その者は振り返って手を正面にかざす。
すると目の前に大きな扉のような物が出現し、扉を開いて少しだけ足を踏み入れた。
「それでは、このサイグローグ・・・行って参ります」
サイグローグは呑み込まれるように扉の奥へと歩を進め、静かにその場から姿を消した。
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