元帝国騎士団魔術部隊隊長 シュバルツ・クライム
彼は今共に行動をする男ととある場所へ向かっていた
-ケーブモック大森林
エアルの乱れから起きる異常現象は周囲の環境を豹変させる。
植物の肥大、魔物の凶暴化、更には高濃度のエアル吸引による人体への影響
最悪は人を死に至らしめるその脅威は、シュバルツにとっても無視出来ないものであった。
「ここも魔物の凶暴化か…何回見てもぞっとしないな」
シュバルツは周囲を警戒しつつ、目的の場所を目指して歩く
「ところでデューク。目的の場所ってのはこの森の奥か?」
デュークという男は歩みを止めて振り返ると、静かに頷く
「そうだ。今もエアルの乱れは感じる。早く沈めねばならん。」
デュークは前を向くと、それ以上言葉をかけずに歩いて行く。
「お互いの目的以外は不干渉…が条件だけど、ちょっと寂しいね。」
シュバルツは頭を掻きながら、開き直った感じで後ろを歩く。
木々の上を歩いていると、奥の方で明かりが見える。
その明かりはこの森の中では本来見るべきものではなく、明らかに異質を放っていた。
「周囲の魔物を一掃し、エアルの乱れを収める。急ぐぞ」
デュークは一度も振り返る事なく、魔物を倒しながら突き進む。
「いやいや、そんな素早く魔物を倒されちゃ、俺の出番が…ってまぁいいか。」
シュバルツもデュークの後を追い、木々の上を移動していく。
ふいにデュークが立ち止まり、下を見下ろす。
誰か戦っているようだ。
シュバルツがデュークの場所に辿り着き、下を見下ろすと、魔物と戦っている集団がいる
その中の一人を見るなり、シュバルツが呟く
「あれは…エステリーゼ様!?」
「知り合いか?」
デュークの言葉に頷くシュバルツ
「何でまたエステリーゼ様がこんな所にいるんだよ」
シュバルツ達が見下ろしていると、魔物と戦っていた集団が辺りの魔物を排除した。
集団の中の1人がエアルに近付こうとした時
「えっ…」
魔物の群れがエステリーゼ達を囲む
「いよいよもって、俺達もおしまいか?」
「全国の俺様のファン!さよなら!」
魔物に囲まれ、脱出出来ない条件の中で徐々に動きが制限されていく
「仕方ない。俺はあいつらを援護する。デュークはエアルを頼むぜ!」
シュバルツの言葉にデュークは速答する
「いいだろう。魔物は任せた。」
シュバルツは飛び降りるとエステリーゼ達に声を掛ける
「援護する!散開せず一体ずつ確実に倒すぞ!」
シュバルツが声を掛けるとエステリーゼが振り向く
「ありがとうございます!えっ?シュバルツ!?」
エステリーゼがシュバルツを見て驚きの声を挙げる
隣にいた青年もシュバルツを見た
「シュバルツ?どっかで聞いた事ある名前だな」
青年が魔物との距離を確認しながらシュバルツに声を掛ける
「助けてくれんのか?なら一気に巻き返すぜ!」
青年が剣から衝撃波を繰り出す
魔物に直撃すると、受けた衝撃で魔物がよろける
「やるね」
シュバルツはよろけた魔物に照準を合わせ、魔術を唱える
「貫け、フリーズランサー!」
複数の氷の槍が魔物を貫くと魔物はその場に倒れた
「す、凄い…」
ハンマーを持った少年が魔物を見ながら呟く
しかし残りの魔物が襲ってきた為、少年はその魔物に狙いを定める
「ぼ、僕だって…!」
敵の動きに合わせて少年はハンマーを降り下ろす。
降り下ろされたハンマーは魔物の頭部に当たり、魔物はその場から身動き出来ずにいた。
すかさず後方にいた少女が魔物に向かい魔術を唱える
「やるわねカロル。いけ!スプラッシュ!」
地面から勢い良く水が吹き出し、吹き出した水が魔物に向かって勢い良く魔物に向かって降り注ぐ
「へぇ…あの子も魔術を使うのか」
シュバルツが魔術を操る少女を一度見ると残りの魔物に狙いを定める
「俺も援護するぜ。青年、やっちゃいな」
髪を結んだ男に声を掛けられ、黒髪の青年は
「任せたぜ、おっさん」
男が魔術を唱え、鋭い風が魔物を襲い、一瞬魔物が浮いた為、隙が出来た。
その瞬間を逃さず、青年は一気に畳み掛ける
「いくぜ!爪竜連牙斬!」
自らが回転しながら、剣を器用に扱い、何度も切り刻んでいく
気が付けば周囲の魔物は倒していた。
魔物の気配もなくなり、残る問題はエアルの乱れのみとなっていた。
周囲の魔物を倒し、デュークに声を掛けようとした時、突然エステリーゼが抱き付いてきた
「シュバルツ!元気でした?戦闘で怪我してないです?」
エステリーゼはシュバルツが怪我をしていないか確認する
「エ、エステリーゼ様…どちらかというと抱きつく前に怪我の確認をした方がいいかと…」
エステリーゼとシュバルツを見て、後ろで腕
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