「魔核…です?」
エステリーゼはシュバルツの腕に付いている魔導器を見る
シュバルツの腕に付いている魔導器には魔核が取り付けられているが…
「あ…俺のではなくて…」
少し言いにくそうな顔をする
「それ、水道魔導器じゃないよな?」
ユーリが口を開くと、シュバルツは一瞬不思議な顔をした後、首を横に振る
「水道魔導器じゃない。ってか、何で水道魔導器を探してるんだ?確か…帝都の下町にあった物じゃないのか?」
「そう。それが盗まれたのさ。紅の絆傭兵団のバルボスっ奴にな」
「紅の絆傭兵団…バルボス…すまない。俺はそいつらは知らないな」
「ならいいんだ。悪いな。話に入っちまって」
シュバルツは首を横に振ると
「俺が探してるのは、倍増魔導器ってやつだ」
シュバルツの言葉に全員が首を傾げる
「倍増魔導器?僕、聞いた事ないよ?どんな魔導器なの?」
シュバルツが右腕に取り付けられている魔導器を見つめる
「倍増魔導器ってのは、武醒魔導器を発動する時に使用するエアルを効率良く上げ、威力の底上げをする魔導器さ」
シュバルツの答えにリタが異を唱える
「ちょっと待ちなさいよ。そんな魔導器、どの文献にも記されていないわ。それに、新しく魔導器を造るなんて、そんな簡単に出来るわけないでしょ!」
「確かにどの文献を調べても、倍増魔導器は存在しない。だが実際に魔導器はあった。文献に記されていないのなら、誰かが造ったのさ」
「造ったって…まさか…ラゴウの屋敷の天候を操る魔導器みたいに、色んな魔核を組み合わせて造ったの?」
シュバルツは聞き覚えのある名前に反応する
「ラゴウ?確か評議員の?」
シュバルツがエステリーゼの方に振り向くと、エステリーゼは顔を縦に振る
「ラゴウは天候を操る魔導器を使い、カプワノールに住む人々を苦しめていました。魔導器と、魔物を使い…」
「ラゴウはバルボスと組んでいやがった。今も奴はバルボスと一緒に居るだろうな。水道魔導器も奴等の手元にある筈さ」
「なるほどね。つまりバルボスって奴を探せば、倍増魔導器の事も分かるって事か」
「目的はバルボスで一致した。って事で、次の目的地はダングレストって事でいいんじゃない?そろそろ向かおうや。ドンもダングレストにいるかもよ?」
レイブンが次の目的地を示す
ここでとやかく話をした所で進まないと判断したのだろう
レイブンの言葉にユーリが声を掛ける
「早いとこ戻ろうぜ。次の目的地はおっさんの言う通り、ダングレストだ。あんたも来るんだろ?バルボスを探しに」
ユーリがシュバルツに話し掛けると、迷いなく答える
「もちろん」
「?」
一瞬…ほんの一瞬
シュバルツを包む雰囲気が変わり、エステリーゼは違和感を感じて振り返るが
「どうしました?」
振り向いた時には違和感はなく、エステリーゼはきのせいだと思い込み、前を見て歩き出した
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