属性変化というユーリ達にとって始めて見る術式に、最初は戸惑うかと思っていたシュバルツだったが
ユーリ達は思いの外あっさりと使いこなしていた
「こりゃ楽だな!こんな便利なもんがあんならこの先も大分楽になりそうだ!」
素早い動きで敵の撹乱しつつ、合間にカロルの攻撃が加わる。
更にはラピードも攻撃に加わる事で、敵の足を止めていた
「最初は戸惑うかと思ったけど、案外適応力高いんだな。あいつら」
シュバルツはリタに話し掛けるが、リタはシュバルツを睨んでいた
「あー…言いたいことは何となく分かる。だからそう睨むなって。この戦いが終わったら、ちゃんと説明するから」
リタはその言葉を聞くとユーリ達とは違う、別の魔物に視線を向ける
「隠さずに全部話すのよ。今使った術式も、さっき使った術式も全部!」
「全部!?そりゃまた時間がかかりそうだ…」
「当たり前でしょ!同じ術式を使える人数が多ければ、それだけ戦闘が楽になるでしょ」
「まぁ…それはそうだけどな…」
シュバルツとリタが魔物に向かって術式を唱え始めると、ちょうどユーリ達は別の魔物に止めを刺していた
「よしっ!こっちは終わりっと!」
「いやいや、青年達の戦いぶり、見事だったわよー。おっさんも珍しく胸が熱くなっちゃったわ」
レイブンは手持ちの弓を下げると、シュバルツ達の方を向く
「向こうも終わったみたいだね」
リタ達が術式を放つと、魔物はあっさりやられてしまった
その瞬間、辺りが突如ざわつきはじめる
「な、なに…この地響き…」
カロルは辺りをキョロキョロしながら見渡す
「こっちに…近付いてるのか?」
シュバルツは地響きがこちらに向かってる様に感じ、辺りを見渡す
「しっかしすげぇ音だな」
「!?」
その瞬間、ユーリ達は言葉をなくす
魔物と戦っている事で、周囲の魔物を呼び寄せていたのだ
周りは魔物で囲まれ、逃げ場はない
「こんな魔物の数相手になんて…」
エステルは急ぎユーリの側に向かう
「なんだってんだ!こいつらは!」
ユーリはなんとか魔物の注意を引こうとするが、数が数なだけに、一気に攻められるとどうしようもない
「逃げ道なら俺が作る」
「え?」
シュバルツは森の出口の方角へ術式を放つ
術式の通った所の魔物は消滅し、道が出来ていた
「あの道から出口に向かえ!」
シュバルツの言葉に全員魔物の集団から抜け出した
「あっぶねぇ…一時はどうなるかと思ったぜ…」
「ぼ、僕も…死んだかと思ったよ。シュバルツ、ありが…ってあれ?」
カロルが辺りを見渡すがシュバルツの姿がない
「あいつ!」
リタは咄嗟に来た道を戻る
「ち、ちょっとリタっち!戻ってどうすんのよ!」
レイブンの言葉に振り返ると
「あいつ、あたしたちを逃がして自分は残って戦ってるのよ!」
リタの言葉にユーリも続いて走り出す
「そういう事だったのか。貸すのはいいけど、借りるのは嫌だね」
ユーリが走り出すと、エステル、レイブン、ラピードも続けて走り出す
「ち、ちょっと!置いてかないでよ!」
カロルも慌てて後を追う
シュバルツはユーリ達を逃がした後、魔物の集団と対峙した
「さて…どう攻めるか…敵は俺を包囲し隙あらば一気に来るだろうな。そうなる前に、こっちが一気に殲滅するしかないな。一対一は下策」
一気に殲滅を計ろうと術式を唱えた直後、背後から衝撃音がした
「お前ら…何で帰ってきたんだ?」
そこにはシュバルツが道を作り、出口に向かった筈のユーリ達がいた
「借りるってのは嫌なもんでね。さっさとこいつら倒して、とっとと森から出ようぜ?」
「やれやれ…まぁ人数が多いに越したことはないか…さっさと終わらせようか」
「行くぜお前ら!」
「おぉー!」
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