「数は多いけど、戦い方を間違えなければそこまで苦戦はしない筈だ」
シュバルツはユーリ達に声をかけると
すぐに術式を展開しはじめる
「こういう時は各個撃破を狙わずに、出来るだけ多くの敵を引き付けて倒すのが一番手っ取り早いのよ」
レイブンは魔物に向かって弓を放つと、魔物を引き寄せる
「まだこの辺りの魔物は知性が低い。単純に引き寄せられる分、戦闘は楽になる。当然狙われる数が多いからリスクはあるけどな」
「了解っと。ならまとめた分はあんたがきっちり倒してくれるんだろ?」
「目標は全滅。が、少しくらいは撃ち漏らすかもな」
「なら、その魔物は僕達が!」
カロルがユーリの隣で魔物に向かって構えると
「そうだな、カロル先生」
ユーリとカロルは魔物に向かって走り出す
ラピードもユーリの後を追い、魔物に向かって突撃する
魔物はユーリ達に目標を定めたのか
後方にいるレイブンへの視線が削がれる
少しずつ距離を詰め、シュバルツ達の方へと距離を縮めていく
「シュバルツ!魔物がきます!」
エステルが声を掛け、リタも術式を展開させ始める
「今だ!魔物から離れろ!」
シュバルツの声と同時にユーリ達は魔物から離れた
「このぉ!」
リタが術式を放つと、地中から炎が吹き出てきた
まるでマグマの様に数回に及び噴出すると辺りの魔物は炎を中に消えた
そのすぐ後にシュバルツの術式が完成し
敵の中心辺りに火の塊が現れる
時間と共に急速に膨らむ炎は魔物を熱で溶かす
「あの術式!?」
レイブンが声を上げる
「青年!急いでこっちに戻りな!爆発に巻き込まれるぞ!」
「え?ば、爆発!?ちょ、ちょっと急にそんな事言われても!」
カロルが慌てながら走ったせいで転んでしまう
「カロル!」
エステルが声を掛けると同時に、ユーリがカロルを背負い
エステルの元に辿り着いた
その瞬間、徐々に膨らんでいた炎の塊は
ほんの一瞬収束した後、一気に爆発した
辺りの魔物は爆風で消し飛び、周囲は静まり返った
「あんたねぇ!あんな強力な術式をこんな所で使って!あたし達までやられる所だったじゃない!何考えてんのよ!」
リタがシュバルツに攻め寄る
「何か考えがあったのか?まさか、実は俺達を狙ってるとかか?」
ユーリは少し目を細める
「ちょっとユーリ!シュバルツはそんな事しません!」
シュバルツはユーリ達とは違う方を指差す
「あん?あっちに何がいるんだ?」
ユーリ達がシュバルツが指差した方を見ると
今だ魔物がこちらを伺っていた
「まだ魔物がいやがんのか!?」
「いえ…魔物達が去っていきます…」
「へぇ…あの魔物達へのけん制も兼ねての強力な術式を使ったのか?」
シュバルツはユーリの問いに頷く
「これ以上魔物と戦っても時間が経つだけだ。早く戻るんだろ?ダングレストに。当分魔物がこっちに寄ってくる事はないだろ」
「(なるほどね…先を見据えた戦い方だ。中々やるじゃない。こりゃ、当分戦いが楽になりそうだわな)」
手を顎に付けながら、レイブンはシュバルツを見つめる
「まぁいい加減にダングレストに戻ろうや。バルボスにあわにゃいけないんだろ?」
「おっと…それもそうだな。さっさと戻ろうぜ」
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