ドラゴンクエスト4〜勇者再び〜
序章・勇者、剣を置く。 あれから随分時間が経った。あの日の事を、忘れる事はできない。 優しい父と母の笑顔。 いや、それは本当の両親ではなかった。 僕を特別可愛がってくれた村の人々。 それは僕が特別な人間だったからだろう。 皆が僕に隠し事をしていて、僕の住んでいたこの村が嘘でできていたとしても、僕の中の思い出は本物だ。 自分の無力さを実感したあの日、シンシアの形見の羽帽子を片手に、死んだ村の人々に誓った。 僕の故郷であるこの村をいつか絶対に復興して、皆がくれた思い出と同じくらい価値のあるものを新しい村で創っていくと…… そして今日、僕は戻ってきた。誓いを果たす為に。目的を達成できた事を皆に報告するために。 今まで旅をしてきた仲間も、それぞれの故郷に戻った。 仲間と離れ離れになって、一人孤独を噛み締めていたとき、空から一筋の光が舞い降りてきた。 徐々に光は人間の形を表していき、最後は懐かしい顔の女性になった。 「シン…シア?」 「ええ、ソロ。私よ、シンシアよ!」 顔も懐かしいが、声も懐かしい。荒地と化したこの村に一輪の花が咲いたようだった。 次回、第一部・復興編に続く…… この小説は二部構成でお送りしたいと思っています。 第一部は復興編、第二部は戦争編です。 ドラクエ書くのに、序盤は戦闘がほぼ無いです(泣) 後々から頑張っていくつもりです。 なので、永い目で見守ってくれれば幸いです。 ※勇者は男です。 |
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