一章・復興偏 勇者、再開する。
ソロは、これまでの旅の事を全てシンシアに説明した。それはお世辞にも楽しい内容とは言えなくて、話が進むにつれてシンシアの表情が曇っていくのがわかった。
話が終わってからの長い沈黙。何も再会してすぐに話す事も無かっただろうと、ソロは後悔した。
「そう…色んな事があったのね……」
沈黙を破る透き通った声。彼女も、この重苦しい空気を変えようと考えたつもりだったが、会話は続かず、さらに話しにくい空気となってしまった。
「……」
「……」
再びの長い沈黙。それを破ったのはソロだった。
「ねえ、シンシア。僕達が別れた場所に行ってみないか?」
唐突な質問に戸惑って一瞬理解できなかったシンシアだが、すぐに理解した。魔物が攻めてきたと聞いて、とっさに行動したあの日。あの時は、ソロを勇者としてではなく、一人の大切な人を守りたくてとった行動。
「いいよ……」
地下室に向かうまでの2人の気持ちは同じだった。あそこへ行けば、素直な気持ちで話せるかもしれない――
階段を下りた所で、先に歩いていたソロの足が止まった。
「どうしたの……? ソロ?」
「この先に何かがある。わからないが、何か強力なものだ。調べてくるから、待っててほしい」
言うと、ソロは静かにドアに近づいて、戦闘態勢に入った。
(待てるわけないじゃない)
シンシアも静かにソロの後を追った。もう離れ離れになりたくない。
そんな純粋な想いで行動したシンシアだったが、あと数歩でソロの傍に行けるというところで止まってしまった。
何かが全身を突き抜けていくようで、恐怖に支配されてしまったのだ。生まれて初めて感じる本気の殺気。それを発しているのは紛れもない、ソロだった。
(二度と離れ離れになりたくない)
彼もまた、彼女と同じ想いだったのだ。邪魔する者には容赦はしない。その気持ちが異常なまでのさっきを生み出していた。
ソロは、ドアを開けるというよりは破壊する、といった形で中に入った。そこには空間を埋め尽くすほど巨大な、漆黒の渦ができていた。
「何だ…これは…」
渦の中心が一瞬、紅く光ったかと思うと、何かが中心から飛び出してきた。
「こいつは……」
続く
話が終わってからの長い沈黙。何も再会してすぐに話す事も無かっただろうと、ソロは後悔した。
「そう…色んな事があったのね……」
沈黙を破る透き通った声。彼女も、この重苦しい空気を変えようと考えたつもりだったが、会話は続かず、さらに話しにくい空気となってしまった。
「……」
「……」
再びの長い沈黙。それを破ったのはソロだった。
「ねえ、シンシア。僕達が別れた場所に行ってみないか?」
唐突な質問に戸惑って一瞬理解できなかったシンシアだが、すぐに理解した。魔物が攻めてきたと聞いて、とっさに行動したあの日。あの時は、ソロを勇者としてではなく、一人の大切な人を守りたくてとった行動。
「いいよ……」
地下室に向かうまでの2人の気持ちは同じだった。あそこへ行けば、素直な気持ちで話せるかもしれない――
階段を下りた所で、先に歩いていたソロの足が止まった。
「どうしたの……? ソロ?」
「この先に何かがある。わからないが、何か強力なものだ。調べてくるから、待っててほしい」
言うと、ソロは静かにドアに近づいて、戦闘態勢に入った。
(待てるわけないじゃない)
シンシアも静かにソロの後を追った。もう離れ離れになりたくない。
そんな純粋な想いで行動したシンシアだったが、あと数歩でソロの傍に行けるというところで止まってしまった。
何かが全身を突き抜けていくようで、恐怖に支配されてしまったのだ。生まれて初めて感じる本気の殺気。それを発しているのは紛れもない、ソロだった。
(二度と離れ離れになりたくない)
彼もまた、彼女と同じ想いだったのだ。邪魔する者には容赦はしない。その気持ちが異常なまでのさっきを生み出していた。
ソロは、ドアを開けるというよりは破壊する、といった形で中に入った。そこには空間を埋め尽くすほど巨大な、漆黒の渦ができていた。
「何だ…これは…」
渦の中心が一瞬、紅く光ったかと思うと、何かが中心から飛び出してきた。
「こいつは……」
続く
■作者メッセージ
すごく半端なところできってしまってごめんなさい(泣)
これ以上書くと、切りどころがなくなってしまいそうなので、このような形になってしまいました。
楽しみになるような小説には程遠いですが、続きを待ってて下さい。
これ以上書くと、切りどころがなくなってしまいそうなので、このような形になってしまいました。
楽しみになるような小説には程遠いですが、続きを待ってて下さい。