第6章『森を駆ける少女』 5
「いやあ、助かったワイ」
「みなさん、どうもありがとうございました」
グラシャラボラスを倒した一行は、チーグルの巣へとやってきた。
そしてそこにいたシノンの両親は、レイノス達から魔物を退治したという話を聞くとホッとした様子で礼を言った。
「よろしければお礼におもてなししたいところなんですが…」
「あ…その、すみません。ちょっと急ぎの旅の途中なんです」
シノンの母親がお礼をしたいと言ってきたが、スクルドを取り戻す為に急がなければならないため、レイノスはその申し出を断った。
「急いどるならいつまでも引き止めるわけにはいかんのぅ。それじゃ、わいらはここで、あんたらの旅の無事をいのっちょるけぇ、元気でな」
「ありがとうございます。怪我、お大事に」
旅の激励をするシノンの父親にリンが感謝の言葉を告げると、一行は彼らに背を向けて歩き出す。
「おチビちゃん、それにハノンだっけ?元気でネ」
クノンが振り返ってシノンとハノンに挨拶する。
シノンは先ほどから何かを考え込むように俯いていたが、クノンに声をかけられて顔をあげると、
「待って、みんな!私も連れて行って!」
「「シノン!?」」
真っ先に驚きの声をあげたのは、彼女の両親であった。
シノンは父と母の方を向くと、言った。
「パパ、あの魔物なんだけど、パパが言ってたように誰かに操られてたんだって」
「やっぱ、そうじゃったか…」
「うん…だからね、その人を懲らしめるために、あの人たちと一緒に行きたいの」
「でも、いきなり森の外に出るなんて…」
母親はシノンの旅への同行に反対のようだった。
シノンはまだまだ子供なのだ。
当然の反応であった。
「…よし!シノン行って来い!」
「ちょ、あなた!?」
が、一方で父親はあっさりと快諾してしまった。
シノンの母親はそんな夫の快諾に驚いた様子を見せる。
「本気なの?」
「どうせいつかは親元を離れる時が来るんじゃ。いい機会じゃろうて」
「でも…この子、森の外のことほとんど知らないのに。危険なことも多いだろうし…」
「なあに、あの魔物を倒した奴らが一緒なら、大抵のことはなんとかなるじゃろ。それにシノンにとってもいい経験となるはずじゃ」
「う〜ん、でも…」
「お願いママ!」
「みゅみゅ!」
なおも渋る母親に、シノンはハノンと共に頭を下げて懇願する。
「…はあ、しょうがないわね。あなたは父親に似て言い出したら聞かないものね」
「ママ!行っていいの!?」
「彼らがOKしてくれたらね」
そういってシノンの母はレイノス達の方を向く。
「お願い!私たちを一緒に連れていってください!」
「みゅみゅ!」
レイノス達に頭を下げるシノンとハノン。
するとセネリオがシノンの前に出てきて、言う。
「俺達についてくれば、魔物を操った奴だけじゃない、それ以上に強い奴らとも戦うことになるかもしれない。それでもついてくるというのか?」
「うん!私、魔物を操った奴も許せないけど、なにより森を守ってくれたみんなのお手伝いがしたいの!」
「…分かった。好きにしろ」
「本当!?わ〜いありがとう!」
セネリオの了承の言葉を聞き、シノンはその場でピョンピョン飛び跳ねた。
こうして、新たな仲間シノンとハノンを加えた一行は、改めてシノンの両親に別れの挨拶をし、チーグルの森を後にした。
スキット「見た目は子供、頭脳は…オトナ?」
シノン「ねえ」
クノン「ン?どしたの?」
シノン「なんでハノンは名前で呼んで、私はおチビちゃんなの?」
クノン「え〜、別にイイジャン」
リン「そういえば、いつも私たちのこと名前で呼ぶことほとんどないのに、ハノンは珍しく名前で呼んでたわね」
クノン「たまたまダッテ」
シノン「別に名前で呼ばれないのはいいけど、おチビちゃんなんてあなたに言われたくない!私とそんなに変わらないくせに!」
クノン「ウグっ…ぼ、ボクこれでも27歳なんだよ」
シノン「え、ええええ!?嘘だよそんなの」
クノン「ホントだも〜ん。だからボクの方がずっと大人なんだヨ〜」
レイノス「でも、いくら歳がずっと上だろうと、チビなことに変わりはないだろ」
クノン「グッ!?」
セネリオ「そもそも普段の言動からして大人と言い難い」
クノン「ウググっ!?」
アルセリア「二人とも、容赦ないですね…」
スキット「年齢」
クノン「そういえば、今まであんま気にしたことなかったけど、みんな歳いくつなのさ?」
レイノス「俺とリンは17だ」
リン「ちなみにスクルドは私達より一つ年下の16よ」
アルセリア「私は18です」
セネリオ「俺は19だ」
シノン「私は12で、ハノンは10歳だよ」
ハノン「みゅみゅ!」
セネリオ「チーグルで10歳というと…すっかり大人だな」
ハノン「みゅう!」(エッヘン)
レイノス「後は…」
ミステリアス「………」
一同(ね、年齢が全然読めない…)
レイノス「な、なあミステリアス、お前歳いくつなんだ?」
ミステリアス「17だ」
レイノス「は、はあ!?俺達と同い年!?嘘だろ!?」
ミステリアス「嘘だ」
レイノス「なっ…」
リン「レイノス、遊ばれてるわね…」
「みなさん、どうもありがとうございました」
グラシャラボラスを倒した一行は、チーグルの巣へとやってきた。
そしてそこにいたシノンの両親は、レイノス達から魔物を退治したという話を聞くとホッとした様子で礼を言った。
「よろしければお礼におもてなししたいところなんですが…」
「あ…その、すみません。ちょっと急ぎの旅の途中なんです」
シノンの母親がお礼をしたいと言ってきたが、スクルドを取り戻す為に急がなければならないため、レイノスはその申し出を断った。
「急いどるならいつまでも引き止めるわけにはいかんのぅ。それじゃ、わいらはここで、あんたらの旅の無事をいのっちょるけぇ、元気でな」
「ありがとうございます。怪我、お大事に」
旅の激励をするシノンの父親にリンが感謝の言葉を告げると、一行は彼らに背を向けて歩き出す。
「おチビちゃん、それにハノンだっけ?元気でネ」
クノンが振り返ってシノンとハノンに挨拶する。
シノンは先ほどから何かを考え込むように俯いていたが、クノンに声をかけられて顔をあげると、
「待って、みんな!私も連れて行って!」
「「シノン!?」」
真っ先に驚きの声をあげたのは、彼女の両親であった。
シノンは父と母の方を向くと、言った。
「パパ、あの魔物なんだけど、パパが言ってたように誰かに操られてたんだって」
「やっぱ、そうじゃったか…」
「うん…だからね、その人を懲らしめるために、あの人たちと一緒に行きたいの」
「でも、いきなり森の外に出るなんて…」
母親はシノンの旅への同行に反対のようだった。
シノンはまだまだ子供なのだ。
当然の反応であった。
「…よし!シノン行って来い!」
「ちょ、あなた!?」
が、一方で父親はあっさりと快諾してしまった。
シノンの母親はそんな夫の快諾に驚いた様子を見せる。
「本気なの?」
「どうせいつかは親元を離れる時が来るんじゃ。いい機会じゃろうて」
「でも…この子、森の外のことほとんど知らないのに。危険なことも多いだろうし…」
「なあに、あの魔物を倒した奴らが一緒なら、大抵のことはなんとかなるじゃろ。それにシノンにとってもいい経験となるはずじゃ」
「う〜ん、でも…」
「お願いママ!」
「みゅみゅ!」
なおも渋る母親に、シノンはハノンと共に頭を下げて懇願する。
「…はあ、しょうがないわね。あなたは父親に似て言い出したら聞かないものね」
「ママ!行っていいの!?」
「彼らがOKしてくれたらね」
そういってシノンの母はレイノス達の方を向く。
「お願い!私たちを一緒に連れていってください!」
「みゅみゅ!」
レイノス達に頭を下げるシノンとハノン。
するとセネリオがシノンの前に出てきて、言う。
「俺達についてくれば、魔物を操った奴だけじゃない、それ以上に強い奴らとも戦うことになるかもしれない。それでもついてくるというのか?」
「うん!私、魔物を操った奴も許せないけど、なにより森を守ってくれたみんなのお手伝いがしたいの!」
「…分かった。好きにしろ」
「本当!?わ〜いありがとう!」
セネリオの了承の言葉を聞き、シノンはその場でピョンピョン飛び跳ねた。
こうして、新たな仲間シノンとハノンを加えた一行は、改めてシノンの両親に別れの挨拶をし、チーグルの森を後にした。
スキット「見た目は子供、頭脳は…オトナ?」
シノン「ねえ」
クノン「ン?どしたの?」
シノン「なんでハノンは名前で呼んで、私はおチビちゃんなの?」
クノン「え〜、別にイイジャン」
リン「そういえば、いつも私たちのこと名前で呼ぶことほとんどないのに、ハノンは珍しく名前で呼んでたわね」
クノン「たまたまダッテ」
シノン「別に名前で呼ばれないのはいいけど、おチビちゃんなんてあなたに言われたくない!私とそんなに変わらないくせに!」
クノン「ウグっ…ぼ、ボクこれでも27歳なんだよ」
シノン「え、ええええ!?嘘だよそんなの」
クノン「ホントだも〜ん。だからボクの方がずっと大人なんだヨ〜」
レイノス「でも、いくら歳がずっと上だろうと、チビなことに変わりはないだろ」
クノン「グッ!?」
セネリオ「そもそも普段の言動からして大人と言い難い」
クノン「ウググっ!?」
アルセリア「二人とも、容赦ないですね…」
スキット「年齢」
クノン「そういえば、今まであんま気にしたことなかったけど、みんな歳いくつなのさ?」
レイノス「俺とリンは17だ」
リン「ちなみにスクルドは私達より一つ年下の16よ」
アルセリア「私は18です」
セネリオ「俺は19だ」
シノン「私は12で、ハノンは10歳だよ」
ハノン「みゅみゅ!」
セネリオ「チーグルで10歳というと…すっかり大人だな」
ハノン「みゅう!」(エッヘン)
レイノス「後は…」
ミステリアス「………」
一同(ね、年齢が全然読めない…)
レイノス「な、なあミステリアス、お前歳いくつなんだ?」
ミステリアス「17だ」
レイノス「は、はあ!?俺達と同い年!?嘘だろ!?」
ミステリアス「嘘だ」
レイノス「なっ…」
リン「レイノス、遊ばれてるわね…」
■作者メッセージ
というわけでシノンが加入、これでスクルド奪還メンバーが全員そろう事となりました!
スキットで地味にエイプリルフールネタ入れてみたw
スキットで地味にエイプリルフールネタ入れてみたw