第7章『救出大決戦』 5
「シノンさん達、大丈夫でしょうか…」
先に進みつつも、後ろを振り返りながらシノンとクノンの心配をするアルセリア。
2人は、自分達を進めるためにフォルクスと戦っているのだ。
「フォルクス程度の実力なら、クノンがいれば切り抜けられるだろう。心配するな」
「そ、そうですよね!」
セネリオが、クノンがいれば大丈夫だとアルセリアを励ます。
セネリオの言葉に、セリアは少し安心した様子を見せた。
(アルセリアにはああ言ったが、実際の所かなり厳しい戦いになるだろうな)
アルセリアには心配はいらないと声をかけたセネリオだったが、現実はそう甘くないだろうと心中では考えていた。
確かにフォルクス単体の実力なら、あの二人でも十分に対処は可能だろう。
だが、フォルクスはこの周辺の魔物を支配下に置いている。
グランコクマの襲撃や、エンゲーブに向かう途中の百体近い魔物との戦いのように、数で対抗してくれば、持久戦になる。
セネリオの見立てでは、クノンもシノンもあまり持久力のあるタイプではない。
一応クノンには少し多めにグミを渡しておいたが、楽観視はできなかった。
やがてレイノス達は、再び広い空間にやってきた。
「YO!youたち、よくここまで来たな!楽しみにしてたぜ!」
そこにいたのは、クノン同様おかしな口調でしゃべる一人の男だった。
が、レイノスの目に入ったのは、男の姿ではなく、男によって抱きかかえられている、一人の少女の姿であった。
「スクルド!」
そう、男によって抱きかかえられているのは、この旅の目的である、妹のスクルドであった。
気を失ったまま、フォルクスにお姫様抱っこの状態で抱えられている。
「おい、てめえ!スクルドを返しやがれ!」
「俺の名前はバックス!よろしくNA!」
「てめえの自己紹介なんてどうでもいいんだよ!」
スクルドを返せというレイノスの言葉を思いっきり無視して、男は勝手に自己紹介を始めた。
その態度にレイノスは苛立ちをぶつける。
「HAHAHA!落ち着けよboy!この俺とのgameに勝てたらこのgirlは返してやるよ!」
「ゲームだと?」
「そうだ、そしてそのgameの内容とは…」
そこで一端、バックスは焦らすように言葉を止める。
レイノス達は彼の独特のテンションとノリに苛立ちつつも、バックスの言葉を待つ。
そして、バックスの口から語られるゲームの内容。
それは…
「鬼ごっこSA!返してほしけりゃ、俺を捕まえてみな!」
そういうと、バックスは一目散に逃げ出した。
「逃がすか!」
一同がバックスの行動にポカンとする中、セネリオはいち早く反応してバックスを追った。
「あの野郎ナメやがって…リン、追うぞ!」
「ええ!」
セネリオに遅れて、レイノスとリンもバックスを追いかける。
「私たちも行きましょう!ミステリアスさん!」
アルセリアとミステリアスもそれに続こうと走ろうとするが、
「セリア!避けろ!」
「え!?」
ミステリアスの突然の指示に、アルセリアは戸惑った様子を見せる。
そして、咄嗟に後ろを振り向くと、
「なっ…!?」
目前に迫る敵の姿。
アルセリアはこちらを貫かんとする槍から身を守るため、斧で槍の一撃を受け止める。
攻撃を防がれた敵は、後方へ下がり、体勢を立て直す。
「ちぇ、防がれちゃったか…血がドバーって出るの、見たかったのに」
襲撃者は、女性であった。
彼女は、セリアに攻撃が決まらなかったことを無念そうにしている。
「……………」
続けて女性の隣に一人の男が黙って現れる。
「遅いよアレン〜」
「……………」
女性に声をかけられても、アレンと呼ばれた男は無言のままで、こちらを見つめていた。
「なんだ、てめえら?いきなり襲ってくるとはいい度胸じゃねえか」
ミステリアスは現れた男女に向けてそう言いながら銃口を向ける。
ミステリアスの言葉に、女性の方が反応して口を開いた。
「ふふ、私の名前はアテネ。こっちは弟のアレンだよ」
「きょ、姉弟ですか?」
現れた男女が姉弟であると知り、戸惑った様子を見せるアルセリア。
「……………」
「あはは、無愛想で似てないでしょ?これでも、私にとっては唯一の肉親なんだから」
「!唯一、の…!」
アテネの話を聞き、更に動揺を見せるアルセリア。
(ち、これ以上話をさせたらまずそうだな)
そんなセリアの様子を見て、ミステリアスはまずいと感じる。
これ以上アテネに話をさせたら、最悪セリアは戦えなくなってしまうかもしれない。
「御託はどうでもいいんだよ。てめえら、何の用だ?」
「ふふ、バックスだけ遊ぶんじゃ、ずるいもん。あなた達は、私達と遊んでよ」
「遊びだと…?」
「そう、私たちに切り刻まれて、真っ赤で綺麗な血をいっぱい、いっぱい流すの!」
そう言いながらアテネは次第に表情を愉悦なものに変えていく。
「あははは!あはははは!あなた達の血は、どれだけ綺麗な赤色だろうね!あはははははははははは!」
「み、ミステリアスさん、この人…」
「ああ…完全にイッちゃってる人だな」
アテネの狂気の様子に、対峙する二人は引いている。
ともかくミステリアスは、再度会話を試みることにした。
「ようするに、俺達と戦おうってわけか?」
「その通りだよ!さあ、始めよう!血塗られた闘争をさ!!あはははははははははは!!」
「……………」
「アレン、行くよ!」
「了解、姉さん」
((初めてしゃべった!!))
「行くぞ、セリア」
「は、はい…」
ミステリアスの言葉に、戸惑いがちに反応するアルセリア。
(唯一の肉親、家族…)
アルセリアは、眼前の敵を見つめる。
彼らは自分と同じで親を亡くし、お互いしか家族がいないのだ。
そして、どちらか片方が死んでしまったら、残された方は…
(一人ぼっち…!)
脳内に、フラッシュバックする過去。
父を、母を亡くした十年間。
「い、嫌…」
嫌だ。嫌だ。
あの辛い思いを、家族を失う悲しみを、他の誰かにまで味あわせるなんて。
そんなのは、絶対に…
「嫌あああああああああああああああ!」
「セリア!」
ミステリアスの制止の声も届かないまま、逃げ出してしまうアルセリア。
もと来た道を逆走し、あっという間に見えなくなってしまった。
「なんだ、あなた一人?つまんないの」
「ち…!」
アルセリアがいなくなった以上、一人で戦うしかない。
銃使いの自分が、槍使いの女・アテネと剣士の男・アレンを相手にするのは正直厳しいが…
「やるしかねえ!」
気合の叫び声と共に、ミステリアスの身体が蒼白く輝く。
オーバーリミッツの光だ。
圧倒的に不利な状況である以上、これで一気に決めるしかない。
「あはははは!なかなか骨のありそうな相手ね!これは血の流させがいがあるぅ〜!」
「……………」
オーバーリミッツの光を纏って銃を構えるミステリアスに対し、アテネとアレンもそれぞれの武器を構える。
戦いの火蓋が、今まさに切って落とされようとしていた。
「はあ、はあ、はあ…くそ、あいつら足速すぎだろ!」
「はあ、はあ…すっかり見えなくなっちゃったわね」
一方こちらはレイノスとリン。
スクルドを連れ去ったバックスを追っていたのだが、バックスと先行してそれを追っていたセネリオの足は非常に速く、すっかり見失ってしまったのだ。
「とにかく、少しでもあいつらに追いつくぞ!」
「ちょ、ちょっと待って」
「なんだよリン、へばったなら置いてくぜ」
「そうじゃなくて…ミステさんとセリアが後ろから来てないみたいなのよ」
「!そういえば確かに…」
レイノスはここまで走ってきた道を見る。
バックスを追う間、道はほぼ一本道だ。
ミステリアスたちが自分達の後から追ってきているのなら、こちらに追いつくか、追いつかないにしても数十メートル先に人影が見えたっていいはずだ。
「もしかして、あの二人になにかあったんじゃないかしら?」
「なにかってなんだよ?」
「ほらだって、仮にあのバックスって人がセントビナーで聞いた『リーダーと三人の強い部下』だとしても、彼以外にも強い人がこのシュレーの丘にはいるわけだし…」
「そいつらに襲われてるかもしれないってことか…」
そうだとするなら、すぐに引き返して救援に向かうべきかもしれない。
しかし…
(スクルド…)
レイノスにはやはり、バックスに連れ去られたスクルドが気がかりだった。
セネリオが追っているとはいえ、不安は尽きない。
「レイノス、やっぱりスクルドのことが気になるのね」
「………当たり前だ。やっと追いついたんだ。絶対に取り戻したい。だけど…」
スクルドを助けたいからといって、ピンチかもしれない仲間を放っておいていいのか。
妹を助けるか、仲間を助けるか。
究極の選択を前に、レイノスは逡巡する。
そんなレイノスの心情を察したリンは、提案する。
「…分かったわ。セリア達の方には私が行くから、レイノス、あなたはスクルドを追いなさい」
「リン、お前…!」
「ただし!追いかけるって決めた以上は、しっかりと取り戻すこと!いいわね!」
レイノスもまた、リンの思惑を察した。
リンは、スクルドを助けたい自分の心情をくみ取り、それを後押ししてくれているのだ。
そして、背中を押したからには迷ってないでさっさと助けに行け、ということだ。
それならば、自分も迷いを吹っ切ってそれに応えないといけない。
「…ああ、分かった。スクルドは絶対に取り戻す。だからそっちは任せたぜ、リン」
「ふふ、任されたわ」
こうして、リンはもと来た道を引き返し、レイノスは先へと進んだ。
リンは仲間を、レイノスは妹を助けるために。
(待ってろスクルド、絶対にお前を助けてやるからな!)
先に進みつつも、後ろを振り返りながらシノンとクノンの心配をするアルセリア。
2人は、自分達を進めるためにフォルクスと戦っているのだ。
「フォルクス程度の実力なら、クノンがいれば切り抜けられるだろう。心配するな」
「そ、そうですよね!」
セネリオが、クノンがいれば大丈夫だとアルセリアを励ます。
セネリオの言葉に、セリアは少し安心した様子を見せた。
(アルセリアにはああ言ったが、実際の所かなり厳しい戦いになるだろうな)
アルセリアには心配はいらないと声をかけたセネリオだったが、現実はそう甘くないだろうと心中では考えていた。
確かにフォルクス単体の実力なら、あの二人でも十分に対処は可能だろう。
だが、フォルクスはこの周辺の魔物を支配下に置いている。
グランコクマの襲撃や、エンゲーブに向かう途中の百体近い魔物との戦いのように、数で対抗してくれば、持久戦になる。
セネリオの見立てでは、クノンもシノンもあまり持久力のあるタイプではない。
一応クノンには少し多めにグミを渡しておいたが、楽観視はできなかった。
やがてレイノス達は、再び広い空間にやってきた。
「YO!youたち、よくここまで来たな!楽しみにしてたぜ!」
そこにいたのは、クノン同様おかしな口調でしゃべる一人の男だった。
が、レイノスの目に入ったのは、男の姿ではなく、男によって抱きかかえられている、一人の少女の姿であった。
「スクルド!」
そう、男によって抱きかかえられているのは、この旅の目的である、妹のスクルドであった。
気を失ったまま、フォルクスにお姫様抱っこの状態で抱えられている。
「おい、てめえ!スクルドを返しやがれ!」
「俺の名前はバックス!よろしくNA!」
「てめえの自己紹介なんてどうでもいいんだよ!」
スクルドを返せというレイノスの言葉を思いっきり無視して、男は勝手に自己紹介を始めた。
その態度にレイノスは苛立ちをぶつける。
「HAHAHA!落ち着けよboy!この俺とのgameに勝てたらこのgirlは返してやるよ!」
「ゲームだと?」
「そうだ、そしてそのgameの内容とは…」
そこで一端、バックスは焦らすように言葉を止める。
レイノス達は彼の独特のテンションとノリに苛立ちつつも、バックスの言葉を待つ。
そして、バックスの口から語られるゲームの内容。
それは…
「鬼ごっこSA!返してほしけりゃ、俺を捕まえてみな!」
そういうと、バックスは一目散に逃げ出した。
「逃がすか!」
一同がバックスの行動にポカンとする中、セネリオはいち早く反応してバックスを追った。
「あの野郎ナメやがって…リン、追うぞ!」
「ええ!」
セネリオに遅れて、レイノスとリンもバックスを追いかける。
「私たちも行きましょう!ミステリアスさん!」
アルセリアとミステリアスもそれに続こうと走ろうとするが、
「セリア!避けろ!」
「え!?」
ミステリアスの突然の指示に、アルセリアは戸惑った様子を見せる。
そして、咄嗟に後ろを振り向くと、
「なっ…!?」
目前に迫る敵の姿。
アルセリアはこちらを貫かんとする槍から身を守るため、斧で槍の一撃を受け止める。
攻撃を防がれた敵は、後方へ下がり、体勢を立て直す。
「ちぇ、防がれちゃったか…血がドバーって出るの、見たかったのに」
襲撃者は、女性であった。
彼女は、セリアに攻撃が決まらなかったことを無念そうにしている。
「……………」
続けて女性の隣に一人の男が黙って現れる。
「遅いよアレン〜」
「……………」
女性に声をかけられても、アレンと呼ばれた男は無言のままで、こちらを見つめていた。
「なんだ、てめえら?いきなり襲ってくるとはいい度胸じゃねえか」
ミステリアスは現れた男女に向けてそう言いながら銃口を向ける。
ミステリアスの言葉に、女性の方が反応して口を開いた。
「ふふ、私の名前はアテネ。こっちは弟のアレンだよ」
「きょ、姉弟ですか?」
現れた男女が姉弟であると知り、戸惑った様子を見せるアルセリア。
「……………」
「あはは、無愛想で似てないでしょ?これでも、私にとっては唯一の肉親なんだから」
「!唯一、の…!」
アテネの話を聞き、更に動揺を見せるアルセリア。
(ち、これ以上話をさせたらまずそうだな)
そんなセリアの様子を見て、ミステリアスはまずいと感じる。
これ以上アテネに話をさせたら、最悪セリアは戦えなくなってしまうかもしれない。
「御託はどうでもいいんだよ。てめえら、何の用だ?」
「ふふ、バックスだけ遊ぶんじゃ、ずるいもん。あなた達は、私達と遊んでよ」
「遊びだと…?」
「そう、私たちに切り刻まれて、真っ赤で綺麗な血をいっぱい、いっぱい流すの!」
そう言いながらアテネは次第に表情を愉悦なものに変えていく。
「あははは!あはははは!あなた達の血は、どれだけ綺麗な赤色だろうね!あはははははははははは!」
「み、ミステリアスさん、この人…」
「ああ…完全にイッちゃってる人だな」
アテネの狂気の様子に、対峙する二人は引いている。
ともかくミステリアスは、再度会話を試みることにした。
「ようするに、俺達と戦おうってわけか?」
「その通りだよ!さあ、始めよう!血塗られた闘争をさ!!あはははははははははは!!」
「……………」
「アレン、行くよ!」
「了解、姉さん」
((初めてしゃべった!!))
「行くぞ、セリア」
「は、はい…」
ミステリアスの言葉に、戸惑いがちに反応するアルセリア。
(唯一の肉親、家族…)
アルセリアは、眼前の敵を見つめる。
彼らは自分と同じで親を亡くし、お互いしか家族がいないのだ。
そして、どちらか片方が死んでしまったら、残された方は…
(一人ぼっち…!)
脳内に、フラッシュバックする過去。
父を、母を亡くした十年間。
「い、嫌…」
嫌だ。嫌だ。
あの辛い思いを、家族を失う悲しみを、他の誰かにまで味あわせるなんて。
そんなのは、絶対に…
「嫌あああああああああああああああ!」
「セリア!」
ミステリアスの制止の声も届かないまま、逃げ出してしまうアルセリア。
もと来た道を逆走し、あっという間に見えなくなってしまった。
「なんだ、あなた一人?つまんないの」
「ち…!」
アルセリアがいなくなった以上、一人で戦うしかない。
銃使いの自分が、槍使いの女・アテネと剣士の男・アレンを相手にするのは正直厳しいが…
「やるしかねえ!」
気合の叫び声と共に、ミステリアスの身体が蒼白く輝く。
オーバーリミッツの光だ。
圧倒的に不利な状況である以上、これで一気に決めるしかない。
「あはははは!なかなか骨のありそうな相手ね!これは血の流させがいがあるぅ〜!」
「……………」
オーバーリミッツの光を纏って銃を構えるミステリアスに対し、アテネとアレンもそれぞれの武器を構える。
戦いの火蓋が、今まさに切って落とされようとしていた。
「はあ、はあ、はあ…くそ、あいつら足速すぎだろ!」
「はあ、はあ…すっかり見えなくなっちゃったわね」
一方こちらはレイノスとリン。
スクルドを連れ去ったバックスを追っていたのだが、バックスと先行してそれを追っていたセネリオの足は非常に速く、すっかり見失ってしまったのだ。
「とにかく、少しでもあいつらに追いつくぞ!」
「ちょ、ちょっと待って」
「なんだよリン、へばったなら置いてくぜ」
「そうじゃなくて…ミステさんとセリアが後ろから来てないみたいなのよ」
「!そういえば確かに…」
レイノスはここまで走ってきた道を見る。
バックスを追う間、道はほぼ一本道だ。
ミステリアスたちが自分達の後から追ってきているのなら、こちらに追いつくか、追いつかないにしても数十メートル先に人影が見えたっていいはずだ。
「もしかして、あの二人になにかあったんじゃないかしら?」
「なにかってなんだよ?」
「ほらだって、仮にあのバックスって人がセントビナーで聞いた『リーダーと三人の強い部下』だとしても、彼以外にも強い人がこのシュレーの丘にはいるわけだし…」
「そいつらに襲われてるかもしれないってことか…」
そうだとするなら、すぐに引き返して救援に向かうべきかもしれない。
しかし…
(スクルド…)
レイノスにはやはり、バックスに連れ去られたスクルドが気がかりだった。
セネリオが追っているとはいえ、不安は尽きない。
「レイノス、やっぱりスクルドのことが気になるのね」
「………当たり前だ。やっと追いついたんだ。絶対に取り戻したい。だけど…」
スクルドを助けたいからといって、ピンチかもしれない仲間を放っておいていいのか。
妹を助けるか、仲間を助けるか。
究極の選択を前に、レイノスは逡巡する。
そんなレイノスの心情を察したリンは、提案する。
「…分かったわ。セリア達の方には私が行くから、レイノス、あなたはスクルドを追いなさい」
「リン、お前…!」
「ただし!追いかけるって決めた以上は、しっかりと取り戻すこと!いいわね!」
レイノスもまた、リンの思惑を察した。
リンは、スクルドを助けたい自分の心情をくみ取り、それを後押ししてくれているのだ。
そして、背中を押したからには迷ってないでさっさと助けに行け、ということだ。
それならば、自分も迷いを吹っ切ってそれに応えないといけない。
「…ああ、分かった。スクルドは絶対に取り戻す。だからそっちは任せたぜ、リン」
「ふふ、任されたわ」
こうして、リンはもと来た道を引き返し、レイノスは先へと進んだ。
リンは仲間を、レイノスは妹を助けるために。
(待ってろスクルド、絶対にお前を助けてやるからな!)
■作者メッセージ
パ − テ ィ 大 分 裂 !
前回の話で二つに分かれたパーティが、今回の話で一気にバラバラになりました
状況としては、現状でシノン&クノン以外は単独行動というとんでもない状況で、賊幹部が現れたりしてるから、本当にヤバイっすね
自分で書いててなんだけど、どうしてこうなったw
後、そろそろスクルドの術技を外伝の方に載せる必要があるかもしれませんね
前回の話で二つに分かれたパーティが、今回の話で一気にバラバラになりました
状況としては、現状でシノン&クノン以外は単独行動というとんでもない状況で、賊幹部が現れたりしてるから、本当にヤバイっすね
自分で書いててなんだけど、どうしてこうなったw
後、そろそろスクルドの術技を外伝の方に載せる必要があるかもしれませんね