第7章『救出大決戦』 10
「月華斬光閃!」
リンの剣技がアテネに向けて放たれる。
しかしアテネはリンの技を避けることさえせず、あっさりと受け止める。
「はは、腕っぷしは弱いみたいだね。せっかく綺麗な剣使ってるのに、つまんないの!」
「くっ!」
「………」
技を受け止められたリンのもとに、無言でアレンが迫ってくる。
「やらせるかよ!ストロングバレット!」
ミステリアスの強力な二発の弾丸がアレンのもとへと飛んでいき、アレンはすかさず持っていた大剣で弾丸を受け止める。
その隙にリンは後方に下がってアテネやアレンから距離を取る。
「それっ!」
「なっ!?」
が、リンがバックステップで後ろに下がった直後、アテネの思わぬ反撃にリンは驚愕する。
なんと、武器である槍をこちらに投げつけてきたのだ。
「くっ!」
リンはかろうじてレーヴァテインで槍を弾く。
弾かれた槍は、空中を舞う。
「まだまだ!」
アテネは大ジャンプで空中の槍をキャッチすると、そのまま槍の切っ先をリンに向ける。
(またこっちに向けて投げてくる!?)
空中で槍を構えたアテネに対し、リンは警戒を強める。
が、それこそが敵の狙いであった。
「リン!避けろ!」
「え!?」
ミステリアスの指示が飛ぶが、遅かった。
空中のアテネに気を取られている隙に、アレンがすぐそこまで迫ってきていたのだ。
「きゃああああああ!」
アレンの無言による大剣の一撃を受け、リンは吹き飛ばされてしまう。
「リン!くそっ…!」
ミステリアスは、空中にいるアテネに向けて銃弾を浴びせた。
今ならば、避けることはできない。
が、アテネは華麗な槍さばきでミステリアスの銃弾を全て弾いて見せる。
そうして地面に着地すると、一気にミステリアスのもとに接近する。
「いっけー!」
雄叫びと共にアテネは槍をミステリアスに突きつける。
「そうはいくか!」
だがミステリアスは、紙一重のところでアテネの槍を回避する。
「あれ?」
「ゼロ距離射撃、食らっとけ!ツインバレット!」
ミステリアスの連続射撃を食らいながら、アテネは後退する。
銃弾が命中した腹部は、出血している。
「血…赤い…綺麗……!」
アテネは、腹にこびりついた血を手に取ると、その血を陶酔したような表情で眺めながら、ぺろりとなめる。
「赤いの…綺麗なの…もっとちょうだいいいいいいい!!」
「な!?」
ミステリアスは驚愕する。
先ほどとは比べものにならないスピードでこちらに向かってきたのだ。
「がはあああああああっ!」
あまりのスピードに今度は対処できず、まともに槍を食らってしまう。
「フフ…私の血も綺麗だけど、あなたの血も赤くて綺麗ね…もっと、もっとその赤いのをちょうだい!あははははははあははは!!」
「くそ…リン、大丈夫か?」
「は、はい…!」
リンとミステリアスは、どうにか立ち上がる。
しかし、目の前の強敵を相手に、全く歯が立たなかった。
「はあ、少しはやるみたいだけど、つまんないな。どっちも接近戦は得意じゃないみたいだし」
アテネは残念そうにつぶやく。
リンは剣を使っているが、あくまでそれはサブで、本命は術師であることは戦いの中で見抜いていた。
「だったら、ボクたちが相手になるヨ!」
突然聞こえてきた新たな声。
それと同時に、一つの影がアテネに向かってくる。
「掌底破!」
その掛け声と共に、その影からの攻撃を受けたアテネは後退する。
「姉さん!…よくも」
アテネが攻撃を受けたのを見て、小さな怒りと共にその影の正体――クノンへと大剣を振り下ろそうとする。
「させない!ハノンアタック!」
「みゅみゅうー!」
しかしアレンの攻撃は続けて現れたチーグルの体当たりによって阻まれる。
「ぐっ…!?」
チーグル――ハノンの攻撃を受けたアレンのもとに、新たな影が現れ、接近してくる。
「裂旋斧!」
ハノンの攻撃を食らって無防備になった状態からさらに斧の攻撃を受け、アレンもまた後退することとなった。
「ヤッホ〜仮面さん、お嬢様!助けに来たヨ!」
「クノンさん…助かりました、ありがとうございます!」
救援にやってきたクノンに、リンは礼を言う。
「あ、あの、ミステリアスさん、ごめんなさい!私…」
「別に気にしてないさ」
「でも…」
「あ〜、やめやめ!今は目の前の戦いに集中しようぜ!」
「はい!私、もう逃げませんから!」
アルセリアはミステリアスに、逃げ出したことを謝る。
それに対し、ミステリアスは気にしていないと言うが、セリアの方はそれでは納得できないらしい。
そんなセリアに対しミステリアスは、ともかく今は目の前の戦いに集中することを促す。
ミステリアスのその言葉に了解したセリアは、今度こそ逃げないと、決意の言葉を述べて斧を構えた。
「あはは、いいじゃんいいじゃん!面白くなってきたぁ!アレンもそう思わない!?」
「何人来ようが、敵は倒すだけだ」
「そうだね、それじゃあ…あいつら倒して、辺り一帯を綺麗な血の海にしちゃおう!」
「…了解」
「はあ、はあ、はあ…くそ、セネリオたち、どこいったんだよ!」
一方その頃レイノスは、完全にバックスやセネリオ達を見失っていた。
どこまでいったのか分からない二人を探し求めて、ともかく前へ前へと走り続けていた。
「うおおおおおおお!待ってろよスクルドー!」
「あれ?セネリオさん、今何か聞こえませんでした?」
「ああ、聞こえた。…お前の名前を呼んでいたな」
「もしかして…!」
「うおおおおおおお!スクルドどこだー!」
「レイノス!」
「お兄ちゃん!」
前方から猪の如く走ってこちらにやってくるのは、まさにレイノス・フォン・ファブレの姿であった。
こうして、離れ離れになった兄妹はついに再会の時を果たしたのであった。
リンの剣技がアテネに向けて放たれる。
しかしアテネはリンの技を避けることさえせず、あっさりと受け止める。
「はは、腕っぷしは弱いみたいだね。せっかく綺麗な剣使ってるのに、つまんないの!」
「くっ!」
「………」
技を受け止められたリンのもとに、無言でアレンが迫ってくる。
「やらせるかよ!ストロングバレット!」
ミステリアスの強力な二発の弾丸がアレンのもとへと飛んでいき、アレンはすかさず持っていた大剣で弾丸を受け止める。
その隙にリンは後方に下がってアテネやアレンから距離を取る。
「それっ!」
「なっ!?」
が、リンがバックステップで後ろに下がった直後、アテネの思わぬ反撃にリンは驚愕する。
なんと、武器である槍をこちらに投げつけてきたのだ。
「くっ!」
リンはかろうじてレーヴァテインで槍を弾く。
弾かれた槍は、空中を舞う。
「まだまだ!」
アテネは大ジャンプで空中の槍をキャッチすると、そのまま槍の切っ先をリンに向ける。
(またこっちに向けて投げてくる!?)
空中で槍を構えたアテネに対し、リンは警戒を強める。
が、それこそが敵の狙いであった。
「リン!避けろ!」
「え!?」
ミステリアスの指示が飛ぶが、遅かった。
空中のアテネに気を取られている隙に、アレンがすぐそこまで迫ってきていたのだ。
「きゃああああああ!」
アレンの無言による大剣の一撃を受け、リンは吹き飛ばされてしまう。
「リン!くそっ…!」
ミステリアスは、空中にいるアテネに向けて銃弾を浴びせた。
今ならば、避けることはできない。
が、アテネは華麗な槍さばきでミステリアスの銃弾を全て弾いて見せる。
そうして地面に着地すると、一気にミステリアスのもとに接近する。
「いっけー!」
雄叫びと共にアテネは槍をミステリアスに突きつける。
「そうはいくか!」
だがミステリアスは、紙一重のところでアテネの槍を回避する。
「あれ?」
「ゼロ距離射撃、食らっとけ!ツインバレット!」
ミステリアスの連続射撃を食らいながら、アテネは後退する。
銃弾が命中した腹部は、出血している。
「血…赤い…綺麗……!」
アテネは、腹にこびりついた血を手に取ると、その血を陶酔したような表情で眺めながら、ぺろりとなめる。
「赤いの…綺麗なの…もっとちょうだいいいいいいい!!」
「な!?」
ミステリアスは驚愕する。
先ほどとは比べものにならないスピードでこちらに向かってきたのだ。
「がはあああああああっ!」
あまりのスピードに今度は対処できず、まともに槍を食らってしまう。
「フフ…私の血も綺麗だけど、あなたの血も赤くて綺麗ね…もっと、もっとその赤いのをちょうだい!あははははははあははは!!」
「くそ…リン、大丈夫か?」
「は、はい…!」
リンとミステリアスは、どうにか立ち上がる。
しかし、目の前の強敵を相手に、全く歯が立たなかった。
「はあ、少しはやるみたいだけど、つまんないな。どっちも接近戦は得意じゃないみたいだし」
アテネは残念そうにつぶやく。
リンは剣を使っているが、あくまでそれはサブで、本命は術師であることは戦いの中で見抜いていた。
「だったら、ボクたちが相手になるヨ!」
突然聞こえてきた新たな声。
それと同時に、一つの影がアテネに向かってくる。
「掌底破!」
その掛け声と共に、その影からの攻撃を受けたアテネは後退する。
「姉さん!…よくも」
アテネが攻撃を受けたのを見て、小さな怒りと共にその影の正体――クノンへと大剣を振り下ろそうとする。
「させない!ハノンアタック!」
「みゅみゅうー!」
しかしアレンの攻撃は続けて現れたチーグルの体当たりによって阻まれる。
「ぐっ…!?」
チーグル――ハノンの攻撃を受けたアレンのもとに、新たな影が現れ、接近してくる。
「裂旋斧!」
ハノンの攻撃を食らって無防備になった状態からさらに斧の攻撃を受け、アレンもまた後退することとなった。
「ヤッホ〜仮面さん、お嬢様!助けに来たヨ!」
「クノンさん…助かりました、ありがとうございます!」
救援にやってきたクノンに、リンは礼を言う。
「あ、あの、ミステリアスさん、ごめんなさい!私…」
「別に気にしてないさ」
「でも…」
「あ〜、やめやめ!今は目の前の戦いに集中しようぜ!」
「はい!私、もう逃げませんから!」
アルセリアはミステリアスに、逃げ出したことを謝る。
それに対し、ミステリアスは気にしていないと言うが、セリアの方はそれでは納得できないらしい。
そんなセリアに対しミステリアスは、ともかく今は目の前の戦いに集中することを促す。
ミステリアスのその言葉に了解したセリアは、今度こそ逃げないと、決意の言葉を述べて斧を構えた。
「あはは、いいじゃんいいじゃん!面白くなってきたぁ!アレンもそう思わない!?」
「何人来ようが、敵は倒すだけだ」
「そうだね、それじゃあ…あいつら倒して、辺り一帯を綺麗な血の海にしちゃおう!」
「…了解」
「はあ、はあ、はあ…くそ、セネリオたち、どこいったんだよ!」
一方その頃レイノスは、完全にバックスやセネリオ達を見失っていた。
どこまでいったのか分からない二人を探し求めて、ともかく前へ前へと走り続けていた。
「うおおおおおおお!待ってろよスクルドー!」
「あれ?セネリオさん、今何か聞こえませんでした?」
「ああ、聞こえた。…お前の名前を呼んでいたな」
「もしかして…!」
「うおおおおおおお!スクルドどこだー!」
「レイノス!」
「お兄ちゃん!」
前方から猪の如く走ってこちらにやってくるのは、まさにレイノス・フォン・ファブレの姿であった。
こうして、離れ離れになった兄妹はついに再会の時を果たしたのであった。
■作者メッセージ
とりあえずここまで
昼にも投稿したけど、まあクライマックス近いしやれるときにやっときたいからね
昼にも投稿したけど、まあクライマックス近いしやれるときにやっときたいからね