第7章「救出大決戦」 11
「スクル…ド……?」
目の前の少女の姿に、軽く息を切らした少年レイノス・フォン・ファブレは目を見開いた。
そこにいたのは、間違いのない妹の姿であった。
「お兄ちゃん…ほんとにお兄ちゃんなの!?」
少女、スクルド・フォン・ファブレもまた目の前の人物が兄のレイノスであることに気づき、目に涙を溜めながら感極まっているようだ。
「スクルド…スクルド!やっと会えた…!」
「お兄ちゃん…会いたかったよ!」
どちらが先とも分からないが、二人は互いの身体を抱きしめあってその再会を喜び合った。
それは、スクルド奪還というこの旅の最大の目的が果たされた瞬間だった。
「積もる話も色々とあるだろうが…いいか?」
互いの再会を喜び合う二人だったが、そこへ口を挟んできたのはセネリオだった。
レイノスとスクルドは再会への喜びの抱擁を止めると、セネリオに向き直る。
「この人が私を助けてくれたんです」
「そっか、ありがとなセネr…」
礼をいいかけて、あわてて口をつぐむレイノス。
セネリオはお尋ね者である故、うかつに名前を出すわけにはいかない。
「セネ?…あ!そういえばまだ名前を伺ってませんでした!お名前はなんというんですか?」
「俺は…」
スクルドに名前を聞かれたセネリオは、どう回答するべきか思案しながら、レイノスのほうを見る。
兄であるレイノスに判断を仰ごうと考えたのだ。
「スクルドなら、話しても大丈夫だと思う」
「そうか…」
レイノスの判断を仰いだセネリオは、明かす決断をした。
「俺の名は、セネリオ・バークハルスだ」
その名を聞いて、驚きの表情を見せるスクルド。
「え…?ええ!?セネリオって、もしかして…」
「ああ、こいつは元六神将、【漆黒のセネリオ】なんだ」
「漆黒の、セネリオ…!」
案の定その正体を聞き驚愕するスクルド。
が、しばらくすると目を輝かせてセネリオを見つめた。
「騎士様、しかも六神将だったなんて…それであんなに強かったんですね。セネリオさん、素敵です…」
「おい」
スクルドのその反応に、レイノスは思わず突っ込んだ。
「こいつの正体を知った反応が、それなのかよ!?こいつ、一応は凶悪犯として世間的には恐れられているあのセネリオだぜ!?」
「セネリオさんはそんなこわい人じゃありません!強くてかっこいい、素敵な騎士様です!」
「そんな人じゃないってお前…ついさっきセネリオに会ったばっかだろうに、よくそこまで信用できるな…」
セネリオへのかなりずれた感想を口にしたスクルドにレイノスが思わず突っ込むと、スクルドもまたセネリオはそんなんじゃないと反論した。
そんなスクルドに対し、レイノスは思わず呆れるのであった。
「それでレイノス、お前は今一人みたいだが、他のやつらはどうしてる?」
「え、ああ実は…」
話を次の話題へと戻したセネリオの問いに、レイノスは答えた。
「…というわけで、リンと別行動して俺はスクルドを追ってここまで来たんだ」
「…事情は分かった。それならば、ミステリアスとアルセリアの救援の為、こちらも急いで戻るぞ」
「ああ」
こうしてレイノス・セネリオ・スクルドの三人は仲間と合流する為に歩き出した。
スキット「日常への帰還」
スクルド「お兄ちゃんだけでなく、リンさんまでここに来てるなんて…」
レイノス「あいつが俺を進ませてくれたおかげで、俺はお前とこうして会うことができた。あいつには感謝しないとね…」
スクルド「助けてくれたのはセネリオさんだったけどね」
レイノス「うぐ…いやまあそうだけどよ」
スクルド「ねえ、お兄ちゃん」
レイノス「ん?どうした?」
スクルド「いろいろと辛いことはあったけど…これで帰れるんだね。お父さんがいて、お母さんがいて、お兄ちゃんがいて…たまにガイさんやリンさんが遊びに来る、あの日常に」
レイノス「ああ、勿論だ。バチカルに帰って、親父や母さんに元気な姿、見せてやろうぜ!」
スクルド「うん!」
目の前の少女の姿に、軽く息を切らした少年レイノス・フォン・ファブレは目を見開いた。
そこにいたのは、間違いのない妹の姿であった。
「お兄ちゃん…ほんとにお兄ちゃんなの!?」
少女、スクルド・フォン・ファブレもまた目の前の人物が兄のレイノスであることに気づき、目に涙を溜めながら感極まっているようだ。
「スクルド…スクルド!やっと会えた…!」
「お兄ちゃん…会いたかったよ!」
どちらが先とも分からないが、二人は互いの身体を抱きしめあってその再会を喜び合った。
それは、スクルド奪還というこの旅の最大の目的が果たされた瞬間だった。
「積もる話も色々とあるだろうが…いいか?」
互いの再会を喜び合う二人だったが、そこへ口を挟んできたのはセネリオだった。
レイノスとスクルドは再会への喜びの抱擁を止めると、セネリオに向き直る。
「この人が私を助けてくれたんです」
「そっか、ありがとなセネr…」
礼をいいかけて、あわてて口をつぐむレイノス。
セネリオはお尋ね者である故、うかつに名前を出すわけにはいかない。
「セネ?…あ!そういえばまだ名前を伺ってませんでした!お名前はなんというんですか?」
「俺は…」
スクルドに名前を聞かれたセネリオは、どう回答するべきか思案しながら、レイノスのほうを見る。
兄であるレイノスに判断を仰ごうと考えたのだ。
「スクルドなら、話しても大丈夫だと思う」
「そうか…」
レイノスの判断を仰いだセネリオは、明かす決断をした。
「俺の名は、セネリオ・バークハルスだ」
その名を聞いて、驚きの表情を見せるスクルド。
「え…?ええ!?セネリオって、もしかして…」
「ああ、こいつは元六神将、【漆黒のセネリオ】なんだ」
「漆黒の、セネリオ…!」
案の定その正体を聞き驚愕するスクルド。
が、しばらくすると目を輝かせてセネリオを見つめた。
「騎士様、しかも六神将だったなんて…それであんなに強かったんですね。セネリオさん、素敵です…」
「おい」
スクルドのその反応に、レイノスは思わず突っ込んだ。
「こいつの正体を知った反応が、それなのかよ!?こいつ、一応は凶悪犯として世間的には恐れられているあのセネリオだぜ!?」
「セネリオさんはそんなこわい人じゃありません!強くてかっこいい、素敵な騎士様です!」
「そんな人じゃないってお前…ついさっきセネリオに会ったばっかだろうに、よくそこまで信用できるな…」
セネリオへのかなりずれた感想を口にしたスクルドにレイノスが思わず突っ込むと、スクルドもまたセネリオはそんなんじゃないと反論した。
そんなスクルドに対し、レイノスは思わず呆れるのであった。
「それでレイノス、お前は今一人みたいだが、他のやつらはどうしてる?」
「え、ああ実は…」
話を次の話題へと戻したセネリオの問いに、レイノスは答えた。
「…というわけで、リンと別行動して俺はスクルドを追ってここまで来たんだ」
「…事情は分かった。それならば、ミステリアスとアルセリアの救援の為、こちらも急いで戻るぞ」
「ああ」
こうしてレイノス・セネリオ・スクルドの三人は仲間と合流する為に歩き出した。
スキット「日常への帰還」
スクルド「お兄ちゃんだけでなく、リンさんまでここに来てるなんて…」
レイノス「あいつが俺を進ませてくれたおかげで、俺はお前とこうして会うことができた。あいつには感謝しないとね…」
スクルド「助けてくれたのはセネリオさんだったけどね」
レイノス「うぐ…いやまあそうだけどよ」
スクルド「ねえ、お兄ちゃん」
レイノス「ん?どうした?」
スクルド「いろいろと辛いことはあったけど…これで帰れるんだね。お父さんがいて、お母さんがいて、お兄ちゃんがいて…たまにガイさんやリンさんが遊びに来る、あの日常に」
レイノス「ああ、勿論だ。バチカルに帰って、親父や母さんに元気な姿、見せてやろうぜ!」
スクルド「うん!」