第8章『決着!シュレーの丘』 3
「爆砕斬!」
アルセリアの攻撃が、魔物の内の一体に叩きつけられる。
「ノクターナルライト!」
「ツインバレット!」
そこへ、シノンの数本のナイフとミステリアスの銃弾の雨が降り注がれ、モンスターは息絶える。
「臥竜空破!」
また別の場所では、クノンのアッパーにより魔物が空中に高く打ち上げられる。
「とどめです!デルタレイ!」
打ち上げられた魔物にスクルドの譜術による光弾が放たれ、魔物は光弾に貫かれて動かなくなった。
「オッケーだよ、御令嬢♪ソノチョーシ♪」
「は、はい!」
スクルドは不慣れな戦闘ながら、時に回復、時に譜術を放ちながら懸命に戦闘のサポートをしていた。
「ち…魔神剣!月閃虚崩!」
そんな中、一番苦戦しているのはセネリオだった。
とにかく、襲ってくる魔物が多すぎるのだ。
(フォルクスの奴…俺に戦力を多く割いてきてるな。このままでは、奴のもとに辿り着けん…!)
「ブランディス!」
「フォトン!」
魔物の大群を相手するセネリオのもとに、シノンとスクルドが救援にやって来る。
「大丈夫ですか、セネリオさん!?」
スクルドがセネリオに心配そうに声をかけてくる。
「俺なら無事だ。…だが、このまま魔物を倒し続けていても、キリがないな」
「ねえ、セネセネ」
シノンが、セネリオに声をかけてくる。
「この魔物、フォルクスがいる限り、たぶんいつまでたっても増え続けるよね?」
「ああ、奴を倒さない限り、おそらくこの戦いは終わらない」
「そっか…」
セネリオの話を聞き、シノンは腕を組んでしばらく考え込むと、
「…分かった。それじゃあ、私がフォルクスを倒すよ」
「…何?」
「セネセネは、マークされてるからフォルクスのとこに行きたくてもいけないんでしょ?だったら、私がやる!」
「だが…」
「大丈夫!また前みたいなことにならないように、ハノンは置いていくから!」
「みゅみゅ!?」
置いていくというシノンの言葉に、ハノンは驚愕の表情を見せる。
「みゅう…」
「ハノン、ごめんね。だけど、またあの時みたいに、ハノンを傷つけることになるのだけは、嫌だから…」
「みゅうう」
ハノンは納得しきっていない様子だったが、指示に従いシノンの肩から降りた。
その様子を魔物と戦いつつもじっと見ながら、セネリオが口を開く。
「…やむを得ない、か。シノン、フォルクスのことはお前に任せた」
「セネセネ!」
「フォルクスのもとまでの道は、俺達が開く!お前はフォルクスのもとまで走れ!」
「うん…分かった!」
セネリオの了承をもらい、シノンは単身フォルクスのもとへ走っていく。
「スクルド、お前は今の話を他の奴らに伝えてくれ」
「わ、分かりました!」
「ハノン、お前はなるべく派手に戦え。お前の存在を鼓舞することで、シノンへのカモフラージュになる」
「みゅう!」
セネリオの指示に従い、スクルドとハノンもまたそれぞれ動き出した。
「はは、ははは、はははははははははははは!!」
フォルクスは、魔物の後方に隠れながら高笑いをしていた。
彼は、魔物の後ろで譜術による援護攻撃をしながら、魔物が減ってくるとまた新たに別の魔物を呼び出して消耗戦を行っていた。
「漆黒のセネリオ、貴様を倒して、この私が新たな六神将となるのです!」
そしてやはり、セネリオには多くの魔物を投入していた。
彼がもっとも厄介な敵であることは、明らかであるし、なによりセネリオは自分の六神将加入を妨げることになりかねない障害なのだ。
(他の奴らもこちらにはやってきてないですね…仮面の男も、チビの男も、斧女も、ファブレの令嬢も姿は発見できていますし、例の少女の操るチーグルも向こうの方で戦ってます)
いくらこれだけの魔物を投入しようと、自分自身が倒されてしまっては意味がない。
故に、敵がどこにいるかはしっかりと把握しておく必要がある。
(ふふふ…どいつもこいつも、みな疲れが見え始めていますね。このままいけば…この私の完全勝利です)
しかしフォルクスは、一つ見落としていた。
というより、チーグルの存在を確認した時点で、そのパートナーも近くにいると考え込んでしまっていたのが彼の詰めの甘さであった。
「焔!」
「な!?」
炎を纏ったナイフが、フォルクスのもとに飛んでくる。
フォルクスは、驚きつつも咄嗟にそれを回避する。
そして、攻撃が放たれた方向を振り向いた。
「また会ったね」
そこにいたのは、魔獣使いの少女、シノンであった。
「な、何故あなたがここに!?だって、チーグルは先ほどからあそこで…」
そこまで言ったところで、フォルクスはハッとする。
シノンのそばには、チーグルがおらず、一人だけであった。
「一人でここまで来たのですか」
「うん、これ以上、あなたの呪縛に捕らわれた魔物達と戦いたくないからね。あなたを倒して…それで戦いを終わらせる!」
「ふん、小娘が単身私に挑みに来たことは褒めてあげましょう。その無謀さに敬意を表して、この【道化のフォルクス】自ら、引導を渡してあげましょう!」
アルセリアの攻撃が、魔物の内の一体に叩きつけられる。
「ノクターナルライト!」
「ツインバレット!」
そこへ、シノンの数本のナイフとミステリアスの銃弾の雨が降り注がれ、モンスターは息絶える。
「臥竜空破!」
また別の場所では、クノンのアッパーにより魔物が空中に高く打ち上げられる。
「とどめです!デルタレイ!」
打ち上げられた魔物にスクルドの譜術による光弾が放たれ、魔物は光弾に貫かれて動かなくなった。
「オッケーだよ、御令嬢♪ソノチョーシ♪」
「は、はい!」
スクルドは不慣れな戦闘ながら、時に回復、時に譜術を放ちながら懸命に戦闘のサポートをしていた。
「ち…魔神剣!月閃虚崩!」
そんな中、一番苦戦しているのはセネリオだった。
とにかく、襲ってくる魔物が多すぎるのだ。
(フォルクスの奴…俺に戦力を多く割いてきてるな。このままでは、奴のもとに辿り着けん…!)
「ブランディス!」
「フォトン!」
魔物の大群を相手するセネリオのもとに、シノンとスクルドが救援にやって来る。
「大丈夫ですか、セネリオさん!?」
スクルドがセネリオに心配そうに声をかけてくる。
「俺なら無事だ。…だが、このまま魔物を倒し続けていても、キリがないな」
「ねえ、セネセネ」
シノンが、セネリオに声をかけてくる。
「この魔物、フォルクスがいる限り、たぶんいつまでたっても増え続けるよね?」
「ああ、奴を倒さない限り、おそらくこの戦いは終わらない」
「そっか…」
セネリオの話を聞き、シノンは腕を組んでしばらく考え込むと、
「…分かった。それじゃあ、私がフォルクスを倒すよ」
「…何?」
「セネセネは、マークされてるからフォルクスのとこに行きたくてもいけないんでしょ?だったら、私がやる!」
「だが…」
「大丈夫!また前みたいなことにならないように、ハノンは置いていくから!」
「みゅみゅ!?」
置いていくというシノンの言葉に、ハノンは驚愕の表情を見せる。
「みゅう…」
「ハノン、ごめんね。だけど、またあの時みたいに、ハノンを傷つけることになるのだけは、嫌だから…」
「みゅうう」
ハノンは納得しきっていない様子だったが、指示に従いシノンの肩から降りた。
その様子を魔物と戦いつつもじっと見ながら、セネリオが口を開く。
「…やむを得ない、か。シノン、フォルクスのことはお前に任せた」
「セネセネ!」
「フォルクスのもとまでの道は、俺達が開く!お前はフォルクスのもとまで走れ!」
「うん…分かった!」
セネリオの了承をもらい、シノンは単身フォルクスのもとへ走っていく。
「スクルド、お前は今の話を他の奴らに伝えてくれ」
「わ、分かりました!」
「ハノン、お前はなるべく派手に戦え。お前の存在を鼓舞することで、シノンへのカモフラージュになる」
「みゅう!」
セネリオの指示に従い、スクルドとハノンもまたそれぞれ動き出した。
「はは、ははは、はははははははははははは!!」
フォルクスは、魔物の後方に隠れながら高笑いをしていた。
彼は、魔物の後ろで譜術による援護攻撃をしながら、魔物が減ってくるとまた新たに別の魔物を呼び出して消耗戦を行っていた。
「漆黒のセネリオ、貴様を倒して、この私が新たな六神将となるのです!」
そしてやはり、セネリオには多くの魔物を投入していた。
彼がもっとも厄介な敵であることは、明らかであるし、なによりセネリオは自分の六神将加入を妨げることになりかねない障害なのだ。
(他の奴らもこちらにはやってきてないですね…仮面の男も、チビの男も、斧女も、ファブレの令嬢も姿は発見できていますし、例の少女の操るチーグルも向こうの方で戦ってます)
いくらこれだけの魔物を投入しようと、自分自身が倒されてしまっては意味がない。
故に、敵がどこにいるかはしっかりと把握しておく必要がある。
(ふふふ…どいつもこいつも、みな疲れが見え始めていますね。このままいけば…この私の完全勝利です)
しかしフォルクスは、一つ見落としていた。
というより、チーグルの存在を確認した時点で、そのパートナーも近くにいると考え込んでしまっていたのが彼の詰めの甘さであった。
「焔!」
「な!?」
炎を纏ったナイフが、フォルクスのもとに飛んでくる。
フォルクスは、驚きつつも咄嗟にそれを回避する。
そして、攻撃が放たれた方向を振り向いた。
「また会ったね」
そこにいたのは、魔獣使いの少女、シノンであった。
「な、何故あなたがここに!?だって、チーグルは先ほどからあそこで…」
そこまで言ったところで、フォルクスはハッとする。
シノンのそばには、チーグルがおらず、一人だけであった。
「一人でここまで来たのですか」
「うん、これ以上、あなたの呪縛に捕らわれた魔物達と戦いたくないからね。あなたを倒して…それで戦いを終わらせる!」
「ふん、小娘が単身私に挑みに来たことは褒めてあげましょう。その無謀さに敬意を表して、この【道化のフォルクス】自ら、引導を渡してあげましょう!」
■作者メッセージ
フォルクスはセネリオに倒させようかと思ったけど、どう考えてもセネリオの圧勝感あるので、因縁深い彼女とのタイマンにすることにしました
別に自キャラのシノンを贔屓してるわけじゃない……たぶん
別に自キャラのシノンを贔屓してるわけじゃない……たぶん