第1章『旅立ち』 2
レイノスは途中で出会う使用人と、あいさつを交わしながら小走りでスクルドの部屋に向かって行く。
スクルドはレイノスの妹で、一歳しか歳は変わらず口喧嘩はするものの、とても仲の良い兄弟だ。そして、レイノスはスクルドの部屋の扉をノックし、スクルドの返事を待たずに扉を開けた。
そこにはティアと同じ髪型と色、そして母親譲りのグラマラスなスタイルの少女がベットに腰掛けて読書をしていた。
その少女が、レイノスの妹であるスクルド・フォン・ファブレだ
「もう、返事もしてないのに入って来ないで」
「別にいいだろ、それより朝食だってよ」
スクルドは突然扉が開いたことにビクッと身を震わせた。
そして、少し怒ったような表情を浮かべながらレイノスに文句を言った。
だが、レイノスは悪びれる様子もなく用件を告げる。
スクルドはそんな兄に心底呆れたような溜息を聞こえんばかりに吐く。
「分かった。じゃあ行きましょ……」
スクルドは本を閉じて、ベットから立ち上がると窓際に歩いていき、カーテンを閉めようとする。
だが、カーテンを閉めようとしたスクルドの視界に、こちらを睨みつけるような視線を送る漆黒の服を身にまとった者の人影が飛び込んできた。
スクルドは短い悲鳴を上げ、すぐに窓から離れた。
「おい、どうしたんだよ?」
「窓の外に人影が、この部屋を睨むように見てたの……」
突然悲鳴を上げたスクルドに、レイノスは駆け寄って何があったのか訊ねてみる。
そして、スクルドの話を聞き、窓を開けて身を乗り出してみるが…
「おい、そんな奴いないぞ……」
「えっ、本当?」
「ああ、こっちに来てみろよ」
スクルドは少しだけおびえたようにしながら、窓の外に視線を送る。
しかし、レイノスの言うようにスクルドが先ほど見たような人影は全くない。
「目の錯覚だろ、さっさとメシ食いに行こうぜ」
「うん、そうだね……」
レイノスはカーテンを閉めるとこの話題を打ち切り、朝食を食べに行こうとスクルドを促す。
スクルドは小さく首を傾げながら、レイノスに促されるまま部屋を後にした。
「そういえばお兄ちゃん、今日はガイさんとリンさんが来るんだよ」
「えっ、マジかよ!?」
二人は毎日食事をとっている応接室に向かう。
その途中、スクルドが思い出したようにレイノスへと話題を投げかけた。
ガイは言わずと知れたルークの親友でやはり同じく英雄の一人、ガイラルディア・ガラン・ガルディオスだ。
そしてリンとはガイの娘で、名をリンディス・ガラン・ガルディオスという。
レイノスと同い年で、親同士の交流があるため、レイノスとリンは幼馴染といった間柄だ。
「ガイさんが来るのか、それは楽しみだな」
「どうして?
「ガイさんは親父と違って真面目に稽古をつけてくれるからな……」
「な〜んだ、私はてっきりリンさんを連れてくるから楽しみなのかと」
「なっ、違うっての、リンは関係ねぇよ!」
スクルドにからかわれて、レイノスは少し顔を赤くしながらスクルドの言葉を否定する。
その声は廊下中に響き渡る勢いだった。
「なんだ、レイノスは私に会いたくないんだ〜」
「別にそんなことは言って……って、うわっ!!」
背後から聞こえてくる女性の声。
レイノスはとっさにその声に答えはしたが、その聞きなれた声の報を振り返ると驚きのあまり飛び上がってしまった。
「おはようレイノス、スクルド。久しぶりね」
「リン、お前いつの間に」
「リンさん、おはようございます」
そう、レイノスの背後に立っていた声の主、肩にかかるほどのセミロングの金髪にきれいな顔立ちをした少女
その少女こそ、ガイの娘でレイノスの幼馴染リンディスだ
「さっきバチカルに到着したの、二人ともルークさんもティアさんも待ってるよ、急ごう」
リンは何事もなかったようにレイノスの問いに答えると、レイノスとスクルドの肩を軽く押して、急ぐようにと促した。
スキット「会いたかった?」
リン「ねえ、レイノス?」
レイノス「なんだよ?」
リン「私に会いたくなかったの?」
レイノス「だから、別にそんなことはないって言っただろ」
リン「じゃあ、逆に私に会いたかった?」
レイノス「べ、別に!」
リン「私は会いたかったのに……」
レイノス「はぁ、何か言ったか?」
リン「なんでもない……」
スキット「もう一つの幼馴染」
スクルド「まったくもう、お兄ちゃんたら…ごめんねリンさん、うちの兄が失礼なこと言っちゃって」
リン「う、ううん、別に気にしてなんか…」
スクルド「…前から思ってましたけど、リンさんはもっと積極的に押していくべきだと思います」
リン「せ、積極的に……?」
スクルド「はい!もっと好きだってアピールを、ぐいぐいとしていくべきですよ!」
リン「無理無理無理無理!!ていうか私は別に、レイノスのこと…」
スクルド「(はあ…お兄ちゃんもリンさんもどうしてこんなに奥手なのかなあ…)」
スクルドはレイノスの妹で、一歳しか歳は変わらず口喧嘩はするものの、とても仲の良い兄弟だ。そして、レイノスはスクルドの部屋の扉をノックし、スクルドの返事を待たずに扉を開けた。
そこにはティアと同じ髪型と色、そして母親譲りのグラマラスなスタイルの少女がベットに腰掛けて読書をしていた。
その少女が、レイノスの妹であるスクルド・フォン・ファブレだ
「もう、返事もしてないのに入って来ないで」
「別にいいだろ、それより朝食だってよ」
スクルドは突然扉が開いたことにビクッと身を震わせた。
そして、少し怒ったような表情を浮かべながらレイノスに文句を言った。
だが、レイノスは悪びれる様子もなく用件を告げる。
スクルドはそんな兄に心底呆れたような溜息を聞こえんばかりに吐く。
「分かった。じゃあ行きましょ……」
スクルドは本を閉じて、ベットから立ち上がると窓際に歩いていき、カーテンを閉めようとする。
だが、カーテンを閉めようとしたスクルドの視界に、こちらを睨みつけるような視線を送る漆黒の服を身にまとった者の人影が飛び込んできた。
スクルドは短い悲鳴を上げ、すぐに窓から離れた。
「おい、どうしたんだよ?」
「窓の外に人影が、この部屋を睨むように見てたの……」
突然悲鳴を上げたスクルドに、レイノスは駆け寄って何があったのか訊ねてみる。
そして、スクルドの話を聞き、窓を開けて身を乗り出してみるが…
「おい、そんな奴いないぞ……」
「えっ、本当?」
「ああ、こっちに来てみろよ」
スクルドは少しだけおびえたようにしながら、窓の外に視線を送る。
しかし、レイノスの言うようにスクルドが先ほど見たような人影は全くない。
「目の錯覚だろ、さっさとメシ食いに行こうぜ」
「うん、そうだね……」
レイノスはカーテンを閉めるとこの話題を打ち切り、朝食を食べに行こうとスクルドを促す。
スクルドは小さく首を傾げながら、レイノスに促されるまま部屋を後にした。
「そういえばお兄ちゃん、今日はガイさんとリンさんが来るんだよ」
「えっ、マジかよ!?」
二人は毎日食事をとっている応接室に向かう。
その途中、スクルドが思い出したようにレイノスへと話題を投げかけた。
ガイは言わずと知れたルークの親友でやはり同じく英雄の一人、ガイラルディア・ガラン・ガルディオスだ。
そしてリンとはガイの娘で、名をリンディス・ガラン・ガルディオスという。
レイノスと同い年で、親同士の交流があるため、レイノスとリンは幼馴染といった間柄だ。
「ガイさんが来るのか、それは楽しみだな」
「どうして?
「ガイさんは親父と違って真面目に稽古をつけてくれるからな……」
「な〜んだ、私はてっきりリンさんを連れてくるから楽しみなのかと」
「なっ、違うっての、リンは関係ねぇよ!」
スクルドにからかわれて、レイノスは少し顔を赤くしながらスクルドの言葉を否定する。
その声は廊下中に響き渡る勢いだった。
「なんだ、レイノスは私に会いたくないんだ〜」
「別にそんなことは言って……って、うわっ!!」
背後から聞こえてくる女性の声。
レイノスはとっさにその声に答えはしたが、その聞きなれた声の報を振り返ると驚きのあまり飛び上がってしまった。
「おはようレイノス、スクルド。久しぶりね」
「リン、お前いつの間に」
「リンさん、おはようございます」
そう、レイノスの背後に立っていた声の主、肩にかかるほどのセミロングの金髪にきれいな顔立ちをした少女
その少女こそ、ガイの娘でレイノスの幼馴染リンディスだ
「さっきバチカルに到着したの、二人ともルークさんもティアさんも待ってるよ、急ごう」
リンは何事もなかったようにレイノスの問いに答えると、レイノスとスクルドの肩を軽く押して、急ぐようにと促した。
スキット「会いたかった?」
リン「ねえ、レイノス?」
レイノス「なんだよ?」
リン「私に会いたくなかったの?」
レイノス「だから、別にそんなことはないって言っただろ」
リン「じゃあ、逆に私に会いたかった?」
レイノス「べ、別に!」
リン「私は会いたかったのに……」
レイノス「はぁ、何か言ったか?」
リン「なんでもない……」
スキット「もう一つの幼馴染」
スクルド「まったくもう、お兄ちゃんたら…ごめんねリンさん、うちの兄が失礼なこと言っちゃって」
リン「う、ううん、別に気にしてなんか…」
スクルド「…前から思ってましたけど、リンさんはもっと積極的に押していくべきだと思います」
リン「せ、積極的に……?」
スクルド「はい!もっと好きだってアピールを、ぐいぐいとしていくべきですよ!」
リン「無理無理無理無理!!ていうか私は別に、レイノスのこと…」
スクルド「(はあ…お兄ちゃんもリンさんもどうしてこんなに奥手なのかなあ…)」
■作者メッセージ
第2話、スクルドとリンが登場です!
ちなみに2つ目のスキットは自分がオリジナルで新たに作ったやつです
ノートに書き留めた分の投下が終了したら、スキットのオリジナル傾向が強くなっていくだろうなあ…
ちなみに2つ目のスキットは自分がオリジナルで新たに作ったやつです
ノートに書き留めた分の投下が終了したら、スキットのオリジナル傾向が強くなっていくだろうなあ…