第2章『シェリダンの兎』 3
シェリダンのはずれで三人はクノンを待っている。
すると、あまり時間が経たずに手荷物を持ったクノンがやって来た。
とりあえず、三人は軽く挨拶をしてシェリダンを後にした。
「なあ、街も出たことだし一つ聞いてイい?」
シェリダンを出て、周りに人がいないことを確認すると、クノンが真っ先に進行を止めて三人に問いかけた。
「なんで、元六神将の漆黒のセネリオがいるの?」
クノンの質問にレイノスとリンはギクッとした表情で顔をこわばらせる。
当のセネリオはクノンの質問にはあ、と溜息をつくと口を開いた。
「やはり、さっき漆黒と呼んだのは気づいていたからか…」
「まぁね、あの街の人はほとんど気づかなかっタみたいだけどね」
こうなっては説明しないわけにはいかない。
セネリオはクノンに事情を説明する。
「現総長のクラノスが何か企んでテ、ファブレ公爵の娘の誘拐にも一枚噛んデるねぇ〜」
セネリオの説明を聞いたクノンはやはり半信半疑といった感じだった。
クラノスは世界的に信頼を受けるオラクルのトップなのだ、無理もない。
「まあ、そこらへんの事情はどうでもイいや!それより次はどコへ行くの?」
が、クノンはあまり気にした風でもなく次の行き先をレイノスに訊ねた。
「そうだなあ、とりあえずスクルドをさらった集団の情報が知りたいな」
「そうなってくると情報を仕入れるならダアトが一番近いけど……」
まだ行き先など決めてなかったレイノスは情報が得たいと言い出す。
するとリンは情報を得るのならダアトが一番近いと告げるが、セネリオのことを気にして彼に視線を送る。
セネリオはオラクルから指名手配を受けている人物だ。
のこのことダアトに向かうのは自殺行為であろう。
「変装でもすれば大丈夫だろ」
「オイ、そんな簡単な……」
「よし、次の目的地はダアトに決定!!」
ダアトへ行くことに乗り気ではない様子のセネリオ。
だが、そんなセネリオにレイノスは変装するという単純な策を自信たっぷりで言う。
セネリオはそんな単純な作戦を否定しようとしたが、レイノスはかなり強引に次の行き先をダアトに決めた。
セネリオはレイノスに呆れながらも、何も言わずに変装作戦を承諾した。
「じゃあ、シェリダン港に戻って船でダアトね。セネリオの変装用の道具は港で揃えましょ」
「あぁ………」
目的地が決まると、リンがダアトまでの道順を告げる。
セネリオの変装道具は港で買うことになり。セネリオは諦めたように投げやりな返事をした。
こうして、一行はシェリダン港に向かう。
しかし、その途中轟音を立てる音機関が四人に接近してきた。
「よう糞ウサギ、旅に出るらしいな」
「よう蛆虫♪」
「なんだとこの糞ウサギ!!」
その自動で動く馬車の荷台のような音機関に乗っていたのは先ほどクノンを追い掛け回していたオーズだった。
オーズの登場にクノンは笑顔で暴言を吐き、それに対してオーズは怒りをあらわにする。
「まあいい…お前等これからどこ行くんだ?」
「とりあえず、シェリダン港♪」
「そうか、じゃあ乗ってけよ。オレもシェリダン港に行くんだ」
オーズは怒りを鎮めると、クノンにこれからの行き先を訊ねた。
そして、一行の目的地が港であると知ると、一行を音機関の乗り物に乗って行くように薦めてきた。
これに乗れば、魔物との戦闘は避けられそうだ。
「お坊ちゃまにお嬢様、止めトいた方がいいよ♪」
レイノスとリンは目の前の面白い音機関への興味と、魔物との戦闘の回避という利点から喜んで乗り込もうとする。
だが、そんな二人にクノンは意地の悪そうな笑みを浮かべて静止の声をかけた。
「この蛆虫の作った音機関に乗るなんて自殺行為に等しいゾ」
「ああ、今回のは史上最高の出来だぞ!」
「それ耳が腐るほど聞いたケど、成功作なんてアったかな?」
クノンの口ぶりからして、どうやらオーズの音機関はとても危険なものらしい。
だが、オーズの方は自信満々である。
「まあ、とにかくものは試しだ!乗ってみ…」
プスプスプスプスプスプスプスプス……
レイノス達を音機関に乗せようとするオーズ。
しかし、そんな彼の言葉を遮る音がどこからかしてくる。
「ん?……」
異変に気づいたオーズは怪訝そうな表情となる。
音源はオーズの音機関乗り物からだった。
白い煙も吐いている。
ブロンブロンブロンブロン!!
「うわっ!!」
音は激しくなると、オーズの音機関はオーズを乗せたままどこかへ走って行った。
「うわあああああああああ……」
絶叫しながら遠くの方へと走っていく音機関。
それを、一行は呆然と見ていた。
「にゃはははははは!言わんこっチャ………!?」
そんなオーズを大笑いするクノン。
だが、その言葉は途中で途切れた。
セネリオは、オーズが去った方向を見ながらクノンに訊ねる。
「おいクノン、オーズが向かった先は…」
「うン、メジオラ高原。素人が近づくのは危なイ場所だよ…」
セネリオの言葉に返答するクノンの表情は、先ほどまでの子供っぽいものだはなく、神妙な表情を顔つきだった。
「大変だ!オーズさんが危ない!」
「急いでメジオラ高原に向かいましょ!」
二人の会話で事態を察知したレイノスとリンは急いでオーズを助けに行こうと言う。
たとえスクルドを取り戻すという目的があるとしても、目の前の危ない人を放っておくことなどできない。
セネリオとクノンも二人の言葉に了解し、一行はオーズを助けるためメジオラ高原へと向かう事となった。
スキット「オーズの発明」
クノン「まったくあの蛆虫、しょうがなイな」
リン「…もしかしてオーズさん、いつもあんな失敗を?」
クノン「成功したとこなンて見たことない♪」
レイノス「そんなに失敗してピンピンしてるなんてすげえなあ…」
セネリオ「おしゃべりはそこまでだ、メジオラ高原は危険なところだ。急ぐぞ」
すると、あまり時間が経たずに手荷物を持ったクノンがやって来た。
とりあえず、三人は軽く挨拶をしてシェリダンを後にした。
「なあ、街も出たことだし一つ聞いてイい?」
シェリダンを出て、周りに人がいないことを確認すると、クノンが真っ先に進行を止めて三人に問いかけた。
「なんで、元六神将の漆黒のセネリオがいるの?」
クノンの質問にレイノスとリンはギクッとした表情で顔をこわばらせる。
当のセネリオはクノンの質問にはあ、と溜息をつくと口を開いた。
「やはり、さっき漆黒と呼んだのは気づいていたからか…」
「まぁね、あの街の人はほとんど気づかなかっタみたいだけどね」
こうなっては説明しないわけにはいかない。
セネリオはクノンに事情を説明する。
「現総長のクラノスが何か企んでテ、ファブレ公爵の娘の誘拐にも一枚噛んデるねぇ〜」
セネリオの説明を聞いたクノンはやはり半信半疑といった感じだった。
クラノスは世界的に信頼を受けるオラクルのトップなのだ、無理もない。
「まあ、そこらへんの事情はどうでもイいや!それより次はどコへ行くの?」
が、クノンはあまり気にした風でもなく次の行き先をレイノスに訊ねた。
「そうだなあ、とりあえずスクルドをさらった集団の情報が知りたいな」
「そうなってくると情報を仕入れるならダアトが一番近いけど……」
まだ行き先など決めてなかったレイノスは情報が得たいと言い出す。
するとリンは情報を得るのならダアトが一番近いと告げるが、セネリオのことを気にして彼に視線を送る。
セネリオはオラクルから指名手配を受けている人物だ。
のこのことダアトに向かうのは自殺行為であろう。
「変装でもすれば大丈夫だろ」
「オイ、そんな簡単な……」
「よし、次の目的地はダアトに決定!!」
ダアトへ行くことに乗り気ではない様子のセネリオ。
だが、そんなセネリオにレイノスは変装するという単純な策を自信たっぷりで言う。
セネリオはそんな単純な作戦を否定しようとしたが、レイノスはかなり強引に次の行き先をダアトに決めた。
セネリオはレイノスに呆れながらも、何も言わずに変装作戦を承諾した。
「じゃあ、シェリダン港に戻って船でダアトね。セネリオの変装用の道具は港で揃えましょ」
「あぁ………」
目的地が決まると、リンがダアトまでの道順を告げる。
セネリオの変装道具は港で買うことになり。セネリオは諦めたように投げやりな返事をした。
こうして、一行はシェリダン港に向かう。
しかし、その途中轟音を立てる音機関が四人に接近してきた。
「よう糞ウサギ、旅に出るらしいな」
「よう蛆虫♪」
「なんだとこの糞ウサギ!!」
その自動で動く馬車の荷台のような音機関に乗っていたのは先ほどクノンを追い掛け回していたオーズだった。
オーズの登場にクノンは笑顔で暴言を吐き、それに対してオーズは怒りをあらわにする。
「まあいい…お前等これからどこ行くんだ?」
「とりあえず、シェリダン港♪」
「そうか、じゃあ乗ってけよ。オレもシェリダン港に行くんだ」
オーズは怒りを鎮めると、クノンにこれからの行き先を訊ねた。
そして、一行の目的地が港であると知ると、一行を音機関の乗り物に乗って行くように薦めてきた。
これに乗れば、魔物との戦闘は避けられそうだ。
「お坊ちゃまにお嬢様、止めトいた方がいいよ♪」
レイノスとリンは目の前の面白い音機関への興味と、魔物との戦闘の回避という利点から喜んで乗り込もうとする。
だが、そんな二人にクノンは意地の悪そうな笑みを浮かべて静止の声をかけた。
「この蛆虫の作った音機関に乗るなんて自殺行為に等しいゾ」
「ああ、今回のは史上最高の出来だぞ!」
「それ耳が腐るほど聞いたケど、成功作なんてアったかな?」
クノンの口ぶりからして、どうやらオーズの音機関はとても危険なものらしい。
だが、オーズの方は自信満々である。
「まあ、とにかくものは試しだ!乗ってみ…」
プスプスプスプスプスプスプスプス……
レイノス達を音機関に乗せようとするオーズ。
しかし、そんな彼の言葉を遮る音がどこからかしてくる。
「ん?……」
異変に気づいたオーズは怪訝そうな表情となる。
音源はオーズの音機関乗り物からだった。
白い煙も吐いている。
ブロンブロンブロンブロン!!
「うわっ!!」
音は激しくなると、オーズの音機関はオーズを乗せたままどこかへ走って行った。
「うわあああああああああ……」
絶叫しながら遠くの方へと走っていく音機関。
それを、一行は呆然と見ていた。
「にゃはははははは!言わんこっチャ………!?」
そんなオーズを大笑いするクノン。
だが、その言葉は途中で途切れた。
セネリオは、オーズが去った方向を見ながらクノンに訊ねる。
「おいクノン、オーズが向かった先は…」
「うン、メジオラ高原。素人が近づくのは危なイ場所だよ…」
セネリオの言葉に返答するクノンの表情は、先ほどまでの子供っぽいものだはなく、神妙な表情を顔つきだった。
「大変だ!オーズさんが危ない!」
「急いでメジオラ高原に向かいましょ!」
二人の会話で事態を察知したレイノスとリンは急いでオーズを助けに行こうと言う。
たとえスクルドを取り戻すという目的があるとしても、目の前の危ない人を放っておくことなどできない。
セネリオとクノンも二人の言葉に了解し、一行はオーズを助けるためメジオラ高原へと向かう事となった。
スキット「オーズの発明」
クノン「まったくあの蛆虫、しょうがなイな」
リン「…もしかしてオーズさん、いつもあんな失敗を?」
クノン「成功したとこなンて見たことない♪」
レイノス「そんなに失敗してピンピンしてるなんてすげえなあ…」
セネリオ「おしゃべりはそこまでだ、メジオラ高原は危険なところだ。急ぐぞ」
■作者メッセージ
さて、投下完了。
この回の途中までがノートに書き残してた部分です
つまりこっからはノートに頼らず独自に作っていかないといけない…
ボス戦もすぐにあるし、とりあえず4人の術技設定をはっきり決めないといけないなあ
この回の途中までがノートに書き残してた部分です
つまりこっからはノートに頼らず独自に作っていかないといけない…
ボス戦もすぐにあるし、とりあえず4人の術技設定をはっきり決めないといけないなあ