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キングダムハーツ【Five・Blade/短編集】

レイラ

INDEX

  • あらすじ
  • 01 “運命”の日
  • 02 君を守るから
  • 03 恋愛相談
  • 04 アイスの思い出
  • 05 相棒と過ごす日
  • 06 お楽しみは取っておくもの
  • 07 外伝:キーブレードのゆうしゃクロナ『1』
  • 08 イメージネタで困惑!?その1
  • 09 イメージネタで困惑!?その2
  • 10 戦線離脱の後
  • 11 突然の来傍者
  • 12 プロメッサの頼み
  • 13 (お知らせ)主役はお前らだけじゃないんだぜ!(新作発表)
  • 14 激突!クイズバトル!ルール説明
  • 15 激突!クイズバトル!第一回戦@前半
  • 16 激突!クイズバトル!第一回戦@後半
  • 17 激突!クイズバトル!第一回戦A前半
  • 18 クリスマス&鈴神誕生日特別記念
  • 19 天然巫女の誕生祝祭(予告)
  • 20 天然巫女の誕生祝祭【奇跡を起こせるなら、涙を止めて】
  • 21 天然巫女の誕生祝祭【ANOTHER】
  • 22 風光の勇者の誕生祝祭【平行世界の存在との出逢い】
  • 23 生存報告&ちょっとした変更
  • 24 七夕編 【まさに外道なスペシャル回】
  • 25 宿題が、終わらないっ!?
  • 恋愛相談



    その日クロナはカイリに呼び出され、デスティニーアイランドの海岸で彼女と話をしていた。現在時刻は午前7時であるため、辺りに人は少なく、実質クロナとカイリの二人だけだ。

    「ごめんねクロナさん、こんな早くに呼び出して」
    「良いよ、私も早くに起きてたから」

    一見いつも通りの笑顔に見えるカイリの表情だが、何処か不安げな瞳をしており、何処か落ち着かない様子だ。

    「実は、相談があるの。その……ソラの事で」

    クロナや俺どころか大体の仲間は知っている事だが、カイリは片想いをしている。しかしその相手はよりによって鈍感王子で名高いソラ。ソラは友情や絆、心の繋がりを大切にする少年だが、素直になれないのかそれとも本当に気がつかないのか、恋愛に関してはかなり鈍感となる。そのせいで素直だろうがそうじゃ無かろうが鈍感王子と言う愛称がつけられてしまった。もちろんこの愛称はソラには知られていない。

    「恋愛相談?それって……私に?」
    「うん、女友達として」
    「出来れば、“恋愛の先輩”として頼って欲しかったなぁ」
    「そうそう」
    「わっ!」

    二人が海岸にいたのが見えたのでクロナの台詞に合わせて彼女の隣まで来ていた。その為カイリは驚いていたが、すぐに先程の言葉の意味を納得した。

    「レイ……クロナさん……まさか!?」
    「うん、俺達もうそう言う中です」

    自分でもわからないが何故か敬語で話し、クロナもそれに笑顔で頷いた。

    「驚いた?」
    「いや、何となく予想はついてたから…」
    「そう?だってレイ君」
    「ふーん、で…何の話してたの?」

    俺は途中から来た為二人がどのようにしてここへ来てどんな話をしていたのか知らないので話を聞いてみると、どうやら昨日の夜クロナの携帯にカイリからメールがあり、今日のこの時間帯に重要な話があると言われ今に至るらしい。そしてその重要な話とはカイリの恋愛相談だった。

    「なるほどね、確かにソラは難しいかな…」
    「確かに鈍感王子だからね……あっ」
    「どうしたクロナ?」
    「レイ君、カイリさんの長所をひたすら言って!」
    「へ?」

    突然クロナが意味不明な事を言い出した。やっと恋人となったと言うのに彼女は俺に何をさせたいのだろうか。その答えはすぐにクロナの口から語られた。

    「だってレイ君、鈍感な所以外はほぼソラ君と似てるからね、レイ君で実験する」
    「あっ、確かに!それ良いかも」
    「あのさぁお二人さん?確かに似てるのは言われた事あるけど、完全に同じと言う訳じゃ無いよ……?」
    「もうレイ君!そう言わずにほら!」

    クロナに急かされ、俺はふとカイリに目をやった。カイリの長所をひたすら言えと突然言われてもイマイチピンと来ないが、頑張って彼女の長所を絞り出した。

    「まず……目の色が綺麗な所かな。それと服装のセンスも良い気がする。性格面では優しくて友達想い。まあ、俺が挙げるとしたらこのくらいかな…?」
    「……凄いレイ君!私も丁度そう思ってたんだ〜!」

    気が合うと言うか何と言うか、だったら最初から提案するなと言うべき場面なのだろうが、何故か自然とそんな気になれなかった。クロナのあの笑顔を見ていると自然とこっちも幸せな気持ちになってくる。それはソラに想いを寄せるカイリも同様だろう。

    「それで、その長所をどうすれば良いの?」
    「そうね……いっそ思いきって服装変えてみたら?」
    「となるとどうなんの?」
    「レイ君良い質問だよ!カイリさんって普段は結構露出度高めじゃない?だからあえてそれを逆にして、ソラ君を驚かせるのよ」
    「ギャップで勝負か!確かにそれ行けそう!」

    確かにカイリの服装は冷静に考えてみたら露出度が高かった。どれだけ押さえようとも少なくとも肩は出している服装で、制服の際も袖を捲っていた。いくらデスティニーアイランドが暑い世界でも流石にカイリの服装は目立つだろう。それがもし逆となればソラは間違いなく驚くと思われる。

    「……私、これ気に入ってたんだけどな……」

    しかし当の本人は現在の服装が気に入っているようだ。そもそも気に入っていなければしていないか。

    「服装も逆となると……性格とかはどうかな?…ツンデレとか」
    「………」
    「えっ、何か変なこと言っちゃった!?」

    女の子の事は流石によくわからなかった為、成り行きでそれを提案してみた。だがこれが実際に実行される確率ははっきり言って無いものに等しいだろう。通常は。

    「凄いよレイ君っ!それ採用!!」
    「はいいいっ!?」

    しかし何を考えていたのか、クロナは笑顔でそう言った。その上恋愛相談に乗ってもらうはずがほぼおいてけぼりで話を進められているカイリにそれをやらせる気でいるようだ。

    「でもそれ……大丈夫かな?」
    「大丈夫よ!私がしっかりコーディネートしてあげるから!もちろんその時はレイ君来ちゃ駄目だよ?」
    「わ、わかってるよ」

    何か首を突っ込んでは行けないと思い、ソラに想いを寄せる少女とそれを応援する少女を俺はその時ただ見守っていた。

    14/05/27 21:54 レイラ   

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