外伝:キーブレードのゆうしゃクロナ『1』
いつの間にか夢を見ていた、過去の夢を。デスティニーアイランドと呼ばれる南国の一軒に私は今住んでいる。不思議な夢から覚めたのが午前7時。
夢の中で自分の姿を見た。それは後ろ髪が極端に長い紫髪のハーフアップで、透き通るような青色の瞳、自分で言うのもあれだが若干実年齢よりも大人に見える顔つき。すぐに起き上がり呟いた
「朝…ね……」
朝。そう明るい声で呟いた。私はすぐにこの世界で 仕入れた私服に着替えることにした。
その服装は一風変わったデザインであり、簡単に言えば白と水色を基調とした巫女服と言う感覚に近い。だが肩を露出してる辺り完全にそれではない。
突然私のケータイの音がなる。私のケータイは白いスマートフォンで、後ろには紫色のラインで氷の結晶が刻まれている。私はその電話にでる。
「もしもし?」
そして聞こえてくる何時もの声。
「クロナか?今日は祭りが行われる!楽しみだ な!」
電話の相手はダーク。私とダーク、そしてフィ オは今日行われる祭りに一緒に行く約束をしているのだ。ダークの声がワクワクしているのが よくわかる。
「ダーク君も楽しみなんでしょう?」
ダークは少し照れながら『そうだ』と言った。ダークは普段は祭りに行かないのだが、 私達が迷わないか心配で仕方無くついていく事になったのだが、自分自身も緊張してい るらしい。
「それじゃ、また後で会おう!」
私はさっさと電話を切った。私の心は今とてもワクワクしている。私の中の何かが楽しみだと訴えているように思考全てが今日の事だけで埋め尽くされる。
「お待たせー!」
デスティニーアイランドの高台、私達がいつもの場所と呼んでいる場所にたどり着いた。いつも笑顔の私は息切れを知らない。 みんなからはよくそう言われる。
「やっと来たか」
低くてクールな声。先程の電話の相手、ダーク・デスト。藍色の逆立ち頭で、オレンジ色の瞳をしている。若干目付きが悪いが、別に不良と言う訳ではない。私は挨拶代わりとしてウィンクをした。特に理由は無いが、したくなったのである。よくあるよねこう言うの
「クロナ、おはよ!」
私達よりも明らかに身長の低い少年、フィオが言う。黄色がかった茶色のツンツン頭(殆ど金髪)で、真ん中にPと刻まれた水色のバンダナが特徴的な元気ある少年。ダーク同様私の親友である。私達3人はいつもこの場所に集まっては私が作る特製シーソルトアイスを食べて、そのあとに遊ぶのが日課となっている。
「はいこれ」
「フッ」
「ありがとう、クロナ!」
私は二人にシーソルトアイスを手渡し、崖に腰を掛ける。左から、フィオ、私、ダークという感じに並んでいる。
アイスを食べる私達。そう言えばこの世界にもそろそろ慣れてきた気がする。
「そう言えば、クロナ。キーブレードの調子はどうだ?」
「えぇ、更に磨きがかかったわ。見てて!」
私は立ち上がり、かざした右手に一筋の光が走り光の中から鍵の部分が花の女子力の高い黄色のキーブレードが現れ、私の左手はそれを握っている。
「行くよ!」
私はキーブレードを空高くキーブレードを投げた。それは空に黄色い軌跡を描きながら ブーメランのように私の手元に帰ってきた。その軌跡は星の形を空に残した。
「さて、そろそろ俺達もやるぞフィオ」
「OKダーク!」
ダークが右手に力を集中すると、右手に黒い炎が迸り、そこから黒と紫の色をした太刀を出現させた。フィオは両手を広げ、フィオの回りに雷が発生し、雷が2つの銃のような武器、アローガンを生み出しフィオの両手に握られた。二人のこの武器もまたキーブ レードで、キーブレードの通常の姿はブレードと呼ばれており、フィオの武器の姿がアローガン、ダークの武器の姿が太刀と呼ばれている。
「じゃあ、」
「そろそろ、」
「始めましょうか」
そして私達はキーブレードを用いた特訓を始める。