CROSS38【読んで字のごとく青いクマ】
その着ぐるみは少しも動かず、水上に浮いているだ。しかしよく見るとその着ぐるみが生きている事に気がつき、とっさにロングコートを脱ぎ捨て水の中に飛び込んだ。
「ディア、何を!?」
ばた足とクロールを同時に行い、全力で着ぐるみの元まで泳ぐ。完全にごり押しではあるが僅か五秒でたどり着き、およそ十秒で運ぶ事が出来た。
「ディア、どうしたの突然?」
「この着ぐるみ、どうやら生きてるみたいだ」
「えっ?それって中身がいるってこと?」
「そうかもな……それよりこいつを起こそう」
水浸しになった身体拭きをある程度乾かしてから謎の着ぐるみを数回叩くと、意外と簡単に気がついてくれた。
「気がついたか?」
「……ここ、どこクマ?」
「は?」
謎の着ぐるみはあろうことか見た目通り語尾にクマとつけた。
「ここは砂漠だ、でもってお前は何者だ?何故ここにいたんだ?それと何故そんな着ぐるみを着ている?」
「質問が多いクマ!そんなに質問しなくてもしっかり順番に答えるクマよ!!」
見た目とのギャップが激しすぎる声を挙げて着ぐるみは勢いよく立ち上がった。だが、立ち上がったと言うより転がったようにしか見えなかったのだが。そもそも着ぐるみの形が円形なので仕方ないかもしれない
「クマは、クマクマ。実はクマねー、このプリチーなクマ皮を脱ぎ捨てると……!」
突然クマと名乗る着ぐるみの上半分が開き、それこそ蓋の如く上に開いた。その上着ぐるみの中から青い瞳で薄い金髪の少年が出てきた。着ぐるみに見合わない身長は少々変だが、この際どうでもいいだろう。
「中から、こんな風に美少年がポーンと生まれるクマ!」
「う、うん……」
何故着ぐるみの方が自然体っぽいのかわからず、明らかに意味不明なテンションの高さのクマにアスナは少し引いてしまっている。
「で次の質問ね。あれクマの身体の一部なの」
「質問順逆だし……」
何故か二つ目と三つ目の順番が変更されているがクマなりに答えてくれているようなので気にしない事にした。
「それで最後の質問だけど、少し話が長くなるクマ」
「あぁ、構わない。アスナはどうだ?」
「私もOKだよ」
「じゃあ、話すクマね」
するとクマは先程のお気楽な表情を消し、突然神妙な顔になって話を始めた。
「クマはある日クマの仲間とみんなで楽しんでたクマ。けどそんなときちょうど君に似た女の子が不思議な魔物を出して襲ってきたクマよ」
「え?私?」
「そうクマ。君名前は何て言うクマ?」
「名前?アスナだけど……」
「フムフム、アスちゃんクマね……」
「おい、話を続けろ」
話の途中で何故かアスナと親しくなろうとしているクマを静止させ、話を再開させた。
「コホン、でその女の子に襲われた時、突然空におっきなブラックホールみたいなのが現れて、みんな吸い込まれたクマよ。それで目が覚めた時にはとある平原にいたクマ。でもそこにはクマ以外、誰もいなかったクマ。だからみんなを探そうと歩いてたら、いつの間にか砂漠にいたクマ」
「では何故あんな所に浮かんでいた?」
「その先が肝心クマ……暫く歩いていると見るからに怪しい建物が見えて、そこに入ろうとした途端建物の中から人が出てきたクマ。その人は剣を持ってて、クマは戦ったんだけど簡単にやられて、気がついたらアスちゃん達がいたクマ」
「なるほどな……」
クマはこの砂漠にあると言う施設を調べようとした所、そこから出てきた人物にやられ、ここまで吹っ飛ばされてきたと言う予測が今のところ正しいか
「それでクマ、その剣士はどんな姿だったんだ?」
「うーんとね、けっこうプリチーな子だったクマよ?それでクマギャクナンしようと思って声かけたんだけど…」
「ギャクナン……?」
クマの言葉に引いてしまっているアスナはともかく、クマは自身を襲った人物について話を続けた
「確かその子、金髪のポニーテールだったクマね、それに服装は緑色が主体だったと思うクマ。後、背中にちっさな妖精の羽みたいなのがついてたクマ」
「それって……リーファちゃんじゃない!?」
「アスナ、知ってるのか?」
「私達の時空の子でALOって言う別のVRMMOから迷い混んだんだけど、そう言えば彼女もあのとき見かけなかった……でもリーファちゃんがそんなことするはず無い……!」
どうやらクマを襲った犯人であるリーファはアスナの知り合いのようだ。だがアスナ曰く、リーファがそんなことをする訳が無いと言う。ならどうしてクマを襲撃したのだろうか、ましてや刃物を向けるなど普通は初対面の相手にするはずが無い
そんなことを考えていると、突然ハートレス達が現れ、俺達を取り囲んだ。
「くっ、こんな時に!?」
「クマに任せるクマっ!」
戦闘体勢を取ろうとしたその時、クマが突然ハートレス達に向かって駆け出していった。そしてクマは空中から飛来した青いカードを砕き、俺達の出すような聖獣とは似て異なる物を出した。
「カモーン!キントギドウジ!」
クマにより呼び出された不思議な存在、キントギドウジは手に持っていたミサイルのような物を投げつけ、激しい爆発と共にハートレス達は吹き飛び消えた。
「凄い!」
「フッ、やるな」
「どんなもんクマ!」
敵が完全にいなくなった事を確認すると、遠方から誰かがこちらに歩いてくるのが見えた。
「あれは?」
その容姿はクマの言っていたリーファの情報と全て一致していた。
「ディア、何を!?」
ばた足とクロールを同時に行い、全力で着ぐるみの元まで泳ぐ。完全にごり押しではあるが僅か五秒でたどり着き、およそ十秒で運ぶ事が出来た。
「ディア、どうしたの突然?」
「この着ぐるみ、どうやら生きてるみたいだ」
「えっ?それって中身がいるってこと?」
「そうかもな……それよりこいつを起こそう」
水浸しになった身体拭きをある程度乾かしてから謎の着ぐるみを数回叩くと、意外と簡単に気がついてくれた。
「気がついたか?」
「……ここ、どこクマ?」
「は?」
謎の着ぐるみはあろうことか見た目通り語尾にクマとつけた。
「ここは砂漠だ、でもってお前は何者だ?何故ここにいたんだ?それと何故そんな着ぐるみを着ている?」
「質問が多いクマ!そんなに質問しなくてもしっかり順番に答えるクマよ!!」
見た目とのギャップが激しすぎる声を挙げて着ぐるみは勢いよく立ち上がった。だが、立ち上がったと言うより転がったようにしか見えなかったのだが。そもそも着ぐるみの形が円形なので仕方ないかもしれない
「クマは、クマクマ。実はクマねー、このプリチーなクマ皮を脱ぎ捨てると……!」
突然クマと名乗る着ぐるみの上半分が開き、それこそ蓋の如く上に開いた。その上着ぐるみの中から青い瞳で薄い金髪の少年が出てきた。着ぐるみに見合わない身長は少々変だが、この際どうでもいいだろう。
「中から、こんな風に美少年がポーンと生まれるクマ!」
「う、うん……」
何故着ぐるみの方が自然体っぽいのかわからず、明らかに意味不明なテンションの高さのクマにアスナは少し引いてしまっている。
「で次の質問ね。あれクマの身体の一部なの」
「質問順逆だし……」
何故か二つ目と三つ目の順番が変更されているがクマなりに答えてくれているようなので気にしない事にした。
「それで最後の質問だけど、少し話が長くなるクマ」
「あぁ、構わない。アスナはどうだ?」
「私もOKだよ」
「じゃあ、話すクマね」
するとクマは先程のお気楽な表情を消し、突然神妙な顔になって話を始めた。
「クマはある日クマの仲間とみんなで楽しんでたクマ。けどそんなときちょうど君に似た女の子が不思議な魔物を出して襲ってきたクマよ」
「え?私?」
「そうクマ。君名前は何て言うクマ?」
「名前?アスナだけど……」
「フムフム、アスちゃんクマね……」
「おい、話を続けろ」
話の途中で何故かアスナと親しくなろうとしているクマを静止させ、話を再開させた。
「コホン、でその女の子に襲われた時、突然空におっきなブラックホールみたいなのが現れて、みんな吸い込まれたクマよ。それで目が覚めた時にはとある平原にいたクマ。でもそこにはクマ以外、誰もいなかったクマ。だからみんなを探そうと歩いてたら、いつの間にか砂漠にいたクマ」
「では何故あんな所に浮かんでいた?」
「その先が肝心クマ……暫く歩いていると見るからに怪しい建物が見えて、そこに入ろうとした途端建物の中から人が出てきたクマ。その人は剣を持ってて、クマは戦ったんだけど簡単にやられて、気がついたらアスちゃん達がいたクマ」
「なるほどな……」
クマはこの砂漠にあると言う施設を調べようとした所、そこから出てきた人物にやられ、ここまで吹っ飛ばされてきたと言う予測が今のところ正しいか
「それでクマ、その剣士はどんな姿だったんだ?」
「うーんとね、けっこうプリチーな子だったクマよ?それでクマギャクナンしようと思って声かけたんだけど…」
「ギャクナン……?」
クマの言葉に引いてしまっているアスナはともかく、クマは自身を襲った人物について話を続けた
「確かその子、金髪のポニーテールだったクマね、それに服装は緑色が主体だったと思うクマ。後、背中にちっさな妖精の羽みたいなのがついてたクマ」
「それって……リーファちゃんじゃない!?」
「アスナ、知ってるのか?」
「私達の時空の子でALOって言う別のVRMMOから迷い混んだんだけど、そう言えば彼女もあのとき見かけなかった……でもリーファちゃんがそんなことするはず無い……!」
どうやらクマを襲った犯人であるリーファはアスナの知り合いのようだ。だがアスナ曰く、リーファがそんなことをする訳が無いと言う。ならどうしてクマを襲撃したのだろうか、ましてや刃物を向けるなど普通は初対面の相手にするはずが無い
そんなことを考えていると、突然ハートレス達が現れ、俺達を取り囲んだ。
「くっ、こんな時に!?」
「クマに任せるクマっ!」
戦闘体勢を取ろうとしたその時、クマが突然ハートレス達に向かって駆け出していった。そしてクマは空中から飛来した青いカードを砕き、俺達の出すような聖獣とは似て異なる物を出した。
「カモーン!キントギドウジ!」
クマにより呼び出された不思議な存在、キントギドウジは手に持っていたミサイルのような物を投げつけ、激しい爆発と共にハートレス達は吹き飛び消えた。
「凄い!」
「フッ、やるな」
「どんなもんクマ!」
敵が完全にいなくなった事を確認すると、遠方から誰かがこちらに歩いてくるのが見えた。
「あれは?」
その容姿はクマの言っていたリーファの情報と全て一致していた。