CROSS40【時は近づく】
「……そうか、それでやつらをパーティにご招待したと?」
『リーダー、相変わらずお遊びが好きなんですね』
暗黒の城の一室にてシャドウレイとエスナは無線会話をしていた。その際エスナから今回の報告を受けていたのだが、相変わらず彼は遊び混じりの口調である
『はい、すでに準備は整っております』
「フフッ、しっかりお客人をもてなしてやれよ?」
お客人、つまりディアとアスナとクマの事だ。エスナはどのように気が変わったのか、彼らを自らのいるシールボードへと招いた。元々シャドウレイからは近づけるなと言われていてその命令を無視した訳だが、シャドウレイは普段と変わらぬ笑顔でその事態を受け入れた。
「そう言えば試作品は何体出来たのかな?」
『すでに70体は完成しております。この分なら彼らが来るまでにもっと作れるかと……』
「いや、もう偽者を作り出すのは止めておけ。その隙に叩かれてはシャレにならない」
すでに70体を越えているリーファの偽者。つまりディア達の前に現れたのはその内の一体と言う事であり、以前彼らの言っていた実験はすでに成功している。
『了解しました。所で器の方はどのようになっておりますか?』
「あぁ、お嬢様ね。彼女なら丁重にもてなしてますとも!」
『つまり大人しくしてると言う事ですね』
シャドウレイは遊び半分に笑った後、何時も座っている椅子から立ち上がった
「じゃあそろそろ切るよ」
『はい、ではまた』
「健闘を祈る」
その言葉を最後に通信は切れ、シャドウレイは何処かへ去っていった。