CROSS42【頼もしい加勢】
振り向くといつの間にか来た方の扉が開いており、そこに三人ほどの人の姿があった。だが向こう側から差し込む強い光によって見えない。しかし光を背に浴びている三人はこちらの事が見えているようだ
「あ、貴方達は……?」
アスが恐る恐る中心にいる少年に話し掛けると、彼が三歩ほど前に歩き、光の中から姿を現した。
「ダイジョバ、後は任せて」
その少年には見覚えがあった。だが彼の名を叫ぶ間もなくもう一人の少年が背中から剣を引き抜いて他の二人に言った
「みんな、突撃するぞ!!」
「「おうっ!!」」
やがて三人とも完全に姿が見えるようになり、俺達三人とも驚愕した。
「レイ!?」
「キリト君!?」
「ヨヨヨ、ヨースケ!?」
俺達のピンチに駆けつけてくれたレイ、キリト、そして陽介はすでにそれぞれ武器を構えており、敵の群れに突っ込んでいった。
敵陣の前で様子を伺っているレイ達の元に一人の少女が姿を現した。
「敵、ハートレスとシャドウ多数です!」
「えっ!?ユイちゃんまで!?」
ユイと呼ばれた少女は三人の後ろに下がり、敵の分析を開始した。彼女はどうやら鈴神と同じバックアップ向きの能力のようだ。
「了解、みんなー!行くよ!!」
「「おうっ!!」」
レイの号令で他の二人も自信を持って頷いた。まず先に陽介と呼ばれた少年がクマの物に似た青いカードを何処からか飛来させ、それを武器であるクナイで砕いた。
「行くぜ、ジライヤ!!」
あれも恐らくペルソナなのだろう。ジライヤはこの場にとてつもない強風を起こし、たくさんの敵を吹き飛ばした。
「スターバースト……ストリームっ!!」
続いてキリトがその二刀流を生かし敵の集団に向かって超乱舞を開始した。それにより敵はどんどんその数を減らしていく。
「来て、エルシオン!!」
そしてレイが自らの聖獣であるエルシオンを召喚し、その翼で敵を纏めて攻撃した。
三人がそれぞれの大技を決めているにも関わらず敵はまだたくさんいる。
「次はこれだよ!」
キーブレードの矛先を正面に向け、そのまま力をためるとなんとレイが空中に浮いた。そして赤い光が矛先に集まり、それを解き放った。
「ラグナロクRD!!」
大量の赤い光弾は凄いスピードで敵に飛んでいき、確実に蹴散らしていく。
「キリト君、俺のラグナロクRDと君のスターバーストストリームを合わせられないかな?」
「よし……やってみるか!」
レイとキリトが何かを話した後、すぐにレイがラグナロクRDを再び放った。しかしそれは上へ向かって放射しており、何をしているのかわからなかったが、すぐに理由が判明した。
なんとラグナロクRDはキリトの二本の剣に向かって落ちたのだ。しかし剣にダメージはなく、寧ろラグナロクRDの力を纏っていると言う感じだった。そのままキリトはスターバーストストリームを再び放つ。
「うぉぉおおっ!!」
そして、あっという間に敵の数は後30を切った。言うなれば今の技は“スターバーストRD”と言った所だろうか。レイとキリトの得意技による連携攻撃に俺達は驚いていた。
「よしっ、このまま決めるぜ!」
「陽介さん、お兄さんとパパに向かってガルダインの球体を放ってください!」
ユイが何故レイの事をお兄さんと呼び慕っているのかは謎だが、ユイの提案に従い陽介はガルダインをまずキリトに向けて放った。
「パパ、それをお兄さんに打ち返してください!」
「ふっ!」
ユイの指揮により技が繋がっていく。キリトはどうやらユイの狙いがわかっているようでガルダインを力強く打ち返した。
「いっけぇ!!」
そしてレイがまるでプロのバッターの如く勢いのついたガルダインをハートレスやシャドウ達に向けて打った。
「名付けて、“疾風列剣斬”だぜ!」
陽介が今の連携技の名前を言い終わると共に敵は完全に全滅した。何処で知り合ったのかわからないこの三人だがその連携は本物であり、今来たばかりと言うのもあるが俺達よりもスムーズに倒してしまった。
「お見事です!パパ、お兄さん、陽介さん!!」