――前回までのあらすじ。俺達はユイちゃんの提案で所謂交流会をする事になり、そのイベントとしてクマが提案した人狼ゲームと言う物をやっているのだが、この八人の誰か二人が人狼であり、彼らを見抜かねばならない

まず最初にディアがメンバーから離脱しそのままゲームマスターへ、その後会議と投票の結果クマが退場、さらに人狼によりリーファが退場させられたが、その三人がやられた事により俺は一人人狼を見抜く事が出来た

「ちょっと良い？」
「どうしましたか？お兄さん」
「俺……人狼わかっちゃったかもしれない」
「ええっ！？」

俺の言葉で残ったメンバー全員が驚き、特に俺が怪しいと思っている相手は身震いしていた

「まずディアがやられた時は何もわからなかった。それにあのときは俺もクマだと思っていた。だがそのクマがやられた後、リーファがやられた。人狼は一見何も法則性の無い動きで会議を誘導してクマを退場させたんだろうけど、その時点で法則性は生まれていた」
「法則性って？」
「それは……“SAOプレイヤー”さ。現にリーファがやられる前、メンバーはどんな感じだった？」
「えーと、私とキリト君とユイちゃんにリーファちゃん、レイと陽介……あっ！」
「そう、メンバーの半分以上がSAOプレイヤー及び関係者なんだ。これは明らかに意図してやったとしか思えない。だが人狼はあるミスをしたんだ」
「それが、リーファちゃんを退場させるって事か？」
「そう、この時点で法則性は破られ、再び振り出しに戻るように見えるけどそうじゃない。表向きそう思わせておいて実はある一人だけを除いて市民を始末していったんだ」
「ある一人……？」

俺の推理の途中でキリト君がその言葉に妙に食い付き、俺は頷いた

「そう、その一人と言うのはアスナさんの事だよ」
「えっ、私？」
「となると人狼の一人はアスナさんの事を大切に想っている人物……しかも前回の会議では上手いことクマをはめて自身を人狼ではないと証明したように見せかけた……」
「っ！！」
「キリト君、君が人狼だ！」

昨日までの行動の数々を予測して出した結果がキリト君だった。クマを人狼ではないかと言い始めた時から何処か怪しいと感じていたのだ。俺が述べた推理に他のメンバーは納得するように頷き、キリト君は少し笑った

「バレたか……そうだ、俺は人狼だ……！」
「それ、前にもあったような？」

何処かで見たことのあるキリト君のシチュエーションはともかく、投票の結果先程の推理に納得したメンバーが殆どなのかキリト君がダントツで１位だった。だがその中でもただ一人アスナさんだけが彼に票を入れなかった辺り二人の仲が伺える

「キリト、何か言い残す事は？」
「俺はやられたが……流石に後一人はわからないだろう。勝つのは俺達だ」
「凄い自信だな……じゃあ眠らせるぞ」

ディアがキリト君にスリプルを掛け、すぐに深い眠りに落ちてしまった。これで自ら自分が人狼だと主張したキリト君が消え、人狼は残り一人、合計メンバー四人となった

しかしその夜、騎士の能力で今回はアスナさんを守る事を指定したらまたあの遠吠えが鳴り響いた

次の日の朝、なんと占い師である陽介がやられていた。これでメンバーは残す所三人。この中に人狼は一人なのでこの日誰が退場させられても勝負は決してしまう。この残された三人の内、誰が人狼なのだろう