プロメッサの頼み
私達に新たな仲間が加わった。彼女の名前はプロメッサと言い、今までに会ってきただれよりも強い上に聖獣までも使いこなす。しかし問題なのは過去の記憶が無いと言う事であり、夢の民でも無ければ対の存在もいない。記憶も無いから正体すらわからない謎だらけの存在である
「ねぇねぇクロナさーん!」
いつも通り語尾を伸ばす独特な言葉でプロメッサが私の名前を呼んだ。もっとも、言葉によってはこのように語尾ではない場合もあるが
「どうしたの?プロメッサ」
「私思ったんだけどさー、クロナの世界の友達について聞きたいなー」
「友達か……案外けっこういるよ?」
実際は全てレイ君経由での友達だが。しかしプロメッサが興味津々にこちらを見て来るので説明してあげる事にした
「みんな個性豊かでね……時々個性強すぎる人とかいるけど、とっても楽しいの。何て言うか……みんなといると“生きてる”って実感出来る」
「へぇー、友達って良いね!私も会ってみたーい!」
「え?でもプロメッサって現実世界に行けるの?」
「それはわからないけどー……」
そもそも夢の民やドリームイーターでもないし正体すらわからないので現実世界へ行こうと試みるのはかなり危険だ。下手をすればその存在ごと消滅してしまうくらい慣れなければシビアな物なのでプロメッサには少々お勧め出来ない
「じゃあ一人だけ教えてー!」
「えっ?うーん、そうだな……」
実際に現実世界に行く事の出来ないプロメッサの為に私は自身の友達の中から一人、ライガの事を話してあげる事にした
「霧風ライガって言う友達がいてね、その人先輩なのに親しみやすくってとっても良い人なの。何て言うか……先輩じゃないみたい」
「……」
「それにライガは誰よりも後輩想いで、私達もとっても信頼しているの。現実世界に帰ったら久しぶりに会いに行こうかなぁ」
現実世界で待っている友達の事を考えていると、プロメッサがその話に異常なまでの執着を持っている事に気がついた
「ねぇ、もっと聞かせて!」
「うん、良いよ」
その日はプロメッサにライガの事を話して過ごした