CROSS56【作戦】
「ならこれはどうだ!」
太刀の姿をしたキーブレードを上空に放り投げ、高くジャンプしてそれをキャッチした
「超天空!!」
そしてそのまま刈り取る者を斬るようにして落下し、一刀両断したように見えたが俺が着地した時には煙が消えており、そこには無傷の刈り取る者の姿があった
「嘘だろっ!?」
もうやられると思ったその時、刈り取る者は運良く魔力を高める技“コンセントレイト”で力を集中し、何とか俺達は命拾いした
「メディアラハン!」
その隙に雪子が全員の回復に当たり、何とか体勢を立て直すも刈り取る者がコンセントレイトで魔力を高めている為状況は絶望的だった
「くっ……どうすれば!?」
「俺に考えがある」
そう切り出したのはリクだった
「考え……?」
「良いか?さっきやつはメギドラオンを放ってきただろ?しかも今回はコンセントレイトで溜めている……確かに当たれば強力だ、“当たれば”な」
「……まさか、外させる気なの?」
「あぁ。成功するかはわからないが、やつにあの技をぶつければ……!」
「……あの技かっ!」
俺達全員がある事に気が付き、刈り取る者がコンセントレイトからのメギドラオンを放ってくる前に一斉に全員の武器を三銃士のように束ね、全員分の光をとにかく集中させた
「一人一人はか弱い灯火でも……」
「四人の灯火が合わされば……」
「太陽すら越える光になる!」
そして全員の光はやがて大きな輝きを放ち、一つの巨大な力となった。全員でそれを渾身の力で刈り取る者の顔へ目掛けて放ち、目の前で眩い光を放った
すると刈り取る者の視界が一気に輝かんばかりの光で満たされ、俺達に撃つはずだったメギドラオンを間違って天井に放ってしまった。その結果天井は破壊され、落ちてくる瓦礫が何度も刈り取る者を下敷きにし、ついに刈り取る者は倒れた
「よし!」
リクの立てた作戦、それは刈り取る者の視界を遮り、メギドラオンを天井にぶつけさせると言う物だった。あのままでは恐らくどんな事をしてもメギドラオンを防ぐ事は出来ない、ならば外させてしまえば良い。そう考えたリクは眩い光で視界を眩ます技“フラッシュ”で刈り取る者の攻撃が天井に向くように仕向け、その反動で落ちてくる瓦礫で一気に倒すと言う戦略を選んだのだ。ダメージを与えられなくても視界さえ奪えば、流石の刈り取る者でも戸惑わずにはいられない。後は撃つ場所に賭けると言う一斉一代の賭けに俺達は勝ったのだ
しかし勝利を喜んでいるのも束の間、この部屋の崩壊がどんどん激しくなり瓦礫の雨もまた豪雨となっていく
「って俺達もやべーぞ!」
「急ごう!」
コンセントメギドラオンによる被害の無い場所を探し全力で走る俺達の背後を1度確認するが、やはり刈り取る者は完全に倒れていた。流石に無理矢理呼び出された上にあんなにもたくさんの瓦礫の落下があっては耐えられるはずが無い
俺達は一旦安全地帯に避難する事にした