CROSS61【爆発】
「行け、ノーブルディモン!」
気高き悪魔と言う名を持つ聖獣、ノーブルディモンはキリスの指示でそのムカデのような下半身を動かし、それは俺達に向かって突撃してきた
「スクナヒコナ!」
それに直斗のペルソナ“スクナヒコナ”が五月雨斬りで対抗するが、両者の攻撃はほぼ互角な挙げ句本体である上半身の太い腕に突き飛ばされた
「ぐっ……」
「光を!」
直斗は一旦下がり、続いてソラが光魔法“ホーリー”でノーブルディモンを攻撃するが、図体に似合わずやつは素早かった。ソラの魔法さえも避けてしまい、彼の目の前に極太い腕が降り下ろされた
「イザナギ!」
しかしその時間一髪鳴上がジオダインを発し、ソラに当たる直前にノーブルディモンの腕を弾き飛ばした
「大丈夫か?」
「うん、ありがとう」
話し合っている暇もなくノーブルディモンの拳が襲い掛かり、二人はそれを絶妙なタイミングで避けるとそれぞれジオダインとラグナロクを放ち、ノーブルディモンの大きな赤い目を貫いた
「なにっ!?」
気高き悪魔から不気味な奇声が響き、ノーブルディモンは少しずつ消滅していった。キリスはその瞬間に聖獣のいた所から現れ、以前俺達に繰り出してきたスターバーストストリームと言う名の乱舞を仕掛けてきた
「ぐはっ……!」
「ライガ!」
キリスの二刀流による乱舞に俺はダメージを受けてしまい、助けようとした千枝もキリスの攻撃の標的となってしまった
「隙あり!」
「なっ……!?」
キリスは剣先から無数の氷を弾丸として放ち、千枝を吹っ飛ばした。しかし彼女に大したダメージは無く、まだまだ戦えそうだ
「なるほど、氷に耐性があるとはな」
「それはあんたも同じでしょうが!」
お互いに同じ耐性である事は以前俺が調べた時に発覚しており、氷属性が通用しないキリスに彼女のペルソナ“トモエ”は再びゴッドハンドを繰り出す。しかしそれは彼の二刀流にギリギリの所で受け止められてしまい、弾き返された
「今だ!」
しかしその瞬間隙が出来てしまったキリスに王様はホーリーを仕掛け、ダメージを与えたと思ったらキリスは間一髪の所でかわしていた
「この程度か?」
キリスが何処からともなく三つ目の剣を引き抜きながら言うと、突如背後から二つの炎を纏ったチャクラムが飛んできた
「!?」
それに気づいたキリスはそれが自分に直撃する前に弾き返し、それを放った人物の方を見た
「どういうつもりだ、アクセル!」
「いや、だからリアだって。まぁ良いやもう、アクセルでも。どうもこうもねぇよ。お前達が気に食わなかっただけさ。それでもし俺以外にもここに来ているやつがいれば、そいつら側に着こうとしてたわけ」
「裏切ると言うのか!?」
「へっ、そう言う事だ」
なんと元]V機関のメンバーであり行方知れずとなっていたリアが雇い主である漆黒の影を裏切り、俺達の側に着いてくれた。それを見かねたキリスが大変ご立腹な様子である一つのスイッチを取り出した
「まぁ良い、元々器を回収してからここを爆破すると言う計画だった。今更アクセルを失った程度、痛くはない!」
そしてスイッチは押され、例の如くこの施設は爆発を始めた。それに気づいた時にはすでにキリスの姿は無く、代わりにたくさんの敵達が立ちはだかっている光景が見えた
「なにこれ!?もしかしなくても爆発してる!?」
「くそっ、脱出しようにもここは広すぎる……どうすれば?」
「なら近道がある、こっちだ!」
行きこそ漆黒の影の策略で早く着いたが、実際は相当広かった。その為この爆発しつつあるハミンバードから脱出するのは不可能かと思われたが、一時的とは言えやつらに雇われていたアクセルは脱出の為の最短ルートを知っていた
俺達は立ちはだかるハートレスやシャドウの集団を掻い潜り、時にはアクセルの炎で蹴散らしながら先へ先へと進んでいった
しかし、脱出完了の後一歩で突如それは姿を現した。全身骸骨のムカデのような巨大な姿であり、その両腕には大きな鎌が装備されている。目の前に立ちはだかったモンスター――スカルリーパーは確かに俺達を視界に捕らえた
「こんなときに!」
「おい、あれ……」
前方にはスカルリーパーがいると言うのに背後からも追手が迫ってきており、このままでは挟み撃ちになり圧倒的に不利になると踏んだ王様が追手達の前に立ち塞がった
「千枝、ここは僕達で何とかしよう!」
「OK!みんなはその骸骨をお願い!」
迫り来る追手であるハートレスやシャドウ達は王様と千枝に任せ、新たに加わったアクセルも含めた俺達五人はこの施設からの脱出の為にスカルリーパーとの対決に身を投じた