CROSS64【アクア】
「ヴェン、大丈夫!?」
「え、ええっと……」
いきなり見知らぬ人物の名前で呼ばれロクサスはかなり困惑しているようだ。単なる見間違いにしては表情が真剣であり、そのヴェンと言う人物はそれだけロクサスに似ていると言う事だろうか
「俺はヴェンってやつじゃないけど、こいつを何とかするのを手伝ってくれないか?その後に話は聞くから!」
「分かった。私はアクア」
アクアと言う名のキーブレード使いの女性が加わり、タナトスの波状攻撃を四人の力で跳ね返し、アクアさんの放った“ゴーストドライヴ”はタナトスに決定的な一撃を与えた。しかしタナトスは未だに平然としており、まるでダメージを喰らっていないかのように見えた
「くそっ!まだ倒れねぇのか!」
「ねぇクライン、私に考えがあるの」
クラインだけに言ったはずだがロクサスとアクアの視線も集まり、全員に私の考えを伝える事にした
「さっきセラが青いカードを砕いたのを覚えてる?恐らくあれがタナトスを使う為に必要なんだと思う。もしかしたらだけどタナトスの中に同じような物があって、それを奪い取れば……!」
「主導権を奪えるって訳か……」
それに今思えばセラはタナトスを元の持ち主から奪ったと言っていた。ならばペルソナの制御が不完全なはずであり、タナトスの近くに先程のカードと同じ物があると思われる。それを奪う事さえ出来ればタナトスの主導権はこちらに回り、戦闘を終わらせる事が出来る。そして肝心のカードの在りかだが、ここまで激しい攻防を続けてタナトスに支障が無かった事を考えるとまだカードは無事と言う事。つまりタナトスにもっとも近い場所――ペルソナその物の中にあると予想出来るのだ。だが、問題はそれをどうやって取り出すかである
「だけど、あいつの中って……体内だよな?」
「ううん、あの棺桶だと思う。ここまでタナトスの動体ばかり狙ってたけど、棺桶と比べて攻撃しやすい。そんなところに普通隠すかな?」
結果的に言えばもっとも当たりにくい位置にあるたくさんの棺桶のどれかにペルソナカードが隠されていると言う事であり、ではどうするのかと言うとタナトスを正面から受け止める部隊と後方に回って出来るだけタナトスを傷つけないように棺桶の中にあるカードを回収する部隊に別れて主導権を奪わなければならない
「なら俺が足止めしてやるから、クロナはカードを探してくれ」
「では、私も協力します」
クライン、アクアさんが足止め役を引き受けてくれたので私とロクサスがカード探しとなった
「ほら、こっちだ!」
しかし二人だけでタナトスとやり合うのは当然きつく、クラインはタナトスの気を引き付けるので精一杯だった。アクアさんは臆せずに魔法攻撃を続けるが、タナトスには全く効果が無い
「くっ……強い!」
「やつらこんなのをどうやって奪ったんだよ……!?」
前から思っていた事だがセラはよく自分から戦おうとはせず、自身が予め用意しておいた手下達をけしかけてくる。もはや何でもありに見えるが、逆にそれは漆黒の影が如何に恐ろしい存在であるかを表していた
「クライン!アクアさん!見つけたよ!」
二人がタナトスの気を引いてくれている間に三つ目の棺桶の中に掌サイズのカードを見つけた。そのカードはどうやら私に反応しているようで、それを両手で包み込むとタナトスが自動消滅した。その為棺桶に乗っていた私とロクサスは落下し始めるが、その瞬間にペルソナカードを右手で砕き、自身の真下にタナトスを召喚した
「タナトス!」
タナトスの主導権を奪う事に成功し、タナトスは私とロクサスを受け止め地に降ろした。今のタナトスからは先程操られていた時の獰猛さは感じられず、寧ろ主人に忠実に従う使い魔のようだった
その後私達は加勢に来てくれたアクアさんにロクサスの事や今この時空で起こっている事について説明した。ロクサスの事で特に驚いてはいたが、アクアさん自身もこの時空の歪みに巻き込まれたと踏んで間違いないようなので共に戦うようにお願いしたところ、了承してくれた
「そうだ……」
自身の背後にいるタナトスを見上げ、改まって彼にもアクアさんと同じ事を聞いた
「タナトス。貴方さえ良ければ、私達に力を貸してくれないかな?」
本来の使い手から引き離され漆黒の影に操られていたペルソナことタナトスはきっと元の時空に帰って本来の役割に戻りたいはず、しかしその為には漆黒の影を倒さなければならない。ならばと思い私はタナトスを誘ったのだ。その結果タナトスはゆっくりと頷き、先程手にいれたカードの姿となって私の力となってくれた
「ありがとう、タナトス」
これで聖獣とペルソナを同時に使用出来るようになり、私達に力を貸してくれたタナトスの為にも絶対に漆黒の影を倒さなくてはいけなくなった。しかしこれはプレッシャーではなく、新たな物語の始まりであった
「え、ええっと……」
いきなり見知らぬ人物の名前で呼ばれロクサスはかなり困惑しているようだ。単なる見間違いにしては表情が真剣であり、そのヴェンと言う人物はそれだけロクサスに似ていると言う事だろうか
「俺はヴェンってやつじゃないけど、こいつを何とかするのを手伝ってくれないか?その後に話は聞くから!」
「分かった。私はアクア」
アクアと言う名のキーブレード使いの女性が加わり、タナトスの波状攻撃を四人の力で跳ね返し、アクアさんの放った“ゴーストドライヴ”はタナトスに決定的な一撃を与えた。しかしタナトスは未だに平然としており、まるでダメージを喰らっていないかのように見えた
「くそっ!まだ倒れねぇのか!」
「ねぇクライン、私に考えがあるの」
クラインだけに言ったはずだがロクサスとアクアの視線も集まり、全員に私の考えを伝える事にした
「さっきセラが青いカードを砕いたのを覚えてる?恐らくあれがタナトスを使う為に必要なんだと思う。もしかしたらだけどタナトスの中に同じような物があって、それを奪い取れば……!」
「主導権を奪えるって訳か……」
それに今思えばセラはタナトスを元の持ち主から奪ったと言っていた。ならばペルソナの制御が不完全なはずであり、タナトスの近くに先程のカードと同じ物があると思われる。それを奪う事さえ出来ればタナトスの主導権はこちらに回り、戦闘を終わらせる事が出来る。そして肝心のカードの在りかだが、ここまで激しい攻防を続けてタナトスに支障が無かった事を考えるとまだカードは無事と言う事。つまりタナトスにもっとも近い場所――ペルソナその物の中にあると予想出来るのだ。だが、問題はそれをどうやって取り出すかである
「だけど、あいつの中って……体内だよな?」
「ううん、あの棺桶だと思う。ここまでタナトスの動体ばかり狙ってたけど、棺桶と比べて攻撃しやすい。そんなところに普通隠すかな?」
結果的に言えばもっとも当たりにくい位置にあるたくさんの棺桶のどれかにペルソナカードが隠されていると言う事であり、ではどうするのかと言うとタナトスを正面から受け止める部隊と後方に回って出来るだけタナトスを傷つけないように棺桶の中にあるカードを回収する部隊に別れて主導権を奪わなければならない
「なら俺が足止めしてやるから、クロナはカードを探してくれ」
「では、私も協力します」
クライン、アクアさんが足止め役を引き受けてくれたので私とロクサスがカード探しとなった
「ほら、こっちだ!」
しかし二人だけでタナトスとやり合うのは当然きつく、クラインはタナトスの気を引き付けるので精一杯だった。アクアさんは臆せずに魔法攻撃を続けるが、タナトスには全く効果が無い
「くっ……強い!」
「やつらこんなのをどうやって奪ったんだよ……!?」
前から思っていた事だがセラはよく自分から戦おうとはせず、自身が予め用意しておいた手下達をけしかけてくる。もはや何でもありに見えるが、逆にそれは漆黒の影が如何に恐ろしい存在であるかを表していた
「クライン!アクアさん!見つけたよ!」
二人がタナトスの気を引いてくれている間に三つ目の棺桶の中に掌サイズのカードを見つけた。そのカードはどうやら私に反応しているようで、それを両手で包み込むとタナトスが自動消滅した。その為棺桶に乗っていた私とロクサスは落下し始めるが、その瞬間にペルソナカードを右手で砕き、自身の真下にタナトスを召喚した
「タナトス!」
タナトスの主導権を奪う事に成功し、タナトスは私とロクサスを受け止め地に降ろした。今のタナトスからは先程操られていた時の獰猛さは感じられず、寧ろ主人に忠実に従う使い魔のようだった
その後私達は加勢に来てくれたアクアさんにロクサスの事や今この時空で起こっている事について説明した。ロクサスの事で特に驚いてはいたが、アクアさん自身もこの時空の歪みに巻き込まれたと踏んで間違いないようなので共に戦うようにお願いしたところ、了承してくれた
「そうだ……」
自身の背後にいるタナトスを見上げ、改まって彼にもアクアさんと同じ事を聞いた
「タナトス。貴方さえ良ければ、私達に力を貸してくれないかな?」
本来の使い手から引き離され漆黒の影に操られていたペルソナことタナトスはきっと元の時空に帰って本来の役割に戻りたいはず、しかしその為には漆黒の影を倒さなければならない。ならばと思い私はタナトスを誘ったのだ。その結果タナトスはゆっくりと頷き、先程手にいれたカードの姿となって私の力となってくれた
「ありがとう、タナトス」
これで聖獣とペルソナを同時に使用出来るようになり、私達に力を貸してくれたタナトスの為にも絶対に漆黒の影を倒さなくてはいけなくなった。しかしこれはプレッシャーではなく、新たな物語の始まりであった