クリスマス&鈴神誕生日特別記念
俺達はこの待ちに待った12月の25日――クリスマスの日にみんなでレイディアントガーデンにある鈴神の実家に集まっていた。鈴神のイメージとは反して何処にでもあるような普通の家であり、3つほどある本棚に何冊もの本が敷き詰められている事を除けば清潔な普通の家である。俺達がここに集まった理由は二つある。1つは今日この日と言う記念日――クリスマスのパーティをするため、そしてもうひとつが鈴神の誕生日を祝う為である
「と言う訳で、鈴神さん……おめでとう!そして皆さん、メリークリスマス!」
「「「「「「「「「「メリークリスマス!」」」」」」」」」」
今回の司会を勤めるクロナの号令と共にクリスマスパーティが開始され、パーティには欠かせないクラッカーの音が鳴り響く。今回は何時ものメンバーに加え白凰と黒凰と言う珍しい二人で合計11人がこの家に集まっていた。中でも騒がしい場所が苦手な黒凰が来る意外であり、白凰に関しては彼も誕生日である
「皆さん、ありがとうございます。後、メリークリスマス」
「そう言えば鈴神って俺達の中で唯一の大人だよな?どんな気分だ?」
「フフっ、大人の1年と言うのは複雑な物です」
確かに大人からしてみれば一歳歳を取ると言うのは複雑な物だろう。ちなみに先程のダークの言葉だが俺達メインメンバー9人の事を指しているので、19才であり大学生である黒凰は含まれていない
「白凰さんも、おめでとうございます」
「あぁ、そちらこそおめでとう。これからも宜しく頼む」
「はい、第4期頑張ってくださいね」
自身の代わりに第4期に出演する白凰の背中を押し、鈴神は飾らない笑顔を見せ一人ずつ挨拶をして行った。特に黒凰に関してはイメージCVが同じ為かかなり話が弾んでいるようで、暫くして俺とクロナの元にもやって来た
「レイ様、クロナさん、これからも宜しくお願いします」
「うん、おめでとう鈴神」
「さっきも言ったけど、おめでとう鈴神さん!」
主役二人と今回の主役の話も黒凰の時と同様に弾み、もしかしたらずっと続くのではないかと言わんばかりの話題が繰り広げられようとしたその時、家のキッチンを借りていたディアが戻ってきた。勿論その手にある皿の上には、クリスマスケーキが乗っている
「ディア!」
「おっせーぞ、ディア」
「……鈴神、おめでとう。さぁ、早く食おうぜ」
大事な人の誕生日である為ディアはいつになくテンションが高く、手作りであるクリスマスケーキに蝋燭を刺すことでバースデーケーキに変換させた。流石に未成年でライターなるものは使ってはいけない上に今回の主役にそんな手間を掛けさせる訳にもいかないので、言葉にならないほど弱火のファイアで火を着けた
「なんだか、子供に戻ったような気分です」
「そうだろうな。ほら、誰か明かり消せ」
「あ、じゃあ僕が消すよ」
明かりを消すと言う事はこの場が一旦暗くなると言う事なのでまさかとは思ったが案の定黒凰が引き受けてくれた。明かりが消えた時の黒凰の表情は清々しい物であり、すぐに鈴神により蝋燭の火が消えた途端に明かりが戻った時には大きな溜め息を吐いていた
「そう言えば、みんなプレゼントとか考えたか?」
「うーん、確かにクリスマスプレゼントは嬉しいけど……やっぱり平和が一番よね」
「うんうん!私はついでにお兄ちゃんの愛情も欲しいな」
「流石のブラコンだなぁ、オイ……」
「さて、そろそろ食べましょうか!」
みんなでクリスマスパーティを楽しく過ごした。日々の収録とは関係ない日常に英気を充分に養えた人も幾つかいたようで、特に白凰と黒凰には第4期で頑張る切っ掛けとなったようだ。楽しい日々はあっという間に過ぎていき、当然だが現地解散となった
>そう言えば、そろそろクロナの誕生日が近い。今のうちに計画しておかなければ……