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キングダムハーツV《仮》

アオキ

INDEX

  • あらすじ
  • 01 プロローグ
  • 02 第一章《胎動》 その1
  • 03 第一章《胎動》 その2
  • 04 第一章《胎動》 その3
  • 第一章《胎動》 その2

    ガキンっ。

    何かがぶつかったかのような鈍い音。
    人の気配。

    優焚は恐る恐る目を開ける。
    瞬間、目の前で黒い影は次々に飛ばされ、その姿はかき消えた。

    「大丈夫ですか?」

    差し出された右手。
    目の前に立っていたのは、黒いローブに身を包む人物。
    声のトーンからしておそらく男性だろう。彼の左手には、尋常じゃない大きさの黒い"鎌"が握られていた。

    優焚は警戒した。
    身を硬直させ、探るような目つきでローブの男を見つめる。

    「貴方...誰?」

    そんな優焚を見たローブの男は、笑うようにため息をついた。

    「そんなに警戒しないでください。僕は貴女の味方です」

    「でも..見るからにアヤシイしな。ハートレスに黒ローブ...。まるっきり、キングダムハーツの世界じゃないか。一体何がどうなってんの?...もしや、これは夢?」

    「夢..なら良かったのですが、残念ながら現実のことです。お怪我はありませんか?」

    ローブの下から見えるやんわりとした笑顔に少し警戒もとれる。
    が、優焚は差し出された手を無視して、自力で立ち上がった。
    大丈夫、なんともない。落ち着け、あたし。

    「助けてくれて、ありがとうございました。貴方は一体何者ですか?」

    一呼吸おいて優焚が尋ねる。そんな彼女を、ローブの男は変わらず笑顔で見つめていた。

    「僕は...そうですね。単刀直入に言うと、貴女を守るために異次元から来た者です」

    「え、なんで、あたし?ってか、え、イジゲン?」

    尋ねた瞬間、また新たなシャドウが地面から湧いて出てくる。
    「っと。今は説明している時間がありませんね。走れますか?」

    走りながら、ローブの男はどんどんと黒い影を蹴散らしていく。
    左手の鎌を振りおろし、影にぶつかる。
    すると黒い閃光と共に影がその姿を崩し、
    粒子となって消えていく。

    優焚はその様を、男の影に隠れながら終始見つめていた。
    ありえない光景。
    ゲームや漫画の中の世界。
    身体が熱くなる。
    鼓動が、痛いほどに胸を叩きつける。

    「ねェ、一体全体、なんなの..?貴方は誰?これって、"キングダムハーツ"にでてくる敵キャラだよね?」

    彼は答えない。
    しかし、彼女はかまわず続ける。

    「だって..だって、ありえないじゃん..?こんなの、ねェ。貴方はひょっとして、ソラ?それともリクなの?」

    突如、突風が吹く。
    彼のローブを風が巻き上げる。
    後ろ姿があらわになる。

    「残念ながら...そのどちらでもありませんよ、僕は」

    目の前にいたのは、見知らぬ人物。
    二つに分かれ、丁寧に編みこまれた黄金の髪をなびかせ、振り向く。

    藍眼がギラリと光り、優焚の目とぶつかる。

    「僕は、貴女を迎えに来ました。また会える事、信じていましたよ、優焚。」

    ほほえみ。
    吸い込まれる、あの空のように蒼い瞳。
    優焚は完全に彼に魅せられていた。

    13/06/03 02:18 アオキ   

    ■作者メッセージ
    皆さん、初めまして。aokiです。
    とにかく書きたくなってしまって、ここに来ちゃいました。
    文章力なし+語彙力なしの私なので、何か変なところがあれば仰ってくださいね。

    うーむ。この文章、どこに向かっていくのやら。。
    それでは〜。
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