CHAPTER34【親友との再会】
ソラの目の前に現れた人物、謎の黒コートの素顔は、なんと1年前にソラ達を苦しめ、世界を危機にさらした張本人であるアンセムのようだった。
「ア、アンセム!?」
「いや、俺はアンセムじゃない。」
アンセムが自分をアンセムではないという意味不明な言葉を口にした。見た目だけを見ればアンセムでしか無いのだが、アンセムの口から発される声はアンセムの物では無く、むしろソラに聞き覚えのある懐かしい声だった。
「信じるか?」
「信じるわけ無いだろ!!だって、俺の目の前にいるのは…………、」
俺の目の前にいるのはアンセム。そう言おうとしたソラだが、何故か途中で口を止めた。何故だかわからないが、このアンセムからはかつてのような邪気は感じられないのだ。
「目の前にいるのは?」
アンセムの姿をした謎の人物が遊び半分でソラに問いかける。
「俺の目の前にいるのは………、」
ソラは改めて謎の人物の顔を見上げる。何処からどう見てもアンセム。しかし、何故か同時に懐かしさも感じる。しばらく見つめていると、別の姿が幻のように謎の人物に重なって見えた。その幻にソラは見覚えがあった。そう、今までずっと探していた親友の姿が
「俺の目の前にいるのは………リクだ!」
ソラは幻を見て確信した。彼の正体はリクだと。姿がどうであれ、この雰囲気や声、何から何までリクその物なのだ。アンセムの姿をした人物はフッと笑い、頷いた。
「正解だ。ソラ。」
アンセムの姿をした人物、リクは静かに微笑む。ソラは突然と喜びが込み上げて来た。今までずっと探していた親友とやっと再会出来たのがよっぽど嬉しいのだ。
それから話を聞いたところ、今までソラの前に姿を現さなかったのは、このアンセムの姿では会いたくなかったかららしい。では何故アンセムになってしまったのか、あの後リクは自分の中にいるアンセムに打ち勝ったのだが、これから現れる驚異、ХV機関に対抗するために、どうしても闇の力が必要だった。闇の力を制御するためにはアンセムになりきるしかなかった為、こんなことになってしまったのだとか。
リクはどうやらこれまでに起こった事を知っていたらしく、今は機関とDEDについて調べているらしい。そんな話をしているうちに、リクが気になる事を言い出した。
「【ゼアノート】…………?」
「そう。ゼアノート。1年前の事件だけでなく、更に10年前の事件、つまり全ての元凶。」
ゼアノート。全ての元凶。その不吉な名前を口にしたリクの話は続く。
「まず、10年にヴェントゥスというキーブレード使いの一人と、その闇であるヴァニタスを利用して、χブレードを産み出そうとした。」
「っ!あのときのレイとディア見たいに!?」
「そんな感じだ。彼らもヴェントゥス、ヴァニタスと同様に純粋な光と闇の心の持ち主だからな。ゼアノートはχブレードを完成させ、キーブレード戦争をもう一度この世界に引き起こそうとした。」
「でもそれは三人のキーブレード使いに阻止されたろ?」
「そう………なんだが、ゼアノートはどうやら三人のうちの一人であるテラの身体を乗っ取っていたらしい。」
「乗っ取る?」
「あぁ。キーブレードマスターは心を取り出す能力がある。ヴェントゥスからヴァニタスを産み出す時も、テラを乗っ取る時もこの能力を使ったんだ。その乗っ取った身体でキーブレード戦争の先に待つものを見ようとしたが、三人のうちの一人であるアクアに阻止され、その後闇の世界に落ちかけたが、アクアがそれを助けた。」
「テラを助けたかったって事だな。」
「あぁ。その際にゼアノートは自分の意思が宿ったテラの身体にキーブレードを突き刺してたしな。キーブレードは心を解放する…………はずだったが、アクアだけが闇の世界に落ち、ゼアノートの意思はテラの身体に留まったままだった。何故だかわからないがな。」
「………………。」
「その後、気を失っている所をとある人物に助けられた。賢者アンセムだ。」
「アンセム!?」
ソラはその言葉に衝撃を受け、どうしてアンセムがゼアノートと関係あるんだと突っ込みたくなったが、黙って聞くことにした。
「それからゼアノートは、記憶喪失を偽り、賢者アンセムの弟子になった。それから、ゼアノートは自らアンセムの研究の被験者になることを自ら希望した。アンセムは彼を天才と認めていた。だが、天才すぎたんだ。人を越えるほどに………。それから数ヶ月、ゼアノートは他の五人の弟子であるブライグ、ディラン、エヴェン、エレウス、イエンツォと共に、とある危険な実験を始めた。ハートレスの事だ。ゼアノートを含む六人の弟子達は、被験者を見つけてはその危険な実験に巻き込み、多くの命を奪った。それを見かねたアンセムは実験を止めるように言ったのだが、ゼアノートによって、狭間の世界に追放され行方不明となった。それからゼアノートは他の弟子達から心を抜き取り、ハートレスにしていった。そして自分も。ゼアノートはハートレスになる際に、こう言った。『俺の名は、ゼアノートではない…………我が名は、アンセム。』」
「ア、アンセム!?」
「いや、俺はアンセムじゃない。」
アンセムが自分をアンセムではないという意味不明な言葉を口にした。見た目だけを見ればアンセムでしか無いのだが、アンセムの口から発される声はアンセムの物では無く、むしろソラに聞き覚えのある懐かしい声だった。
「信じるか?」
「信じるわけ無いだろ!!だって、俺の目の前にいるのは…………、」
俺の目の前にいるのはアンセム。そう言おうとしたソラだが、何故か途中で口を止めた。何故だかわからないが、このアンセムからはかつてのような邪気は感じられないのだ。
「目の前にいるのは?」
アンセムの姿をした謎の人物が遊び半分でソラに問いかける。
「俺の目の前にいるのは………、」
ソラは改めて謎の人物の顔を見上げる。何処からどう見てもアンセム。しかし、何故か同時に懐かしさも感じる。しばらく見つめていると、別の姿が幻のように謎の人物に重なって見えた。その幻にソラは見覚えがあった。そう、今までずっと探していた親友の姿が
「俺の目の前にいるのは………リクだ!」
ソラは幻を見て確信した。彼の正体はリクだと。姿がどうであれ、この雰囲気や声、何から何までリクその物なのだ。アンセムの姿をした人物はフッと笑い、頷いた。
「正解だ。ソラ。」
アンセムの姿をした人物、リクは静かに微笑む。ソラは突然と喜びが込み上げて来た。今までずっと探していた親友とやっと再会出来たのがよっぽど嬉しいのだ。
それから話を聞いたところ、今までソラの前に姿を現さなかったのは、このアンセムの姿では会いたくなかったかららしい。では何故アンセムになってしまったのか、あの後リクは自分の中にいるアンセムに打ち勝ったのだが、これから現れる驚異、ХV機関に対抗するために、どうしても闇の力が必要だった。闇の力を制御するためにはアンセムになりきるしかなかった為、こんなことになってしまったのだとか。
リクはどうやらこれまでに起こった事を知っていたらしく、今は機関とDEDについて調べているらしい。そんな話をしているうちに、リクが気になる事を言い出した。
「【ゼアノート】…………?」
「そう。ゼアノート。1年前の事件だけでなく、更に10年前の事件、つまり全ての元凶。」
ゼアノート。全ての元凶。その不吉な名前を口にしたリクの話は続く。
「まず、10年にヴェントゥスというキーブレード使いの一人と、その闇であるヴァニタスを利用して、χブレードを産み出そうとした。」
「っ!あのときのレイとディア見たいに!?」
「そんな感じだ。彼らもヴェントゥス、ヴァニタスと同様に純粋な光と闇の心の持ち主だからな。ゼアノートはχブレードを完成させ、キーブレード戦争をもう一度この世界に引き起こそうとした。」
「でもそれは三人のキーブレード使いに阻止されたろ?」
「そう………なんだが、ゼアノートはどうやら三人のうちの一人であるテラの身体を乗っ取っていたらしい。」
「乗っ取る?」
「あぁ。キーブレードマスターは心を取り出す能力がある。ヴェントゥスからヴァニタスを産み出す時も、テラを乗っ取る時もこの能力を使ったんだ。その乗っ取った身体でキーブレード戦争の先に待つものを見ようとしたが、三人のうちの一人であるアクアに阻止され、その後闇の世界に落ちかけたが、アクアがそれを助けた。」
「テラを助けたかったって事だな。」
「あぁ。その際にゼアノートは自分の意思が宿ったテラの身体にキーブレードを突き刺してたしな。キーブレードは心を解放する…………はずだったが、アクアだけが闇の世界に落ち、ゼアノートの意思はテラの身体に留まったままだった。何故だかわからないがな。」
「………………。」
「その後、気を失っている所をとある人物に助けられた。賢者アンセムだ。」
「アンセム!?」
ソラはその言葉に衝撃を受け、どうしてアンセムがゼアノートと関係あるんだと突っ込みたくなったが、黙って聞くことにした。
「それからゼアノートは、記憶喪失を偽り、賢者アンセムの弟子になった。それから、ゼアノートは自らアンセムの研究の被験者になることを自ら希望した。アンセムは彼を天才と認めていた。だが、天才すぎたんだ。人を越えるほどに………。それから数ヶ月、ゼアノートは他の五人の弟子であるブライグ、ディラン、エヴェン、エレウス、イエンツォと共に、とある危険な実験を始めた。ハートレスの事だ。ゼアノートを含む六人の弟子達は、被験者を見つけてはその危険な実験に巻き込み、多くの命を奪った。それを見かねたアンセムは実験を止めるように言ったのだが、ゼアノートによって、狭間の世界に追放され行方不明となった。それからゼアノートは他の弟子達から心を抜き取り、ハートレスにしていった。そして自分も。ゼアノートはハートレスになる際に、こう言った。『俺の名は、ゼアノートではない…………我が名は、アンセム。』」