CHAPTER36【ザルディン死す】
「ぐっ!ぐっ……ぐわぁっ!」
その頃ビーストキャッスルに来たХV機関の一人ザルディンは突如謎のフードを被った少年に襲われ、応戦しているが、圧倒的に押されており、もうすでに限界だ。
「まさか俺の6つの槍を簡単にいなすとは……!」
ザルディンの槍による攻撃も全て弾き返され、もうすでに槍が3本折れてしまっている。残る3本も今にも折れてしまいそうだ。だが、3本の槍だとしても、子供に負けるわけにはいかないザルディンは3本の槍全てを使い、少年を攻撃した。
しかし、少年の出現させた『とある物』によって攻撃はあっさりと防がれ、槍が全て折れてしまった。とある物とはブラックパラデス。少年がフードを外し素顔を現す。それは俺だった。悪魔と呼ぶに相応しい程の不気味な笑みで槍を全て失ったザルディンを見る。
「っ!!」
この瞬間、ザルディンは心が無いにも関わらず、とてつもない恐怖感に襲われた。何故なら彼がまるで人間の姿をした破壊神のようだったからだ。今までの俺はもう何処にもいない。今の自分は、闇の力に溺れた怪物、破壊神だ。
「じゃあそろそろ……消えてもらおうか!」
「っ―――――――!!」
ブラックパラデスの刃がザルディンを貫く音が確かにこの世界に響き渡った。ザルディンが声を出す間もなく消滅していった。
「フッ……!ッハハハ!!」
このビーストキャッスルの不気味な夜空に向かって大きな高笑いをした。俺は闇の力によって強くなった。だからたくさん使いたくて仕方ないのだ。その為ザルディンの居場所を突き止め、抹殺することに成功した。
俺は右手にしっかりと握られているブラックパラデスを天高く振りかざす。あの夜空に浮かぶ不気味な月の光がブラックパラデスを照らし、不気味にブラックパラデスが紫色に輝く。
「凄い……これが闇の力……!もっと、もっと戦いたいよ!もっとたくさんの人を抹殺したいよ……!」
彼の心は完全に歪んでしまった。ブラックパラデスから流れてくる闇に影響されているのだろう。それにしても、純粋な光の心の持ち主が何故闇の力に乗っ取られてしまったのか、それは誰にもわからない。数ある辞書でさえも、この世の神でさえも
■作者メッセージ