CHAPTER38【伝説の真実 前編】
「ふう、そっちはどうだ?ライガ。」
「あぁ!見つかったぜシュージ!」
その頃今日の昼、シュージとライガの二人はアースにある町、ランペルタウンにある図書館に来ていた。二人はあるものを探しに来ており、たった今ライガがそれを見つけた。それをテーブルの上に置き、二人は座る。
「やっと見つけたな。」
「あぁ。この本に、きっと真実が書かれているはずだ。」
「それにしても分厚いな………。」
二人が見つけたのは、一冊の分厚い本だった。表紙には『ファイブ・ブレード伝説の真実』と書かれている。今回DEDが関係しているのならダークエンドドラゴンが関係しており、ダークエンドドラゴンに関連のあるこの伝説もきっと役立つだろうと思い、様々な図書館を回りやっと見つけたのだ。本の手前にいるシュージが本のページを開き、書かれている文章を読む。すると、シュージは息を飲み、防塵状態になってしまった。
「シュージ?」
ライガの呼び掛けは一応聞こえたのだが、あえて何も言わずに本を手渡すシュージ。ライガは訳がわからないままページを開く。
第1ページ
『これは、おとぎ話で語られているファイブ・ブレード伝説のありのままの真実を記した物である。』
第2ページ
『ある晴れた日の事。そこにはある栄えた村があった。村の人々は光に満ち溢れ、何時かこの村が大きな町になることを夢見て、今日もたった1度のこの日を精一杯生きようと頑張っていた。
だが、その努力は、この日が最後になった。』
第3ページ
『村に一人の闇の少女が現れ、空より暗黒に満ちた竜を呼び出し、竜の力で村を襲撃した。その際にたくさんの命が竜に吸収され、やがて彼らの死体がみるみるうちに姿を変えた。氷の鎧を身に纏った影の化け物へと。』
「えっ!?それってアンチネスじゃあ!?」
まだ3ページしか見ていないにも関わらず、ライガは驚く。無理もない。文章の中にアンチネスらしき存在が描かれていたのだ。
「なぁライガ。」
驚愕したライガに対してやっとシュージが口を開いた。
「もしかすると、アンチネスと言うのは、元々光の存在が無理矢理闇の存在に変えられた、可哀想な存在なのかもしれないな。」
「でも、明確にそれだと断定出来た訳じゃないだろ?」
「いや、断定出来るさ。アンチネスっていう名前は実は、【Anch・Darkness】の略称なんだ。恐らく、元々は光の存在であった事を表しているんだろう。」
「だからアンチネス………。」
ほとんど推察に過ぎないシュージの言葉の一つ一つがライガの身に染みる。これと言った証拠が無いのだが、シュージの言っている事は何故か筋が通っている気がしてならない。では何故アンチネスは闇に従っているのか?ライガはそう疑問に感じると、本の次のページを開く。
第4ページ
『その化け物達は暗黒の竜に全ての記憶を吸収され、意のままに操られ村を破壊していく。』
「つまり、暗黒竜に操られてたって事か。」
「そうなるな。では何故元々闇の存在であるハートレスまでアンチネスになるんだ?」
シュージの言う通り、元々闇の存在であるハートレスまでアンチネスになるのはおかしい。元々ミッキーからはアンチネスはハートレスがハートレスにならず、より凶暴な存在になったものと聞いていた。だが、この本の文章によれば光の存在である村人達が姿を変えられた姿と書かれている。もしかしたらと思い、次のページを開く。
第5ページ
『その竜、あらゆるものの存在を変える力あり。そして世界中の闇を少しずつ吸収し、完全体とならん。』
「なにっ!?」
「つまり、ハートレス達は暗黒竜に存在を歪められていたとでも言うのか!?」
「という事は!?」
ライガの発言にシュージは頷く。ライガは黙って立ち上がり言った
「暗黒竜は……復活しつつある……!」