CHAPTER47【クロナの思想】
アースのレイベス地方にある北の森。今日は曇り空で、森の生き物達も姿をまるで現さない。そんな物静かな森を一人の機関の黒コートを着た人物が歩いていた。
リクだ。相変わらずフードを被って正体を隠している。リクは北の森を出て右に曲がり、アクアス家の玄関前に立ち、軽くノックをした。
「?」
さっきまで風呂に入っていたクロナはすぐに音に気が付いた
「ちょっと待っててくださーい!!」
そう叫んでおよそ数秒の早さで着替え、玄関を開けた。そこには当然、黒コートに身を包んだリクがいた。クロナはリクを見た瞬間にキーブレードを出現させ、構えた。クロナはリクが]V機関の一員だと思って警戒しているのだろう。リクは無抵抗という事を示すため言う
「まて、俺は敵じゃないぞ。」
両手を上げながら言った。クロナはそれを信じたのか、キーブレードを構えるのを止め、リクを家の中に招き入れた。
とりあえずソファーに座っているリク。暫く待っていると、クロナがコーヒーを2つ運んできた。アクアス家では客にコーヒーをご馳走するのがお決まりだという。リクはそのコップを取り、早速飲んでみた。クロナが突然飲んだリクを見て、『熱くないのか』と言うような顔をしたが、リクがコップを置き、
「うん、良い味だ。」
「そりゃ良かった。」
ほとんど棒読みでクロナは答えた。やはりまだ警戒しているのだろう。クロナも別のソファーに座り、テーブルを挟んで、向かい合わせの状態となった。
「本題に入るけど、貴方は何者?」
「リクだ。ソラの友達だ。」
「へぇ、貴方がリク?それを証明する何かはあるの?」
かなり憎んだ声でリクに聞いた。するとリクは首を振り言った
「いや、信じなくても良い。信じろと言う方が不可能だからな。」
「そう………。」
「俺は、お前に大事な事を伝えに来た。」
リクがその言葉を放った時、クロナの目つきが変わった。先程までは警戒心まるだしだったのだが、今はその言葉の意味が気になって仕方がない。それにクロナは何となく感じていた。自分にとって、何か大事な事だと。
「レイは………変わってしまった。」
「レイ君!?」
その名前を聞いた時、非常に驚いた。その名前を久しぶりに聞いたのもあったが、リクが放った内容にも驚いた。彼の変貌は前からあったが、それが更に変貌したという事なのだろうか
「レイを変貌させたのは、ブラックパラデス。」
「ブラックパラデス?」
リクは鈴神がしていたのと同じ事をクロナに説明した。その途中、途中でクロナは唸っていたが、うろ覚えながらもちゃんと理解してくれた。
「何か、助ける方法は無いの?」
「方法は1つ、ブラックパラデスを手放させる事だな。だがそうすると、レイの記憶は消えてしまう。つまり、『記憶はあるが、闇に操られたレイ』を取るか、『記憶を失っているが闇から解放されたレイ』を取るか。2つに、1つだ。」
「…………選べない。」
クロナは一筋の涙を流し、俯いた。
「どっちにしても、私の傍にレイ君はいない………そんなの、耐えきれないよ!!」
思わず叫んでしまった。暫く会っていない為か、クロナは彼の事が前よりもずっと恋しくなっているようだ。リクの口から語られた選択肢。簡単に言えば『意志』を取るか、『の記憶』を取るか。リク曰く2つに1つ。クロナにとってはどちらかでも無くなると、その時点でそれは彼ではない。意志が無ければ彼は自分の隣におらず、記憶が無ければ自分の事すら覚えていない。そんなのクロナには耐えきれないのだ。止まらないクロナの涙はどんどん床にこぼれ落ちる。
「そんなことは無い。」
リクが突然言った。クロナは先程まで下を向いていた顔を上げる。
「そんなことは無いさ。心は、ちゃんと覚えてる。」
リクのその言葉にクロナは頷き、また頷いた。涙を拭い、少し深呼吸をして自分を落ち着ける。
「さて、もう1つ。頼みたい事がある。」
「?」
「一緒にナミネを助けてくれ。」
リクだ。相変わらずフードを被って正体を隠している。リクは北の森を出て右に曲がり、アクアス家の玄関前に立ち、軽くノックをした。
「?」
さっきまで風呂に入っていたクロナはすぐに音に気が付いた
「ちょっと待っててくださーい!!」
そう叫んでおよそ数秒の早さで着替え、玄関を開けた。そこには当然、黒コートに身を包んだリクがいた。クロナはリクを見た瞬間にキーブレードを出現させ、構えた。クロナはリクが]V機関の一員だと思って警戒しているのだろう。リクは無抵抗という事を示すため言う
「まて、俺は敵じゃないぞ。」
両手を上げながら言った。クロナはそれを信じたのか、キーブレードを構えるのを止め、リクを家の中に招き入れた。
とりあえずソファーに座っているリク。暫く待っていると、クロナがコーヒーを2つ運んできた。アクアス家では客にコーヒーをご馳走するのがお決まりだという。リクはそのコップを取り、早速飲んでみた。クロナが突然飲んだリクを見て、『熱くないのか』と言うような顔をしたが、リクがコップを置き、
「うん、良い味だ。」
「そりゃ良かった。」
ほとんど棒読みでクロナは答えた。やはりまだ警戒しているのだろう。クロナも別のソファーに座り、テーブルを挟んで、向かい合わせの状態となった。
「本題に入るけど、貴方は何者?」
「リクだ。ソラの友達だ。」
「へぇ、貴方がリク?それを証明する何かはあるの?」
かなり憎んだ声でリクに聞いた。するとリクは首を振り言った
「いや、信じなくても良い。信じろと言う方が不可能だからな。」
「そう………。」
「俺は、お前に大事な事を伝えに来た。」
リクがその言葉を放った時、クロナの目つきが変わった。先程までは警戒心まるだしだったのだが、今はその言葉の意味が気になって仕方がない。それにクロナは何となく感じていた。自分にとって、何か大事な事だと。
「レイは………変わってしまった。」
「レイ君!?」
その名前を聞いた時、非常に驚いた。その名前を久しぶりに聞いたのもあったが、リクが放った内容にも驚いた。彼の変貌は前からあったが、それが更に変貌したという事なのだろうか
「レイを変貌させたのは、ブラックパラデス。」
「ブラックパラデス?」
リクは鈴神がしていたのと同じ事をクロナに説明した。その途中、途中でクロナは唸っていたが、うろ覚えながらもちゃんと理解してくれた。
「何か、助ける方法は無いの?」
「方法は1つ、ブラックパラデスを手放させる事だな。だがそうすると、レイの記憶は消えてしまう。つまり、『記憶はあるが、闇に操られたレイ』を取るか、『記憶を失っているが闇から解放されたレイ』を取るか。2つに、1つだ。」
「…………選べない。」
クロナは一筋の涙を流し、俯いた。
「どっちにしても、私の傍にレイ君はいない………そんなの、耐えきれないよ!!」
思わず叫んでしまった。暫く会っていない為か、クロナは彼の事が前よりもずっと恋しくなっているようだ。リクの口から語られた選択肢。簡単に言えば『意志』を取るか、『の記憶』を取るか。リク曰く2つに1つ。クロナにとってはどちらかでも無くなると、その時点でそれは彼ではない。意志が無ければ彼は自分の隣におらず、記憶が無ければ自分の事すら覚えていない。そんなのクロナには耐えきれないのだ。止まらないクロナの涙はどんどん床にこぼれ落ちる。
「そんなことは無い。」
リクが突然言った。クロナは先程まで下を向いていた顔を上げる。
「そんなことは無いさ。心は、ちゃんと覚えてる。」
リクのその言葉にクロナは頷き、また頷いた。涙を拭い、少し深呼吸をして自分を落ち着ける。
「さて、もう1つ。頼みたい事がある。」
「?」
「一緒にナミネを助けてくれ。」