HEARTS11【純心の少女】
俺は旅立つ前に一旦デスティニーアイランドに戻っていた。この高台は俺にとっては『もう1つ』の故郷なので、暫く帰ってこれない事を考えると名残惜しい。このいつもの場所で町の景色を眺めなからアイスを食べている。
今日はアイスの味がやけに切ない。いや、味は甘くてしょっぱいいつもの味なのだが、こことの別れが中々出来なくて、妙に切ない味に感じるのだろう。あえて言うなら、涙の味のように
「…………み」
何処からか少女がしたような気がしたが、俺の耳には一切入らなかった。虚ろな瞳で空を見上げていると誰かの声がはっきりと聞こえた。
「ねぇ君!」
「うわっ!」
いきなり叫ばれて驚き、振り替えるとそこには以前祭りの時に出会った赤い髪の少女がいた。俺と同じ青い瞳からは何処か純粋な光を感じる。
「な、何?」
あまりにも突然の事だったので、少しおどけた声で聞く。少女は軽く笑顔を作り言った
「君、前会ったよね?ここで何してるの?」
何故か興味津々に聞く少女はまるでこちらの事を警戒していない。アイスを食べ終わったのでアイスの棒を近くのゴミ箱に捨てに行きながら言う
「ちょっとね。景色を見てた」
そう素っ気なく答え、ゴミ箱にアイスの棒を放り投げる。その後改めて崖に座り、再び少女を見た
「ふぅん。隣、良い?」
「OK」
少女は左隣に腰を掛ける。この席は普段はフィオが座る所である。こうして並んで見てみると、座高が1頭身近く違う事がわかる。こう見えて俺は身長170pなのだが、正直もっと延びてほしい物である
「所で、君、名前は?」
彼女の当然の質問。しかし俺はすぐには答えずあえてこう言う事にした。
「人に物を訪ねる時はまず自分から、だよ」
俺のルールであり、大抵少女がしたような質問に対してこう答える事が多い。少女が少し微笑み、改めて名乗る
「私はカイリ。宜しくね」
「俺はレイ、レイ・ディアス!宜しくね!」
お互いに自己紹介する。少女――カイリは意外にも簡単に意気投合し、色んな事を話した。俺もこれまでの事を意外にも簡単に話せるほど気が合う事に驚きを感じた。
「キーブレード………。あっ、もしかして!」
「?」
カイリは俺の話を聞き、何かに感付いたようだ。
「他の世界から!?」
その言葉を聞いてとても驚いた、何故ならそれは事実だから。俺は元々、アースという世界の出身で、訳あってこのデスティニーアイランドに移り住んだのだ。フィオとダークもアースの出身で俺についてきてくれた。
「何でわかったの?」
恐る恐る聞いてみるとカイリはその質問に答えてくれた。
「実は私も他の世界から来てるんだ……だから、他の世界の匂いってすぐわかるの。」
その言葉に何となく納得し、カイリにシーソルトアイスを手渡した。渡す際に食べてみてと言い、カイリは静かに頷く。何故だかわからないが、俺はしょっちゅうここに来てはここに来る人にアイスをあげている気がする。
それを口にしたとき、口の中に甘い、だけどしょっぱい不思議な味が広がった。一言で言うなら海の水のしょっぱさである。
「甘くて……しょっぱい……」
「でも美味しいでしょ?ここでいつもフィオとダークって言う友達と一緒に食べるんだ」
大変明るいイントネーションでそう言った。その明るさはカイリに何かを感じさせていたようで、何故かボーッとしている。それを不自然だと思わない訳がなく、彼女の名前を呼んだ。
「カイリ?」
カイリの様子が明らかにおかしい、先程まであんなに明るかったと言うのに石ころ同然に動かない。暫く様子を見ているとカイリがさっきまでとはまるで違う、切ない声を発した。
「レイ…………、私の話を…………聞いてくれる?」
今にも泣きそうな声で話を聞くように頼んでくるが正直な所イマイチ状況を把握出来てない。でも流石に放っておけないのでカイリの話を聞く事にした。
今日はアイスの味がやけに切ない。いや、味は甘くてしょっぱいいつもの味なのだが、こことの別れが中々出来なくて、妙に切ない味に感じるのだろう。あえて言うなら、涙の味のように
「…………み」
何処からか少女がしたような気がしたが、俺の耳には一切入らなかった。虚ろな瞳で空を見上げていると誰かの声がはっきりと聞こえた。
「ねぇ君!」
「うわっ!」
いきなり叫ばれて驚き、振り替えるとそこには以前祭りの時に出会った赤い髪の少女がいた。俺と同じ青い瞳からは何処か純粋な光を感じる。
「な、何?」
あまりにも突然の事だったので、少しおどけた声で聞く。少女は軽く笑顔を作り言った
「君、前会ったよね?ここで何してるの?」
何故か興味津々に聞く少女はまるでこちらの事を警戒していない。アイスを食べ終わったのでアイスの棒を近くのゴミ箱に捨てに行きながら言う
「ちょっとね。景色を見てた」
そう素っ気なく答え、ゴミ箱にアイスの棒を放り投げる。その後改めて崖に座り、再び少女を見た
「ふぅん。隣、良い?」
「OK」
少女は左隣に腰を掛ける。この席は普段はフィオが座る所である。こうして並んで見てみると、座高が1頭身近く違う事がわかる。こう見えて俺は身長170pなのだが、正直もっと延びてほしい物である
「所で、君、名前は?」
彼女の当然の質問。しかし俺はすぐには答えずあえてこう言う事にした。
「人に物を訪ねる時はまず自分から、だよ」
俺のルールであり、大抵少女がしたような質問に対してこう答える事が多い。少女が少し微笑み、改めて名乗る
「私はカイリ。宜しくね」
「俺はレイ、レイ・ディアス!宜しくね!」
お互いに自己紹介する。少女――カイリは意外にも簡単に意気投合し、色んな事を話した。俺もこれまでの事を意外にも簡単に話せるほど気が合う事に驚きを感じた。
「キーブレード………。あっ、もしかして!」
「?」
カイリは俺の話を聞き、何かに感付いたようだ。
「他の世界から!?」
その言葉を聞いてとても驚いた、何故ならそれは事実だから。俺は元々、アースという世界の出身で、訳あってこのデスティニーアイランドに移り住んだのだ。フィオとダークもアースの出身で俺についてきてくれた。
「何でわかったの?」
恐る恐る聞いてみるとカイリはその質問に答えてくれた。
「実は私も他の世界から来てるんだ……だから、他の世界の匂いってすぐわかるの。」
その言葉に何となく納得し、カイリにシーソルトアイスを手渡した。渡す際に食べてみてと言い、カイリは静かに頷く。何故だかわからないが、俺はしょっちゅうここに来てはここに来る人にアイスをあげている気がする。
それを口にしたとき、口の中に甘い、だけどしょっぱい不思議な味が広がった。一言で言うなら海の水のしょっぱさである。
「甘くて……しょっぱい……」
「でも美味しいでしょ?ここでいつもフィオとダークって言う友達と一緒に食べるんだ」
大変明るいイントネーションでそう言った。その明るさはカイリに何かを感じさせていたようで、何故かボーッとしている。それを不自然だと思わない訳がなく、彼女の名前を呼んだ。
「カイリ?」
カイリの様子が明らかにおかしい、先程まであんなに明るかったと言うのに石ころ同然に動かない。暫く様子を見ているとカイリがさっきまでとはまるで違う、切ない声を発した。
「レイ…………、私の話を…………聞いてくれる?」
今にも泣きそうな声で話を聞くように頼んでくるが正直な所イマイチ状況を把握出来てない。でも流石に放っておけないのでカイリの話を聞く事にした。
■作者メッセージ
次回では、カイリの心の内を描きます!お楽しみに!