CHAPTER53【選ばれし者】
「「勇者の力?」」
クロナとヒトミの二人が声を揃えて言った。キルアントがそう言い出したのだ。
「あぁ。恐らくヒトミが闇の力を使えるのは、ファイブ・ブレード伝説の5人の勇者の力を継いでいると思われる。」
キルアントが手に持っていた歴史書を開き、クロナ達にも見える場所に置いた。歴史書のページにはファイブ・ブレード伝説の事が記されており、そこに5人の勇者達の詳しい詳細が載っている。
「一人目。絶対的なパワーを誇り、どんな物でも砕く、灼熱のキーブレード使い。その名もエンキ!力を受け継いだ者の候補はまだわからない。二人目。氷のような冷静さで、どんな状況でも仲間達を希望へと先導する、類いまれなる戦術士キーブレード使い。名はヒョウコ。これも候補は不明だ。三人目。電の如く戦場を駆け抜け、残像さえも操る、電撃の光速キーブレード使い。名はライジン。私としては候補はフィオであると考えている。」
「えっ!?フィオ君が!?」
「まぁ、あくまでも予想だがな。四人目。その明るさは人々に希望を与え、その輝きは暗闇の世界を照らす、願いのキーブレード使い。名はヒカリ。候補は恐らくレイだ。5人目。圧倒的な力を持ち、その漆黒は冥府の扉を開く、邪悪なるキーブレード使い。名はイルム。候補は先程言った通りヒトミだ。」
およそ5分でキルアントの簡単な解説が終了した。5人の勇者の内、三人の勇者候補がわかっている。だが、キルアント曰くあくまでも予想なのでこの候補が本当に勇者達の力を継いでいるのかは明確ではない。
「私が…………勇者!?」
「可能性があるだけだがな。」
「……………いやったあぁぁぁぁ!!」
ヒトミが大喜びで飛び上がる。まだ本当に勇者なのかはわかっていないと言うのに、かなりのはしゃぎようだ。その様子を見ていたクロナは、ヒトミの姿に以前の明るかった時の彼重ねた。
クロナはあのときの彼が誰よりも大好きだった。しかし、リクから聞いた情報では彼は変わってしまっているらしい。クロナはまた彼に逢いたいと強く願い、あの青空を見上げた。
その時だった。太陽が黒い雲に隠され、雨が降り始めたのだ。
「大変!雨が降ってきちゃってる!」
クロナは急いで家まで走る。ヒトミもその後を追いかけるようにして走り出した。クロナの家はここからは少し遠い為、少なくとも十五分は掛かる。雨でビショビショになるのは目に見えている。
「フッ………。」
キルアントはなんと背後に闇の回廊を出現させ、倒れ落ちるようにして入った。その雨は今日の午後3時まで続いた。
クロナとヒトミの二人が声を揃えて言った。キルアントがそう言い出したのだ。
「あぁ。恐らくヒトミが闇の力を使えるのは、ファイブ・ブレード伝説の5人の勇者の力を継いでいると思われる。」
キルアントが手に持っていた歴史書を開き、クロナ達にも見える場所に置いた。歴史書のページにはファイブ・ブレード伝説の事が記されており、そこに5人の勇者達の詳しい詳細が載っている。
「一人目。絶対的なパワーを誇り、どんな物でも砕く、灼熱のキーブレード使い。その名もエンキ!力を受け継いだ者の候補はまだわからない。二人目。氷のような冷静さで、どんな状況でも仲間達を希望へと先導する、類いまれなる戦術士キーブレード使い。名はヒョウコ。これも候補は不明だ。三人目。電の如く戦場を駆け抜け、残像さえも操る、電撃の光速キーブレード使い。名はライジン。私としては候補はフィオであると考えている。」
「えっ!?フィオ君が!?」
「まぁ、あくまでも予想だがな。四人目。その明るさは人々に希望を与え、その輝きは暗闇の世界を照らす、願いのキーブレード使い。名はヒカリ。候補は恐らくレイだ。5人目。圧倒的な力を持ち、その漆黒は冥府の扉を開く、邪悪なるキーブレード使い。名はイルム。候補は先程言った通りヒトミだ。」
およそ5分でキルアントの簡単な解説が終了した。5人の勇者の内、三人の勇者候補がわかっている。だが、キルアント曰くあくまでも予想なのでこの候補が本当に勇者達の力を継いでいるのかは明確ではない。
「私が…………勇者!?」
「可能性があるだけだがな。」
「……………いやったあぁぁぁぁ!!」
ヒトミが大喜びで飛び上がる。まだ本当に勇者なのかはわかっていないと言うのに、かなりのはしゃぎようだ。その様子を見ていたクロナは、ヒトミの姿に以前の明るかった時の彼重ねた。
クロナはあのときの彼が誰よりも大好きだった。しかし、リクから聞いた情報では彼は変わってしまっているらしい。クロナはまた彼に逢いたいと強く願い、あの青空を見上げた。
その時だった。太陽が黒い雲に隠され、雨が降り始めたのだ。
「大変!雨が降ってきちゃってる!」
クロナは急いで家まで走る。ヒトミもその後を追いかけるようにして走り出した。クロナの家はここからは少し遠い為、少なくとも十五分は掛かる。雨でビショビショになるのは目に見えている。
「フッ………。」
キルアントはなんと背後に闇の回廊を出現させ、倒れ落ちるようにして入った。その雨は今日の午後3時まで続いた。