CHAPTER55【予感】
「来ましたね。」
鈴神のいるディズニーキャッスルの謁見室に集まるA班の俺、クロナ、シュージ、白凰。B班のライガ、ダーク、黒凰、ドナルド。鈴神が俺の目をチラッと見る。クロナには何故か鈴神が微笑んだように見えたが、恐らく気のせいだと思い、気にしない事にした。
「C、D班はもう出発させました。私も後から合流する予定です。さて、みなさんはユナイテッドサテライトへ向かって、DEDの拠点を叩いてきてください!」
「「「「「「「「はい!!」」」」」」」」
出発前の事、俺とクロナ、シュージとドナルドはミッキーのお見舞いに治療室を訪れていた。ミッキーはあれから一向に目を覚まさず、城の使い達も心配している。
「王様、大丈夫かなぁ?」
「大丈夫さ。ミッキー王なら。」
「シュージ先輩の言う通りだね。」
三人がベッドで眠っているミッキーを見つめながら会話をしているが、自分だけは壁に持たれて黙っているだけ。これだけでも変化がわかるが、クロナは理解出来なかった。いや、したくないだけなのだろうか。この世で一番大切な人の変貌など、受け入れられないという事だろうか。
その時だった。ミッキーが目を覚ましたのだ。
「「「ミッキー王(王様)!!」」」
「うぅっ………みんな……。」
ミッキーは傷が完全に癒えたのか、何事も無かったかのように起き上がり、みんなの顔を順番に見る。だが、最後に俺の顔を見た途端、表情を変え、俺に向かって光の弾丸を放つ魔法、ホーリーを放った。
「「「!?」」」
三人は突然のミッキーの行動に驚く。ホーリーを当然避け、ホーリーは壁にぶち当たり、命中した部分に大きな風穴が開いてしまった。
「ミッキー王!何をしているのです!?」
「彼は………敵だ!」
そう叫ぶとほぼ同時にキーブレードを出現させ、俺に襲いかかる。三人は全く意味がわかっていない。俺はその攻撃の全てを冷静に避けた。
「病み上がりなんだし、休んだら?」
「それは出来ない!何故なら、君は僕を襲ったからだ!!」
「何?」
遡る事三日前。ミッキーは礎の間で白いコートを着た何者かに襲われ、三日間も仮死状態にされていた。ミッキーは自分を襲った犯人を俺だと言っているが、あのときクロナ、白凰と共に中庭の方でアンチネス達と戦っていたので、まるで話が噛み合っていない気がする。
「王様!落ち着いてください!」
俺に攻撃をしようとしたミッキーをドナルドが止める。ミッキーはドナルドさえどかそうとしたが、流石にそんなことは出来ず、キーブレードの姿を消した。俺は無口なまま治療室を出て、格納庫に用意してあるグミシップへと乗り込む。
「そ、それじゃあ………。」
クロナ、シュージ、ドナルドはミッキーに手を振りながら部屋を出る。三人もグミシップに乗り込み、チップとデールの『準備は良い?』の声にみんな『OK!』と速答だった。
他のメンバーも後から合流し、合計8人を乗せたグミシップはユナイテッドサテライトへ向けて飛びだった