CHAPTER56【ユナイテッドサテライトへ】
「切りがない!」
そう叫んだのはソラだった。ソラ達は裏側のトワイライトタウンに存在していた闇の裂け目の中に入り、機関のいる世界へ続く回廊のような場所にたどり着いたのだが、その途端に大量のノーバディが現れ、ソラ達は応戦しているのだが、数があまりにも多すぎる。
「どうするんですかフィオさん!」
「僕に言われても……!」
フィオと紫音も流石に焦っているようだ。紫音のキーブレードがあのとき何故現れたのかはわからないので、紫音は今は仕方無く魔法で戦っているが、すでに体力が限界に達している。
「どうする、ソラ君。」
リアスがソラに聞く。彼の時は名字で呼ぶようだが、ソラは名前で普通に呼ぶようだ。ソラはわからないと言う代わりに首を振った。応戦するのに精一杯で、考えてる暇が無いのだ。
その時だった。何処からかチャクラムが二つ飛んできて、ノーバディを幾つか倒した。
「立ち止まるな!闇に飲まれるぞ!」
その声の主は上から降りてきた。赤い髪で全体的にオールバックな髪型、機関のコート。]V機関のアクセルだ。
「行けよ!」
「どうして?貴方は敵なんでしょ?」
「理由なんて良いから行けって!」
アクセルはノーバディ達に背後から攻撃を受け、倒れた。近くにいたヒトミがノーバディ達を倒し、アクセルを助けた。
「大丈夫!?」
「あぁ、すまねぇな!」
落ちていたチャクラムを手に取り、アクセルは立ち上がる。そして助けてくれたヒトミ、向こうで戦っているソラを見つめて呟いた。
「ロクサス………俺は決めたぜ……!」
「えっ?」
「いや、何でもねぇ。とにかくこいつらをかたずけるぞ!」
「OK!」
アクセルの加勢で6人となった一同はノーバディ達と戦う。ソラとリアスは絶妙なコンビネーションでノーバディ達を蹴散らしていく。
フィオと紫音はお互いの魔法を融合させ、巨大な炎の塊、いや、巨大な炎の隕石と言うべきか。炎の隕石をノーバディ達に向かって落とした。
ヒトミとアクセルは若干コンビネーションがなっていない物の、見事にノーバディ達を倒し、ここにいるノーバディは全滅した。
「なぁアクセル。」
ソラがアクセルの方を見て、聞いた。
「なんで俺達を助けたんだ?」
「さぁな、ただ………、」
「ただ?」
「お前らを助けてやる気になっただけだ。」
「そっか。でも嬉しいよ!」
「へっ。」
アクセルが右手をかざすと、そこから新しい闇の裂け目が現れた。
「この先に機関の城がある。行こうぜ。」
その言葉にみんな頷き、順番に入っていく。その最後尾となったアクセルは裂け目に入る前に心の中で呟いた。
(ロクサス………俺は決めたぜ……!俺は、お前の為に戦う!)
「ここが、ユナイテッドサテライト?」
一方その頃俺達がたどり着いたのは、子供の頃に思い描いたような未来的な町その物だった。全体的に水色の町並みで、車にタイヤがついておらず、浮いている。よく見ると町の住人は全てロボットで、まさに機械の町と言えよう。
「って!」
よく見ると自分達の姿が変わっていた。元の姿をベースに全体的にロボットになっている。この世界のルールにそってこの姿になったのだろうか。
「ロボットか……。」
「ガキのころ、よくロボットになりたいとか言ってたっけ?シュージ。」
「あぁ。今となっては良い思い出だ。」
「だな。でも、一回はなって見たかったんだ!なぁダーク!」
ライガが笑顔でダークの方に振り向くと、衝撃的な光景がライガの目に写った。
「ちっとも良くねぇよ!なんだこの姿は!?」
ダークのロボット姿はお鍋を被っており、様々なガラクタで出来た身体、しかも足元が若干ボロい。所謂ポンコツロボットの姿である。
「プッ……アハハハハ!!ダークなんだその姿!!」
「グワワワ!!」
「お、お前らなぁ………!!」
ダークが顔を赤くして一番先頭へと走る。
「と、とにかく行くぞ!」
ダークのシュール過ぎる見た目に笑っていたメンバーもその言葉で今回の目的を思い出し、一同はユナイテッドサテライトの住宅街へと向かう