CHAPTER58【大量のアンチネス】
「暗黒島ダークエンドだと?」
存在しなかった城の中を進んでいくディアと賢者アンセム。アンセムは先程ディアにクロナの夢の中でローグ達が言っていた暗黒島ダークエンドの事を教えた。
「あぁ。もうすぐこの世に浮上してくる。さすれば世界はたちまち滅びてしまうだろう。」
やがて夜空がはっきりと見える場所に出てきた。これまでビックリするほどノーバディ達と出くわしていない。どういう事なのかディアにもさっぱりわからないが、これはむしろ賢者アンセムから色んな情報を聞き出すチャンスだ。
「所でディア君。」
「なんだ?」
ディアが質問をする前に賢者アンセムが装置の調整をしながらディアに話しかける。
「君は、ハイイレギュラーなる物を知っているかね?」
「【ハイイレギュラー】?」
聞き覚えの無い言葉だった。賢者アンセムの口から発された謎の言葉。賢者アンセムは装置の調整、及びセッティングが完了したのか、ディアの方を向いて言った。
「所謂、例外が重なりすぎた存在の事だ。人の心は本来1つ。だがとある少年の心は何者かによって無理矢理二つに分離させられた。人の身体から心が離れ、その心が闇に敗れると、その心はハートレス、もしくはアンチネスとなってしまう。心が抜けた人は当然消滅する訳だが、とある少年は違ったのだ。」
「?」
「とある少年は何者かによって心を二つに分離した。その為に抜かれた方の心がアンチネスとなったのだが、もう半分の心が身体に留まったお陰で消滅は免れた。しかも、その少年のさらに半分、闇の部分は具現化し、その少年と対立した。」
「っ!それってもしかして………!!」
「そう、レイ・ディアス君だ。彼は生まれる前の状態、つまり心のみの状態の時に謎の力によって心を半分抜き取られた。しかもそれは闇がほとんどであった。しかもその心は闇に敗れ、アンチネスになった。そして残った心はある物と接触したのだ。」
「ある物?」
「あれを見るがいい。」
賢者アンセムが指差す方には、この薄暗い不気味な空を照らすようにして浮かぶキングダムハーツの姿があった。しかもそのキングダムハーツにはどんどん心が集まって行っているようにも見える。
「あれとは少し違うが、彼はキングダムハーツの声を聞いたのだ。」
「レイは…………キングダムハーツの声を聞けるって事か………!」
一方その頃、ユナイテッドサテライトの住宅街では、俺が片っ端から検問扉を破壊しつくしていた。破壊しつくしていると言っても破壊しているのは細工してあるシステムだけなので、特にメインシステムに影響は無い。
「行くぞ。」
「待ってレイ君!」
俺が単独で歩いていく。その後をドナルドを含めた6人が追いかける。
長らく歩いておよそ10分。俺が突然立ち止まった。
「どうしたの?レイ君?」
「あれ……。」
俺があの高い大空を指差す。すると大空から何かが飛来してきた。それは一体のアンチネスだった。何となくムカデを連想させるような白いワイバーンの姿をしており、こちらを睨んでいる。
「アンチネス!」
アンチネスはすぐに目の前にいる俺に攻撃を仕掛けるが、ブラックパラデスによってあっさり弾かれた。
「………!」
俺は何か危険を察知し空を見た。それは誰もが予想しえない、いや、もはや想像すらしたくない光景だった。なんと、今目の前にいるアンチネスと全く同じ種類のアンチネス達が空を埋めつくし、飛行していた。俺達と戦っていたアンチネスもその群れに合流し、大量すぎるアンチネス軍団はユナイテッドサテライトの住宅街方面へと向かっていく。
「何あれ!?」
「くっ!皆の衆、ここは2手に別れようぞ!我とシュージ先輩、ドナルドに黒凰はユナイテッドサテライトの町を守ろう!」
「「「わかった!」」」
そう大きく変事を返すと、白凰、シュージ、黒凰、そしてドナルドは急いで町の方へと走っていった。
「さてと……。」
残った三人。俺は相変わらず無表情で進む事しか考えていない。その証拠に足元がウズウズしている。それを見たライガは言った
「よし、ここからは俺達三人でDEDの拠点を探そうぜ。俺が全力でバックアップするから二人は前線を頼む」
「わかった!」
そう言うと二人は走り出した。それにつられるかのように走り出す。その様子はまるで子供のおいかけっこを見ているようだ。一同は何処かにあるはずのDEDの拠点を探す為、ただひたすら走り続ける。
存在しなかった城の中を進んでいくディアと賢者アンセム。アンセムは先程ディアにクロナの夢の中でローグ達が言っていた暗黒島ダークエンドの事を教えた。
「あぁ。もうすぐこの世に浮上してくる。さすれば世界はたちまち滅びてしまうだろう。」
やがて夜空がはっきりと見える場所に出てきた。これまでビックリするほどノーバディ達と出くわしていない。どういう事なのかディアにもさっぱりわからないが、これはむしろ賢者アンセムから色んな情報を聞き出すチャンスだ。
「所でディア君。」
「なんだ?」
ディアが質問をする前に賢者アンセムが装置の調整をしながらディアに話しかける。
「君は、ハイイレギュラーなる物を知っているかね?」
「【ハイイレギュラー】?」
聞き覚えの無い言葉だった。賢者アンセムの口から発された謎の言葉。賢者アンセムは装置の調整、及びセッティングが完了したのか、ディアの方を向いて言った。
「所謂、例外が重なりすぎた存在の事だ。人の心は本来1つ。だがとある少年の心は何者かによって無理矢理二つに分離させられた。人の身体から心が離れ、その心が闇に敗れると、その心はハートレス、もしくはアンチネスとなってしまう。心が抜けた人は当然消滅する訳だが、とある少年は違ったのだ。」
「?」
「とある少年は何者かによって心を二つに分離した。その為に抜かれた方の心がアンチネスとなったのだが、もう半分の心が身体に留まったお陰で消滅は免れた。しかも、その少年のさらに半分、闇の部分は具現化し、その少年と対立した。」
「っ!それってもしかして………!!」
「そう、レイ・ディアス君だ。彼は生まれる前の状態、つまり心のみの状態の時に謎の力によって心を半分抜き取られた。しかもそれは闇がほとんどであった。しかもその心は闇に敗れ、アンチネスになった。そして残った心はある物と接触したのだ。」
「ある物?」
「あれを見るがいい。」
賢者アンセムが指差す方には、この薄暗い不気味な空を照らすようにして浮かぶキングダムハーツの姿があった。しかもそのキングダムハーツにはどんどん心が集まって行っているようにも見える。
「あれとは少し違うが、彼はキングダムハーツの声を聞いたのだ。」
「レイは…………キングダムハーツの声を聞けるって事か………!」
一方その頃、ユナイテッドサテライトの住宅街では、俺が片っ端から検問扉を破壊しつくしていた。破壊しつくしていると言っても破壊しているのは細工してあるシステムだけなので、特にメインシステムに影響は無い。
「行くぞ。」
「待ってレイ君!」
俺が単独で歩いていく。その後をドナルドを含めた6人が追いかける。
長らく歩いておよそ10分。俺が突然立ち止まった。
「どうしたの?レイ君?」
「あれ……。」
俺があの高い大空を指差す。すると大空から何かが飛来してきた。それは一体のアンチネスだった。何となくムカデを連想させるような白いワイバーンの姿をしており、こちらを睨んでいる。
「アンチネス!」
アンチネスはすぐに目の前にいる俺に攻撃を仕掛けるが、ブラックパラデスによってあっさり弾かれた。
「………!」
俺は何か危険を察知し空を見た。それは誰もが予想しえない、いや、もはや想像すらしたくない光景だった。なんと、今目の前にいるアンチネスと全く同じ種類のアンチネス達が空を埋めつくし、飛行していた。俺達と戦っていたアンチネスもその群れに合流し、大量すぎるアンチネス軍団はユナイテッドサテライトの住宅街方面へと向かっていく。
「何あれ!?」
「くっ!皆の衆、ここは2手に別れようぞ!我とシュージ先輩、ドナルドに黒凰はユナイテッドサテライトの町を守ろう!」
「「「わかった!」」」
そう大きく変事を返すと、白凰、シュージ、黒凰、そしてドナルドは急いで町の方へと走っていった。
「さてと……。」
残った三人。俺は相変わらず無表情で進む事しか考えていない。その証拠に足元がウズウズしている。それを見たライガは言った
「よし、ここからは俺達三人でDEDの拠点を探そうぜ。俺が全力でバックアップするから二人は前線を頼む」
「わかった!」
そう言うと二人は走り出した。それにつられるかのように走り出す。その様子はまるで子供のおいかけっこを見ているようだ。一同は何処かにあるはずのDEDの拠点を探す為、ただひたすら走り続ける。