CHAPTER59【レイの秘密】
「それで、レイのアンチネスって?」
先程衝撃的な事を賢者アンセムから聞いたディア。そもそも心に光しかない彼にアンチネスなんて生まれるのだろうか。そう思った矢先、アンセムの口から信じられない事実が明かされる。
「レイは生まれる以前から何者かの手によって、心を無理矢理奪われてしまった。しかも、闇の部分がほとんど。それはつまり、ハートレスにするには好都合な闇の心という事だ。」
「なるほど………。」
「そしてその後、キングダムハーツの声を聞いたレイは、光の心を取るか、闇の心を取るか問われた。」
「ちょっと待てよ!さっきあんた、闇の部分を取られたって言ってなかったか!?」
「いや、確かに闇の部分は取られたが、完全に取られた訳ではなく、ほんの少し残っている。まぁ数字で表すなら、100%中40%の闇が何者かに奪われ、後10%の闇が残っている闇という事だ。」
「………。」
ディアは少し自分の事について考えて見た。自分はその彼の心の闇の部分。彼の僅かな闇から生まれた存在。純粋な闇の存在であるにも関わらず光が芽生えはじめているのは、闇が僅か10%しかなかったからという事だろうか。
「そしてレイが出した答えは光だった。キングダムハーツはレイの心に光だけを残し、闇の心を完全に切り捨てた。」
「それで俺が生まれたって事か……。」
「そう言う事だ、セイ君。」
「俺を知ってるのか!?」
「いや、今はディア君と呼ぶべきかな。」
ディアは驚いた。なんとアンセムは自分の事を知っていたのだ。アンセムはさらに話を続ける。
「その後レイは無事に生まれ、立派に成長した。そして、君と出会った。」
ディアは当時の事を思い返しながらアンセムの話を聞いていた。
『お前の力、見せてくれよ……!』
『くっ………!』
「君の計画はレイによって阻止され、君の存在は消えた。だが、」
「だが?」
「その時に、ノーバディまでも生まれた。」
「何だと!?」
とてもじゃないが信じられるはずの無い単語が確かにディアの耳に聞こえた。
そもそもノーバディとは、強い心がハートレス、またはアンチネスになるとき、残った脱け殻に意思が宿り動き出すという物。しかし、そんな瞬間なんてあのときあっただろうか。彼の身体は少なくともディアが倒された時点では正常に戻ったはず。アンセムは話を続ける。
「実はと言うと、媒介としたのはレイではなく君の身体なのだ。」
「えっ?」
「考えても見るがいい。君はあのときレイに倒された。つまり、君の存在は消える。だがレイの心の力によって、幸い心だけはこの世に留まった。つまり、どういう事かわかるかね?」
「なんだ?」
「すでにアンチネスは生まれている。そこで身体から心が抜けた事により、君の前の身体はノーバディとなったのだ。」
「つまり、レイじゃなくて実質俺のノーバディ………。」
「その通り。だが君はレイの闇の部分だ。事実上はレイのノーバディだ。」
「そうか………。」
ディアにはあまりにも衝撃的すぎた。なんと彼はアンチネス、ノーバディ、闇の存在をそれぞれ産み出していたのだ。だが、アンチネスは何処にいるのかわからないし、ノーバディも見たことが無い為、正直確信が持てなかった。
「それで、アンチネスとノーバディは今何処に?」
「ノーバディは……すでに動き始めている。アンチネスは……すでにここを目指して歩いてきている。」
「何っ!?」
一方その頃、ソラ達は、存在しなかった城にたどり着いていた。
「ここが]V機関の城………!」
ソラが辺りを人通り見渡す。何処を見てもあのノーバディのマークがあり、なんとも不気味だ。
「ソラ君、危ない!」
リアスがソラに叫ぶ。なんと何処からか弾丸が飛んできて、ギリギリの所でソラに命中しなかった。
「ちっ、当たらなかったか。」
「姿を見せろ!」
謎の声に姿を見せろと叫ぶリアス。やがて闇の裂け目が開き、そこから]V機関の一員、シグバールが現れた。
「ようこそ、機関の城へ。歓迎するってハナシ。」
「こんな歓迎の仕方、されても嬉しく無いね!」
「へっ、言ってくれるじゃねえか。でも俺はお前らの相手をしに来たんじゃねえ。そこにいる、裏切り者をかたずけに来たってハナシ。」
シグバールがアクセルを指差して言った。
「そういやお前、前から目敏い行動ばっかりだったからなぁ。いつか裏切ると思ったぜ。」
「話したい事はそれだけか?」
「何?」
言い出したのはアクセルだった。アクセルは両手にチャクラムを構え、シグバールの前に立ちはだかった。
「お前ら、先に行け。ここは俺がやる。」
「でも………!」
「良いから行け!」
みんな最初は躊躇したが、結果黙って走る事にした。
「(アクセル………!)」
みんながどれだけアクセルの心配をしても、勇者達は進むしか無いのだ
先程衝撃的な事を賢者アンセムから聞いたディア。そもそも心に光しかない彼にアンチネスなんて生まれるのだろうか。そう思った矢先、アンセムの口から信じられない事実が明かされる。
「レイは生まれる以前から何者かの手によって、心を無理矢理奪われてしまった。しかも、闇の部分がほとんど。それはつまり、ハートレスにするには好都合な闇の心という事だ。」
「なるほど………。」
「そしてその後、キングダムハーツの声を聞いたレイは、光の心を取るか、闇の心を取るか問われた。」
「ちょっと待てよ!さっきあんた、闇の部分を取られたって言ってなかったか!?」
「いや、確かに闇の部分は取られたが、完全に取られた訳ではなく、ほんの少し残っている。まぁ数字で表すなら、100%中40%の闇が何者かに奪われ、後10%の闇が残っている闇という事だ。」
「………。」
ディアは少し自分の事について考えて見た。自分はその彼の心の闇の部分。彼の僅かな闇から生まれた存在。純粋な闇の存在であるにも関わらず光が芽生えはじめているのは、闇が僅か10%しかなかったからという事だろうか。
「そしてレイが出した答えは光だった。キングダムハーツはレイの心に光だけを残し、闇の心を完全に切り捨てた。」
「それで俺が生まれたって事か……。」
「そう言う事だ、セイ君。」
「俺を知ってるのか!?」
「いや、今はディア君と呼ぶべきかな。」
ディアは驚いた。なんとアンセムは自分の事を知っていたのだ。アンセムはさらに話を続ける。
「その後レイは無事に生まれ、立派に成長した。そして、君と出会った。」
ディアは当時の事を思い返しながらアンセムの話を聞いていた。
『お前の力、見せてくれよ……!』
『くっ………!』
「君の計画はレイによって阻止され、君の存在は消えた。だが、」
「だが?」
「その時に、ノーバディまでも生まれた。」
「何だと!?」
とてもじゃないが信じられるはずの無い単語が確かにディアの耳に聞こえた。
そもそもノーバディとは、強い心がハートレス、またはアンチネスになるとき、残った脱け殻に意思が宿り動き出すという物。しかし、そんな瞬間なんてあのときあっただろうか。彼の身体は少なくともディアが倒された時点では正常に戻ったはず。アンセムは話を続ける。
「実はと言うと、媒介としたのはレイではなく君の身体なのだ。」
「えっ?」
「考えても見るがいい。君はあのときレイに倒された。つまり、君の存在は消える。だがレイの心の力によって、幸い心だけはこの世に留まった。つまり、どういう事かわかるかね?」
「なんだ?」
「すでにアンチネスは生まれている。そこで身体から心が抜けた事により、君の前の身体はノーバディとなったのだ。」
「つまり、レイじゃなくて実質俺のノーバディ………。」
「その通り。だが君はレイの闇の部分だ。事実上はレイのノーバディだ。」
「そうか………。」
ディアにはあまりにも衝撃的すぎた。なんと彼はアンチネス、ノーバディ、闇の存在をそれぞれ産み出していたのだ。だが、アンチネスは何処にいるのかわからないし、ノーバディも見たことが無い為、正直確信が持てなかった。
「それで、アンチネスとノーバディは今何処に?」
「ノーバディは……すでに動き始めている。アンチネスは……すでにここを目指して歩いてきている。」
「何っ!?」
一方その頃、ソラ達は、存在しなかった城にたどり着いていた。
「ここが]V機関の城………!」
ソラが辺りを人通り見渡す。何処を見てもあのノーバディのマークがあり、なんとも不気味だ。
「ソラ君、危ない!」
リアスがソラに叫ぶ。なんと何処からか弾丸が飛んできて、ギリギリの所でソラに命中しなかった。
「ちっ、当たらなかったか。」
「姿を見せろ!」
謎の声に姿を見せろと叫ぶリアス。やがて闇の裂け目が開き、そこから]V機関の一員、シグバールが現れた。
「ようこそ、機関の城へ。歓迎するってハナシ。」
「こんな歓迎の仕方、されても嬉しく無いね!」
「へっ、言ってくれるじゃねえか。でも俺はお前らの相手をしに来たんじゃねえ。そこにいる、裏切り者をかたずけに来たってハナシ。」
シグバールがアクセルを指差して言った。
「そういやお前、前から目敏い行動ばっかりだったからなぁ。いつか裏切ると思ったぜ。」
「話したい事はそれだけか?」
「何?」
言い出したのはアクセルだった。アクセルは両手にチャクラムを構え、シグバールの前に立ちはだかった。
「お前ら、先に行け。ここは俺がやる。」
「でも………!」
「良いから行け!」
みんな最初は躊躇したが、結果黙って走る事にした。
「(アクセル………!)」
みんながどれだけアクセルの心配をしても、勇者達は進むしか無いのだ