HEARTS12【馳せる想い】
「私はね、他の世界から来たって言ったでしょ?」
彼女の表情がやけに真剣だったので静かに頷く事にした。この時すでに笑顔は消え失せ、カイリの話を真剣に聞いている。
「私、『彼』に助けられて、気が付いたら町長の家のベッドにいた。目が覚めたら横から声が、彼の声が聞こえた。『ねぇ、君大丈夫?』って……優しい声だった。」
「…………」
「それに、この世界に来てから、初めて話しかけてきてくれたのも、彼なんだ………」
カイリは過去の事をこの時思い出していた。
今から10年も前、どういう訳か島に流れ着き、そこに通り掛かった少年に見つけられたあのときを
『ねぇ!大丈夫!?』
『う、う〜ん………』
少年は仕方なくカイリをおぶって町に向かった。そして町長の家に預け、それ以降カイリは町長の家でお世話になっている。町長の手助けの元、学校に通い始めたが、この時はまだ人見知りで、ろくに話しかける事もままならなかった。だが、少年はカイリに話しかけて来た。少年はカイリにとって、この世界の初めての友達になった。
『ねぇ、君、なんて名前?』
『カイリ……。君は?』
『俺?俺はソラ!宜しくな!』
それが始まりだった。少年ソラと友達になり、カイリの人生は大きく変わった。ソラを通してソラの親友リクや、ソラの友達のティーダ、セルフィ、ワッカとも友達になり、笑顔が増えて、何もかもが楽しかった。だが、
「あのときの嵐が、私達を引き裂いた………!」
震えた声でカイリが話を続ける。今から1年前の事。ソラとリクとでみんなに内緒で外の世界に行くためにイカダを作り、旅立つ前夜に島を襲った嵐は、この世界をも壊し、3人を離ればなれにした。
「それから色々あって、また会えたけど……、」
『持ってって!大切なお守りなんだから、絶対返してよ!』
『…………必ず返すよ』
『約束だよ……?』
『………約束する』
『忘れないで……私が、何時でも側にいること……』
「あのとき私はソラを送り出したけど、笑顔で送り出したけど………!でも、本当は、本当はっ、いってほしくなくってっ……!本当はまだ一緒にいたくてっ……!でも……………!」
あまりの悲しみにとうとう涙を流したカイリ。涙をどれだけ吹いても、どんどん溢れてくる。カイリは手で顔を覆った。俺はこの時黙って見ている事しか出来なかった
数分後、カイリは何とか落ち着き、涙を拭った。正直表情をさっきから一切変えていない俺は一体どうしたら良いのかわからなくなっている。
「ごめんね……、急に泣いたりして……」
「いや、良いよ」
要らない情けだろうが、カイリを慰める。おそらくカイリには俺の言葉が妙に切なく感じてしまうのかもしれない。何故ならカイリは先程からソラの生まれ変わりのように俺の事を見ている。性格や雰囲気だろうか?そう言えばあのときも俺の事をソラと呼んでいた
「……………」
暫く沈黙状態が続いたが、俺はあることを思い付くとカイリを慰めるように彼女の肩に手を置きこう言った
「ねぇ、俺で良ければ何時でも会いに来るよ」
「えっ?」
カイリは少し驚いたが、笑顔で頷いた。俺の言った言葉が少しでも励みになったのなら嬉しい。その後、何時も通りキーブレードライドに乗り込み、カイリに手を振って、異空の回廊を開き回廊の中に突入した。
彼女の表情がやけに真剣だったので静かに頷く事にした。この時すでに笑顔は消え失せ、カイリの話を真剣に聞いている。
「私、『彼』に助けられて、気が付いたら町長の家のベッドにいた。目が覚めたら横から声が、彼の声が聞こえた。『ねぇ、君大丈夫?』って……優しい声だった。」
「…………」
「それに、この世界に来てから、初めて話しかけてきてくれたのも、彼なんだ………」
カイリは過去の事をこの時思い出していた。
今から10年も前、どういう訳か島に流れ着き、そこに通り掛かった少年に見つけられたあのときを
『ねぇ!大丈夫!?』
『う、う〜ん………』
少年は仕方なくカイリをおぶって町に向かった。そして町長の家に預け、それ以降カイリは町長の家でお世話になっている。町長の手助けの元、学校に通い始めたが、この時はまだ人見知りで、ろくに話しかける事もままならなかった。だが、少年はカイリに話しかけて来た。少年はカイリにとって、この世界の初めての友達になった。
『ねぇ、君、なんて名前?』
『カイリ……。君は?』
『俺?俺はソラ!宜しくな!』
それが始まりだった。少年ソラと友達になり、カイリの人生は大きく変わった。ソラを通してソラの親友リクや、ソラの友達のティーダ、セルフィ、ワッカとも友達になり、笑顔が増えて、何もかもが楽しかった。だが、
「あのときの嵐が、私達を引き裂いた………!」
震えた声でカイリが話を続ける。今から1年前の事。ソラとリクとでみんなに内緒で外の世界に行くためにイカダを作り、旅立つ前夜に島を襲った嵐は、この世界をも壊し、3人を離ればなれにした。
「それから色々あって、また会えたけど……、」
『持ってって!大切なお守りなんだから、絶対返してよ!』
『…………必ず返すよ』
『約束だよ……?』
『………約束する』
『忘れないで……私が、何時でも側にいること……』
「あのとき私はソラを送り出したけど、笑顔で送り出したけど………!でも、本当は、本当はっ、いってほしくなくってっ……!本当はまだ一緒にいたくてっ……!でも……………!」
あまりの悲しみにとうとう涙を流したカイリ。涙をどれだけ吹いても、どんどん溢れてくる。カイリは手で顔を覆った。俺はこの時黙って見ている事しか出来なかった
数分後、カイリは何とか落ち着き、涙を拭った。正直表情をさっきから一切変えていない俺は一体どうしたら良いのかわからなくなっている。
「ごめんね……、急に泣いたりして……」
「いや、良いよ」
要らない情けだろうが、カイリを慰める。おそらくカイリには俺の言葉が妙に切なく感じてしまうのかもしれない。何故ならカイリは先程からソラの生まれ変わりのように俺の事を見ている。性格や雰囲気だろうか?そう言えばあのときも俺の事をソラと呼んでいた
「……………」
暫く沈黙状態が続いたが、俺はあることを思い付くとカイリを慰めるように彼女の肩に手を置きこう言った
「ねぇ、俺で良ければ何時でも会いに来るよ」
「えっ?」
カイリは少し驚いたが、笑顔で頷いた。俺の言った言葉が少しでも励みになったのなら嬉しい。その後、何時も通りキーブレードライドに乗り込み、カイリに手を振って、異空の回廊を開き回廊の中に突入した。
■作者メッセージ
こんな感じなのかなってカイリの気持ちを描いて見ました!どうでしょうか?みなさんの感想をお聞かせください。