「はぁ！」

町に戻ったシュージ達は、町を襲うアンチネス達と対峙していた。だが、数があまりにも多すぎて切りがない。

「シュージ先輩！そちらはどうなっている！？」

離れた場所にいる白凰が大きな声で叫ぶ。その背後からアンチネスが迫ってくるが、それも物ともせず倒して見せた。その様子を確認したシュージは先程の質問に答える。

「駄目だ！まるで切りがない！」
「それはこちらも同じだ！」

会話の合間合間にどんどん空から押し寄せてくるアンチネス。ドナルドがみんなに炎のバリアなる魔法、フレイムシールドを掛け、みんなの耐性が少しだけだが上がった。

「ありがとうドナルド！」
「僕だって、やれば出来るのさ！」
「二人とも！」

黒凰がいち早く二人に迫っていたアンチネスに気付き、鬼神剣をうまく使って倒した。

「大丈夫？」
「ありがとう黒凰！」

そんな会話も数秒と持たず、すぐにアンチネス達が襲い掛かってくる。この飛行型アンチネスは単体では弱い物の、数があまりにも多く、シュージ達の疲労も激しくなってきている。

「あれを！」

シュージが指差す方には大量のアンチネス。そのアンチネス軍団はどんどん町の中心へと向かっているようだ。

「まずい！」

シュージが先頭で、全員がアンチネス軍団を追いかける。

先程までシュージ達と戦っていたアンチネス達も町の中心に向かおうとしたが、何者かによって阻まれた。それはフウリとライヤだった。彼らもまたレイ達と同様、ロボットの姿に変わっている。

「間に合ったな。」
「さっさとかたずけて、あいつらに追い付こうぜ。」

ライヤの言葉にフウリは頷き、二人とも自らのキーブレードを構える。

「リクはナミネと一緒にソラ達の所に行くって言ってどっか行っちゃうし、」
「俺達はこのアンチネスどもを全滅させようぜ！」

二人はアンチネス達に囲まれ、一斉攻撃を喰らいかけたが、ギリギリの所でガードし、そのまま凪ぎ払った。

「ウィンド、」
「ボルティクス！！」

フウリが巨大な竜巻を呼び出し、そこにライヤが竜巻と同じぐらいの大きさの雷を落とし、雷を帯びた竜巻、ウィンドボルティクスが完成した。

「「行けーっ！！」」

ウィンドボルティクスはアンチネス達に向かって飛んでいき、見事命中、瞬間的にアンチネス達は消滅した。

「よし！」
「早く行くぞ！」

そう言って二人はシュージ達が走っていった方へと向かう。



「はぁ………はぁ………」
「大丈夫紫音？」

一方その頃機関の城では、フィオが紫音を心配していた。よく見ると汗を大量にかいている。しかも息切れもしているようだ。確かに前に戦いはあった物の、あれから一時間は経過している。普通ならとっくに体力は回復しているはずなのだが、何故か紫音は大きく疲労している。

「……うん、大丈……、」
「紫音！？」

紫音が突然倒れた。一体どうしてかはわからない。訳がわからないまま一同は進まざるを得なかった。今後その謎が解き明かされると信じて

フィオは倒れた紫音をおぶっていく事にした。相変わらずあの小さな身体の何処にそんな力があるのかは誰にもわからない。ソラを先頭に歩く一同は不思議な部屋に出た。まるで特訓にでも使うかのような広いが不気味な部屋。

その部屋の上の方から突然声が聞こえた。

「よく来た、ソラ。」