DREAM9【夢を知るもの】
夢を知るものと名乗る謎の少年がその時フードを外し、ハイライトグリーンのウサギの耳のように広がりつつも逆立った独特の髪形、同じくハイライトグリーンの目、そしてレイ君にとても良く似た顔付きと言う素顔が露となった。
「僕の名前は、アーディー・アルーン」
アーディー・アルーンと言うその少年はキーブレードらしき武器を軽く振り回し、なんと軽く竜巻を起こして見せた。すると周囲に隠れていたナイトメア達が炙り出され、私達のいる場所へと落とされた。
「ぐっ……」
「何かあった時の為に、更に策を用意したのだろうけど、君の戦略は筒抜けだよ!」
その刹那、アーディーが軽く指を鳴らす音が響いた。一体何をするのだろうと思った矢先、私達の背後から何体かスピリットが現れ、アーディーの横にきっちりと並んだ。一体はペガサスのような姿、一体はユニコーンのような姿、一体は以前戦った犬と猫の特徴を持った物が王冠を被った姿、そして一体はヘッドフォンを着けたトカゲで、どれも緑色を基調としたデザインをしている。
アーディーがもう一度指を鳴らすと、スピリット達が一斉にナイトメア達に攻撃を開始した。どうやらあのスピリット達の合図はアーディーの指の音らしい。
「これで邪魔物は止められた。さぁ、これでどうだろう?」
ドゥーハを挑発するアーディー。しかしドゥーハは表情1つ変えず再びナイトメアを四体程呼び出した。一体はキバの長いトラ、一体はティラノサウルスのような姿、一体はジャグラーのようなアシカ、一体は威厳溢れるライオンと言う構成で、こうしてみるとかなりの驚異である事を改めて感じる事が出来る。
「あっちは5人でこっちは四人……フェアじゃないね」
「四人?」
アーディーが然り気無く言い放った言葉が気になり、私はアーディーの顔をチラッと見た。するとアーディーはこう答えた。
「僕も戦うんだよ。君達と」
「でも……貴方は?」
「説明は後、まずはこいつらを何とかしよう!」
「おう!」
「うん!」
こうして、私達はアーディーと共に七星座の一人であるドゥーハと戦う事になった。
このままでは4vs5と明らかに不利なので、アーディーがスピリットを一体更に呼び出してくれた。このペガサスのようなスピリットは『ハンサムペガサス』と言うらしい。先程の物と同じく緑色を基調とした配色となっている。
敵だから流石に準備する暇も与えてくれないかと思ったけど、案外ドゥーハは戦いの準備は怠らないようで、『自分達もするからお前達もやれ』と意外にも準備の時間をくれた。恐らくあっちはドリームイーター達の統率の為の準備だろう。しかしこちらにも時間が与えられたのはとても実はラッキーである。アーディーに色々と教えてもらえるからだ。
「ねぇ、貴方、えーと…」
「もしかして長くて呼びにくい?」
私の考えている事を一瞬で見抜いたかのようなアーディーの発言だが、それは正解で、正直結構言いにくい。その様子を見かねたアーディーはこう言った。
「じゃあ、アディアって呼んで」
あぁなるほど。アーディー・アルーンと言う名前を略してアディアと言う事か。これなら呼びやすく、一気に私達の頭の中に定着していった。
「ねぇアディア、貴方は一体何者?なんでドゥーハがここに?七星座の目的は何?」
「そんなに一度に質問しなくても、しっかり答えるよ」
一気に三つも質問をして申し訳ないと思う反面、質問の答えを私は期待していた。もしかしたら知らなくてはならない事かもしれないから。
「まず僕は、ローグ達と同じ、夢の民。この世界を守る存在さ」
夢の民。ドリームイーターの中でも特別な存在で、夢の世界を守る役割を持っている。ちなみにいずれも人の姿を持っていて、先程アディアが言っていた『夢を知るもの』と言う言葉は夢の民と言う意味だったと言う事になる。
「次にドゥーハだけど、彼はレイディアントガーデンで君達を発見してから、ずっと尾行していて、先回りして罠を張っていたんだ。」
「付けられてたのか……」
アディアが語る真実にダーク君は思わず項垂れる。何時もなら尾行されている事くらい気づくほど冷静なダーク君の事だから、気付けなくて悔しいのだろう。
「そして七星座の目的。それは夢の世界を破壊する事。跡形も無くね。」
「あのさ、そもそもなんで夢の世界を壊さないといけないの?」
フィオ君の質問はある意味当然と言えるだろう。確かにこれまで夢の世界が壊れるとか、七星座が夢の世界を破壊しようとしている事は聞いていたけど、それが一体どう言った目的で行われようとしているのだろうか。
「それは誰にもわからない、しかもそれは【エージェント】達でさえ知らせれていないらしい」
「エージェント?」
突然聞き慣れない言葉が飛び出してきて、少し動揺したが、それについてもすぐにアディアが答えてくれた。
「七星座のNo.4〜7、つまりドゥーハ、メラクリオン、フェクド、メッグレスの四人の通称さ。リーダーであるベネトナシュの命令で活動する主な四人である事からそう呼ばれてる。」
「つまり、あいつはエージェントって事か」
アディアは強く頷き、再びフードを被ると何処からともなく先程の武器を右手に出現させ、こう言った。
「さぁ、行こう!みんな!」
私達三人は強く頷き、私はこの世界で得た二つのキーブレードを取り出した。フィオ君は相変わらずのアローガン、ダーク君は意外にもガンブレード。
それにしてもこの二人、いつ武器を貰ったのだろうか。察しがつくとすればこの世界で初めて出会う直前にルプクスに渡されたと言う事になるのだろう。
「準備が出来たようだな」
ドゥーハが再びナイトメア達を呼び出し、私達を取り囲んだ。無論ドゥーハの右手には先程と同じライフルが握られている。
初の七星座との戦い。この戦いにあるのは…………
――やるか、やられるか――
「僕の名前は、アーディー・アルーン」
アーディー・アルーンと言うその少年はキーブレードらしき武器を軽く振り回し、なんと軽く竜巻を起こして見せた。すると周囲に隠れていたナイトメア達が炙り出され、私達のいる場所へと落とされた。
「ぐっ……」
「何かあった時の為に、更に策を用意したのだろうけど、君の戦略は筒抜けだよ!」
その刹那、アーディーが軽く指を鳴らす音が響いた。一体何をするのだろうと思った矢先、私達の背後から何体かスピリットが現れ、アーディーの横にきっちりと並んだ。一体はペガサスのような姿、一体はユニコーンのような姿、一体は以前戦った犬と猫の特徴を持った物が王冠を被った姿、そして一体はヘッドフォンを着けたトカゲで、どれも緑色を基調としたデザインをしている。
アーディーがもう一度指を鳴らすと、スピリット達が一斉にナイトメア達に攻撃を開始した。どうやらあのスピリット達の合図はアーディーの指の音らしい。
「これで邪魔物は止められた。さぁ、これでどうだろう?」
ドゥーハを挑発するアーディー。しかしドゥーハは表情1つ変えず再びナイトメアを四体程呼び出した。一体はキバの長いトラ、一体はティラノサウルスのような姿、一体はジャグラーのようなアシカ、一体は威厳溢れるライオンと言う構成で、こうしてみるとかなりの驚異である事を改めて感じる事が出来る。
「あっちは5人でこっちは四人……フェアじゃないね」
「四人?」
アーディーが然り気無く言い放った言葉が気になり、私はアーディーの顔をチラッと見た。するとアーディーはこう答えた。
「僕も戦うんだよ。君達と」
「でも……貴方は?」
「説明は後、まずはこいつらを何とかしよう!」
「おう!」
「うん!」
こうして、私達はアーディーと共に七星座の一人であるドゥーハと戦う事になった。
このままでは4vs5と明らかに不利なので、アーディーがスピリットを一体更に呼び出してくれた。このペガサスのようなスピリットは『ハンサムペガサス』と言うらしい。先程の物と同じく緑色を基調とした配色となっている。
敵だから流石に準備する暇も与えてくれないかと思ったけど、案外ドゥーハは戦いの準備は怠らないようで、『自分達もするからお前達もやれ』と意外にも準備の時間をくれた。恐らくあっちはドリームイーター達の統率の為の準備だろう。しかしこちらにも時間が与えられたのはとても実はラッキーである。アーディーに色々と教えてもらえるからだ。
「ねぇ、貴方、えーと…」
「もしかして長くて呼びにくい?」
私の考えている事を一瞬で見抜いたかのようなアーディーの発言だが、それは正解で、正直結構言いにくい。その様子を見かねたアーディーはこう言った。
「じゃあ、アディアって呼んで」
あぁなるほど。アーディー・アルーンと言う名前を略してアディアと言う事か。これなら呼びやすく、一気に私達の頭の中に定着していった。
「ねぇアディア、貴方は一体何者?なんでドゥーハがここに?七星座の目的は何?」
「そんなに一度に質問しなくても、しっかり答えるよ」
一気に三つも質問をして申し訳ないと思う反面、質問の答えを私は期待していた。もしかしたら知らなくてはならない事かもしれないから。
「まず僕は、ローグ達と同じ、夢の民。この世界を守る存在さ」
夢の民。ドリームイーターの中でも特別な存在で、夢の世界を守る役割を持っている。ちなみにいずれも人の姿を持っていて、先程アディアが言っていた『夢を知るもの』と言う言葉は夢の民と言う意味だったと言う事になる。
「次にドゥーハだけど、彼はレイディアントガーデンで君達を発見してから、ずっと尾行していて、先回りして罠を張っていたんだ。」
「付けられてたのか……」
アディアが語る真実にダーク君は思わず項垂れる。何時もなら尾行されている事くらい気づくほど冷静なダーク君の事だから、気付けなくて悔しいのだろう。
「そして七星座の目的。それは夢の世界を破壊する事。跡形も無くね。」
「あのさ、そもそもなんで夢の世界を壊さないといけないの?」
フィオ君の質問はある意味当然と言えるだろう。確かにこれまで夢の世界が壊れるとか、七星座が夢の世界を破壊しようとしている事は聞いていたけど、それが一体どう言った目的で行われようとしているのだろうか。
「それは誰にもわからない、しかもそれは【エージェント】達でさえ知らせれていないらしい」
「エージェント?」
突然聞き慣れない言葉が飛び出してきて、少し動揺したが、それについてもすぐにアディアが答えてくれた。
「七星座のNo.4〜7、つまりドゥーハ、メラクリオン、フェクド、メッグレスの四人の通称さ。リーダーであるベネトナシュの命令で活動する主な四人である事からそう呼ばれてる。」
「つまり、あいつはエージェントって事か」
アディアは強く頷き、再びフードを被ると何処からともなく先程の武器を右手に出現させ、こう言った。
「さぁ、行こう!みんな!」
私達三人は強く頷き、私はこの世界で得た二つのキーブレードを取り出した。フィオ君は相変わらずのアローガン、ダーク君は意外にもガンブレード。
それにしてもこの二人、いつ武器を貰ったのだろうか。察しがつくとすればこの世界で初めて出会う直前にルプクスに渡されたと言う事になるのだろう。
「準備が出来たようだな」
ドゥーハが再びナイトメア達を呼び出し、私達を取り囲んだ。無論ドゥーハの右手には先程と同じライフルが握られている。
初の七星座との戦い。この戦いにあるのは…………
――やるか、やられるか――