DREAM16【新しい道】
午後10時、私は部屋の消灯をした後、すぐに眠りについた。そして数秒も経たない内に夢の中へと引き込まれていく。
目を開けるとすでにそこはレイディアントガーデンだった。自分の姿も変わっている。どうやら再び夢の世界に来れたようだ。
「……とりあえず、みんなと合流してからディアを探そうかな」
すぐにジョブゲートのある広場に向かい、再び天使の姿にジョブチェンジすると高速で空を飛び、フィオ君達を探し回った。流石にレイディアントガーデンの街は広く、もし飛んでなかったら今頃迷子になっていただろう。ジョブゲートと言う物があって良かったと思う。
暫く飛んでいると、フィオ君達二人を城壁広場に確認した。すぐにそこに降り立ち、二人の元に歩み寄った。
「今晩は、二人とも」
「おう、クロナ」
「そういや現実の時間は10時だったね!」
今晩はと挨拶されて今頃気付くフィオ君は相変わらずで、その隣のダーク君はそれに完全に呆れていた。レイディアントガーデンの空は常に明るい色である為、時間感覚がぶれてしまうのも無理は無いとは思うが、少し冷静になれば誰でも気付く事である。
「それで、ディアは?」
こちらの世界の挨拶は止め、いよいよ本題に入る。この質問にはダーク君が答えた。
「まだ見てない。でも、あの"黒天"ならけっこう目立つだろ」
「黒天って?」
聞き慣れない単語がダーク君の口から放たれ、疑問に感じたフィオ君が質問をする。私もそれについて聞きたいと言うように頷いて見せた。するとダーク君は苦笑いしながら答えた。
「黒い天然パーマの略」
その表情は何処か辛そうだった。ジョークでも答えたくなかったくらい恥ずかしかったのだろうか。確かにディアは天然パーマであるレイ君のダークネスカラーと言える容姿をしているが、これは聞かない方が良かったかもしれない。
この罪悪感が何故か心に強く突き刺さった気がする。
「と、とりあえず行こうぜ、ディア迷ってるだろうし!」
この気まずい空気を何とかダーク君が反らし、本題に戻した。私達三人は街に出てディアを探す事になり、街中歩き回った。歩き始めて一時間程経った頃、城門にてやっと見つけた。どうやらアディアとアンセムさんにこの世界の事を教えてもらっていたようだ。
「なるほど、それで…情報は?」
「う〜ん、わかってるのは七星座のリーダーベネトナシュは顔を隠していると言う事だね」
「何の話?」
三人が深く話し合っている中に割って入った。少し無理矢理な気がしないでもないが、私達にも聞く権利はあると思うので今回は特に罪悪感にはならなかった。……さっきと違って
「おぉ、クロナ君にフィオ君にダーク君」
アンセムさんは礼儀正しく挨拶してくれた。どうやら割って入ったのは特に気にしていない様子。それは他の二人も同様であった。
「この世界の事を教えてもらっていてな。七星座の事も聞いた。大変な事になっているようだな」
「それでディア君がもっと情報が欲しいって言い出して、新情報を教えようと思ったんだけど、丁度良かった」
どうやら新しい情報が入っているようだ。ディアに話す瞬間に私達が来たので、私達にも同時に知らせられると言うことで丁度良いと言ったのだろう。
「実は、ベネトナシュはその素顔を誰にも見せたことが無いらしい」
「素顔?」
素顔を見せたことが無いと言う事は常に何かで顔を隠していると言う事だろうか。そもそも隠す理由は何なのだろうか。全てが謎だらけだったベネトナシュの情報がやっと1つわかった。こんな些細な情報でもベネトナシュの事を少しずつ知る手がかりとなるかもしれない。
「あぁ、なんでも、右目だけを露出した不思議な鉄仮面を常に装備していて、透き通るような青い目をしてるんだとか」
「その仮面で素顔を隠し、七星座のメンバーにさえその素顔を表していないようだ。後、特徴的な物はどうやら無駄無く綺麗で長い紫髪らしい」
アディアとアンセムさんの解説を聞いて私は衝撃を受け、暫く言葉が出なかった。フィオ君やダーク君、そしてディアも動揺を隠せていない。何故なら今聞いたベネトナシュの特徴が(綺麗な髪かはわからないが)現実世界の私と一致する物ばかりだったからだ。しかし、まだあくまでも"情報"なので本当とは限らない。
「それ、まさか……」
先に沈黙を破ったのはダーク君だった。震えた声で呟くと、それに対してアディアが言った。
「似てるよね?現実世界のクロナに。情報屋をしてる仲間から聞いた情報だから、間違い無いと思う」
アディアの仲間であると言う情報屋。彼女がここまで断言すると言う事はかなり信頼出来る情報屋なのだろう。もしかするとアディアやローグ、ルプクスの他にも夢の民はいると言う事だろうか。
「さて諸君、次に行く世界を調べておいたぞ」
様々な事に頭を悩ませている中、アンセムさんが静寂を破り、次に向かう世界の名を口にした。
「次の世界は、"ワンダーランド"だ」
目を開けるとすでにそこはレイディアントガーデンだった。自分の姿も変わっている。どうやら再び夢の世界に来れたようだ。
「……とりあえず、みんなと合流してからディアを探そうかな」
すぐにジョブゲートのある広場に向かい、再び天使の姿にジョブチェンジすると高速で空を飛び、フィオ君達を探し回った。流石にレイディアントガーデンの街は広く、もし飛んでなかったら今頃迷子になっていただろう。ジョブゲートと言う物があって良かったと思う。
暫く飛んでいると、フィオ君達二人を城壁広場に確認した。すぐにそこに降り立ち、二人の元に歩み寄った。
「今晩は、二人とも」
「おう、クロナ」
「そういや現実の時間は10時だったね!」
今晩はと挨拶されて今頃気付くフィオ君は相変わらずで、その隣のダーク君はそれに完全に呆れていた。レイディアントガーデンの空は常に明るい色である為、時間感覚がぶれてしまうのも無理は無いとは思うが、少し冷静になれば誰でも気付く事である。
「それで、ディアは?」
こちらの世界の挨拶は止め、いよいよ本題に入る。この質問にはダーク君が答えた。
「まだ見てない。でも、あの"黒天"ならけっこう目立つだろ」
「黒天って?」
聞き慣れない単語がダーク君の口から放たれ、疑問に感じたフィオ君が質問をする。私もそれについて聞きたいと言うように頷いて見せた。するとダーク君は苦笑いしながら答えた。
「黒い天然パーマの略」
その表情は何処か辛そうだった。ジョークでも答えたくなかったくらい恥ずかしかったのだろうか。確かにディアは天然パーマであるレイ君のダークネスカラーと言える容姿をしているが、これは聞かない方が良かったかもしれない。
この罪悪感が何故か心に強く突き刺さった気がする。
「と、とりあえず行こうぜ、ディア迷ってるだろうし!」
この気まずい空気を何とかダーク君が反らし、本題に戻した。私達三人は街に出てディアを探す事になり、街中歩き回った。歩き始めて一時間程経った頃、城門にてやっと見つけた。どうやらアディアとアンセムさんにこの世界の事を教えてもらっていたようだ。
「なるほど、それで…情報は?」
「う〜ん、わかってるのは七星座のリーダーベネトナシュは顔を隠していると言う事だね」
「何の話?」
三人が深く話し合っている中に割って入った。少し無理矢理な気がしないでもないが、私達にも聞く権利はあると思うので今回は特に罪悪感にはならなかった。……さっきと違って
「おぉ、クロナ君にフィオ君にダーク君」
アンセムさんは礼儀正しく挨拶してくれた。どうやら割って入ったのは特に気にしていない様子。それは他の二人も同様であった。
「この世界の事を教えてもらっていてな。七星座の事も聞いた。大変な事になっているようだな」
「それでディア君がもっと情報が欲しいって言い出して、新情報を教えようと思ったんだけど、丁度良かった」
どうやら新しい情報が入っているようだ。ディアに話す瞬間に私達が来たので、私達にも同時に知らせられると言うことで丁度良いと言ったのだろう。
「実は、ベネトナシュはその素顔を誰にも見せたことが無いらしい」
「素顔?」
素顔を見せたことが無いと言う事は常に何かで顔を隠していると言う事だろうか。そもそも隠す理由は何なのだろうか。全てが謎だらけだったベネトナシュの情報がやっと1つわかった。こんな些細な情報でもベネトナシュの事を少しずつ知る手がかりとなるかもしれない。
「あぁ、なんでも、右目だけを露出した不思議な鉄仮面を常に装備していて、透き通るような青い目をしてるんだとか」
「その仮面で素顔を隠し、七星座のメンバーにさえその素顔を表していないようだ。後、特徴的な物はどうやら無駄無く綺麗で長い紫髪らしい」
アディアとアンセムさんの解説を聞いて私は衝撃を受け、暫く言葉が出なかった。フィオ君やダーク君、そしてディアも動揺を隠せていない。何故なら今聞いたベネトナシュの特徴が(綺麗な髪かはわからないが)現実世界の私と一致する物ばかりだったからだ。しかし、まだあくまでも"情報"なので本当とは限らない。
「それ、まさか……」
先に沈黙を破ったのはダーク君だった。震えた声で呟くと、それに対してアディアが言った。
「似てるよね?現実世界のクロナに。情報屋をしてる仲間から聞いた情報だから、間違い無いと思う」
アディアの仲間であると言う情報屋。彼女がここまで断言すると言う事はかなり信頼出来る情報屋なのだろう。もしかするとアディアやローグ、ルプクスの他にも夢の民はいると言う事だろうか。
「さて諸君、次に行く世界を調べておいたぞ」
様々な事に頭を悩ませている中、アンセムさんが静寂を破り、次に向かう世界の名を口にした。
「次の世界は、"ワンダーランド"だ」